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2007年12月3日

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和田芳恵の短編を読む

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人恋しくなる季節に、よけいにそう想える歳にもなっては来ている、いまとなっては詮ない話ではある。

昨年の、暮に亡くなったワンちゃんは、この時季になると、夜はわたしの傍らに来て寝入っていた。

柔らかな毛を、わたしの顔にぴたっと貼りつくように寄せていた。こら、すこし離れろ、といっても、わ

れ関せずで体を動かそうともしなかった。わたしのほうがベットのわきのほうに体をずらしていた。

いまのワンちゃんは、早朝5時ころに、わたしを起こしにベットにとびあがり、顔をなめる。

今年の4月に来たワンちゃん、来て以来、朝のこの時間くらいに起きてくる。起きると牛乳をすこし与え

ていた。その習慣が冬になっても忘れずに、牛乳を飲みたさにわたしを起こすらしい。

飲むものを終えると安心するのか、ベットの上のわたしの足の間に納まって寝入る。

わたしの傍らに来るのは、そのときだけである。それ以外は床で寝ている。

いまのところ、人恋しさのかわりで犬肌恋しさで気持ちをまぎらしている。

一月まえから、寝る前の読書で和田芳恵の小説を読んでいる。

5,6冊ばかし、和田の本を持っている、奥付けをみるともう30年も前になる発行。

わたしも若く、三十まえの歳でもあった。読んだということだけは記憶にあるのだが、内容はまるっきり

忘れている。

和田も書いているが、自分の作品は、老人と若い女性との情痴話である、評論家や、人によっては毛嫌い

される内容だが、一部の人には支持されて読まれていると、わたしなどは支持ではないが、エロっぽい話

ゆえ、読んでいた、くちである。

和田の小説に出てくる老人と近い歳となったいまでは、まえとは違った思いで読んでいた。

ほとんどの作品が原稿用紙三十枚足らずの長さである。これらを一夜、二、三篇づつ読んでいた。

飛ばし読みするのもありで、精読といふわけでもないが、なかには再読する作もありで、まんざら他人事

ともおもえない内容の小説もありで、この一月ばかし、自分には好い読書時間を持てたとおもえた。

妻との性的な関係を拒否され続けられている熟年オヤジの話「抱寝」や最後の一行の、作品のなかには

でてこなかった女性の名前に続いて青酸カリにて死、などという、ハッとする終わりというか、落ちの

「厄おとし」など見事というしかない作品であった。

一葉の研究家でもあった、和田芳恵がほんとに晩年の三、四年に何かに憑かれたように書いた作品集、こ

れらの作品によって、川端賞をはじめ、いくつかの賞を獲った。

わたしの本棚にある、和田の本、この先もう手にすることもないかもしれないが、なにかの気まぐれで

読み返したのだが、気まぐれもいいときもあるものである。

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