美しい国
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今、Ray Bradburyという作家が1946年頃書いたThe Martian Chronicles (邦題: 火星年代記) という本を読んでいる。まだ半分くらいまでしか読んでいないが、考えさせられるところの 多い本だ。 簡単な内容を説明すると、1999年、アメリカ人がとうとう火星に上陸する。とこ ろが火星人にとってはいい迷惑なので、火星人はアメリカ人を殺す。アメリカ人 は自分たちはすごい達成したんだから歓迎されるべきだくらいの態度。火星人に とっちゃそんなことはどうでもいい。それでも次から次とアメリカ人はやってく る。そのアメリカ人が持ってきてしまった水疱瘡で、火星人は絶滅する。何万年 も続いた美しい火星文化は滅び、アメリカ人は勝手に自分たちの都市を造り始め る。 火星の街も音楽も素晴らしく美しい。それは、火星人は生きるということに疑問 を持つことをやめ、生きるということそのものを答えとし、神聖な生活をしてい たからだった。 と、今のところ、こんな内容を読んでいる。 設定は火星ということだが、当時のアメリカのやり方に忠告しているようにもと れる。西洋、特に英語圏の国は自分たちが世界の中心と思っている。それに、ア カデミック崇拝、科学崇拝を強めてきた。好奇心が侵略に変わり、神聖な生き方 を捨ててしまった。 日本はもともとは、世界に誇る、神聖な国だと思う。 日本人ほど、神様と一緒に暮らしてきた民族も珍しいんじゃないだろうか。 ところが、戦争でそれを失ってしまった。 私は、贅沢の芸術は好きになれない。何か意図的にウケようとしているように見 える。コマーシャル。美しくても、好きにはなれない。 だから私は、伝統工芸、民具、伝統建築、民謡の方が好きだ。 何も意図していない。マニュアルや数式やらでは無い、エイヤッ、ほら、これい いでしょ的な、親切な工夫が感じられる。生きるためにあるもの、必然、且つラ ンダム。日本に限らず、どこの国でもそう。 おばあちゃんの料理が一番美味しいのも、世界共通だろう。 一流シェフでない、職人の押しつけがましいプライドも無い、ただ、美味しいも のを食べさせたいと思ってつくる素朴な味。 美しい国になるには、そういった単純さ、神聖さを取り戻さなければならない。 金儲けや名誉、科学的な達成よりも、まずは単純に生きることを大切にしなければ、 美しい国はありえないのではないだろうか。 何も昔に戻れと言うわけでも、宗教をやれと言うわけでも、伝統工芸をやれとい うわけでもない。 今には今のやり方があると思う。 「今」が伝統になるような日本にはできないだろうか?
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