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「医者」という肩書きを持つと、「学会」というものが付いて回ります。
当時、日本の形成外科学会に大森清一先生という美容外科学会では
世界に通じるゴッドファーザー的な先生がおられました。
その先生のところへアメリカから
「グループで日本へ旅行するのだが、旅費を経費で落としたいので勉強会を設定してくれないか」と
要請が届きました。
早速大森先生を中心に美容関係の理事を勤めている先生方に招集がかかりました。
プログラムを決めるのは大森先生の胸一つ。
当時バストの整形で一人張り切っていた私が当然のように指名されました。
さあ、大変です。
演題発表の原稿は手紙のようにサラサラ書くわけにはいきません。
当時顔を出していた昭和大学の形成外科にいた外国人留学生にヘルプを頼みました。
生まれて初めての英語発表です。
原稿が出来上がってからは毎晩原稿を広げて声に出して練習です。
いよいよ当日がやってきました。
参加者は100人くらいの小さな会場ではありましたが、緊張の波は容赦なく押し寄せてきます。
スタートして中盤頃でしょうか、一箇所きちんと舌の出ない所があり
冷静さを取り戻しつつあったのでしょう、思わずニヤリとしてしまいました。
ただ、原稿を読みながらふと目を上げると
私の慣れない英語を一生懸命理解しようとしているのでしょう。
怖い顔をして睨んでいる外人さんが眼に飛び込んできたのです。
その後何とか終わらせる事ができたのですが、さすがに神経はピリピリだったのでしょう。
席に戻った私の胃袋は刺すような痛みに襲われたのです。
その後の懇親会でビールを飲むまでは…。
「緊張感」という刺激に取り付かれたのでしょうか。
その後も30回近く国際学会で発表を繰り返すことになるのです。
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