渋谷レコード店日記-アナログレコードコレクションのススメ

渋谷の中古レコード屋next. recordsで日々思ったことやレコードについて書いてます

レコード

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レコード沼にビギナーを誘うのには、ちょっと躊躇する件

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お店にお越しいただいたお客さんに「自宅でDJ PLAYをしたいんですけど、どうすればイイですか?」ってご相談を受けました。
対応したのはnext.スタッフのNです。オイラは、パソコンでの入力作業が差し迫っていたので、ヨコでそれとなくハナシだけ聞いていました。

ナンでも、友人からターンテーブル2台とDJ MIXERとHIPHOPのレコードを数十枚を譲り受けたそうです。ソレは、ソレでめちゃ羨ましいハナシです。
折角、DJが出来るセットが揃っているので、自宅で好きな曲のDJ PLAYが楽しみたいなぁ・・・ってカンジでnext.に訪れていただきました。
因みに好きな音楽は、昔の古いソウルとかDISCOナンバーだそうです。なので、譲ってもらったHIPHOPのレコードはちょっと・・・ってカンジで好みの音楽のレコードを探しにnext.にキタっていうシチュエーションです。
だけど、DJのコトとかMIXとかレコードのコトとか、まったくワカラナイ状態です。
DJってターンテーブル2台とDJ MIXERの前でヘッドホンに手を添えてレコードを触ってキュキュッ・・・みたいなステレオタイプ的なイメージはあるけどソコでナニが行われているのかって詳しい状況はワカラナイというDJビギナーの一歩手前みたいな状況です。

next.スタッフのNが「どんなコトをしたんですか?」ってお訊きすると「好きな曲(古いDISCOナンバー)をMIXしたいんですよ。」とのコト。
解っている人は、解ると思うのですが、古いDISCOの曲っていうのは、ドラマーが生でドラムを叩いている場合が多いのでMIXする時にビートのテンポが若干早くなったり遅くなったりとBPMに揺れがあってMIXするのには結構コツが必要です。
そういった内容を伝えて、「MIXの練習をするなら、BPMに揺れがない打ち込みビートで同じレコードを2枚使ってやるのがイイんじゃないですか」ってアドバイスをしていました。
next.スタッフのNが目の前で、同じレコードを2枚使って「こうやってヤルんですよ・・・」ってMIXのデモPLAYを披露すると「おおおおっ!スゲ〜!!」って驚いていました。
傍目で見ているとDJセットはあるけどホントに、ナニもワカラナイ状態ナンだなぁってオイラはカンジていたんですが、next.スタッフのNもソレに気がついたようで、「ターンテーブルの設定とか判りますか?」ってお訊きすると「YouTubeを見て見よう見まねでナンとかやってみました・・・」って。

レコードでDJ MIXをするのも結構、知識とか経験など要するのですが、オーディオ機器であるプレーヤーのセッティングはDJ PLAY以前の前に必要な知識です。
レコードプレーヤーの設置場所、レコード針の針圧調整、アンチスケーティングやアームの設定などちゃんと音が出せる状況が出来てからDJ PLAYになります。
レコードの針圧調整をお客さんの目の前でスタッフNがレクチャーしてみたのですが、「アームの端にあるウェイトを回して基準となるゼロgをだして・・・」なんて説明をしてましが、ターンテーブルのコトをよく分からない人がソレをみてスグに理解するのはかなり難しいと思うのです。
「適正な針圧にして・・・」って言っても「適正な針圧って何グラムですか?」ってソレも使っているカートリッジによりますし、PLAYのスタイルによって針圧は変わってきます。
カートリッジにしてもたくさん種類が出ています。数千円で売っている安価なカートリッジから1万円オーバーのものまであって一体どのカートリッジがイイのかっていうのも解りません。出来れば、安い方がイイとか音がイイ方がとか・・・じゃあソレはドレ?ナンことも解りません。
また、プラッターの上に必ずスリップマットを敷かないとレコード盤を止めてアタマ出し出来ません。スリップマットの下にスリップシートを敷いた方がスベりが良くなるっていうコトもあります。ソレも1枚でイイのか、2枚でイイのかっていうのもあります。

更にレコードについての知識も必要になります。
アルバムとシングルの違いとか、音質の違いとか、レコードの保管の仕方とか、ドコの国盤とか、DJとなるとナニMIXがどの盤に収録されているのか・・・。
また、オリジナル盤とか再発盤、ブート盤とか・・・中古レコードだとコンディションの見方とか、ドコでレコードを買うのだとか・・・・。
30分くらいそのお客さんとnext.スタッフNがハナシをしているのをヨコで聞いていて思ったんですよ。
レコードでちょっとDJ PLAYがしたいってだけなのに、ホントに、そんなたくさんのコト知らなきゃイケないのか・・・って。

そもそも、まだナニもワカラナイDJ ビギナーの入り口に立っているお客さんにそんなたくさんの知識を得てまでアナログレコードでDJがしたいっていう強いコダワリがあるのかっていう部分にまで気になりました。
お金も時間も知識も機器に要するスペースなど、かなり必要になります。
レコードというモノ自体に特別な思い入れがナイとレコードを集めてDJ PLAYするという行為は、DJ PLAYの入り口に立っている人からするとハードルが高いんじゃないかなって思ったんですよ。
目的がDJ PLAYという行為自体だけを考えれば、デジタル音源とアナログレコードで比べた場合、それぞれの良さはあるとは思うのですが、合理性だけで言えば明らかにパソコンを使ってデジタル音源でDJ PLAYするっていうスタイルの方が合理的だとオイラは思うんですよね。
費用面にしても、音源を手に入れる手段としても「合理性」の部分を考えればアナログレコードは、決して安くはナイし、場所もとるし、購入する手段においてもiTunesでポチって押せばスグDLが始まるみたいに決してカンタンではありません。
「しかしっ!!!ソレ以上にまさる良さがレコードにはあるっ!!!」っていうのも事実です。
でもそのレコードの本質部分の良さが解るまでには、相当深い部分まで理解と投資が必要となります。

で、ビギナー入り口に立っているお客さんに、DJ PLAYしたいという気持ちはよく解りますが、ホントにアナログレコードでイイですか?って思うんですよね。
レコード店のオーナー的な立場でいうと「ようこそ!深遠なるアナログレコードの世界へ!!!」って声を大きくしてお誘いしたいっていうのは、トーゼンあるのですが、本当に安易に誘ってイイのかなって思ったんですよ。
このブログでの散々「アナログレコード万歳!」なコトを書きまくっていてこんなコトをいうのはナンですが・・・笑
オイラが思うに、レコードが音楽メディアの主流だった頃から馴染みがある人が、再びレコードを聴き出すっていうのと、全然レコード世代でナイ人、CD世代やデジタル音源DL世代が趣味としてレコードを聴くっていうのは、音楽を聴くという行為は同じでもそれぞれ意味がちがうと思うんですよ。
やっぱり「好きな音楽を聴く」という本質的な行為以上に「アナログレコードで好きな音楽を聴きたい」っていう強い欲求がないと聴き続けるコトが出来ないかもなぁ〜って思うんですよね。
ましてや、今回の場合、目的はDJ PLAYです。好きなレコードをコレクションして聴くというのと、DJ PLAYはハッキリ別物です。
今だと、レコードを聴くという行為自体が1冊の本になる時代です。更にDJ PLAYもしたいとなると・・・ソレ以上の知識が必要となります。
お店で、お客さんと小一時間ほど、そういったレコードやDJ PLAY的なハナシをしたのですが、内容が込み入っているというか深すぎるというかマニアックすぎてタブン、あまり理解してもらえなかったかも知れません。
イヤ〜でも、レコード沼にハマったらハマッたで楽しい半面、結構タイヘンなコトもありますしね・・・。


いや〜ホントにイイのかな・・・カジャルな気持ちでDJ PLAYしたいって思っている人にアナログレコードをオススメして・・・。
ご相談いただいているお客さんへ解りやすくDJ PLAYのコトやターンテーブル、レコードのコトを解説しているnext.スタッフNのヨコで複雑な想いをめぐらす渋谷の中古レコード店主でありました・・・。



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