|
* ベトナムの経済崩壊が近々起こりうると考える僕は、ベトナムの師匠と崇めるH氏に彼の意見を求めた。忙しい中にも拘わらず、次のような貴重なコメントを頂いたので、ご紹介致します。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
メール拝受。
「ベトナム経済」の危機は、いまに始まった事ではありません。
なぜ、ベトナムが途上国なのか?ここがポイントです!
決して、見下ろしてのモノ言いではありません。
日本が明治開国した際、
日本が日清戦争で巨額の国益を得た際、
日本が日露戦争で破綻寸前に得た国益、
第一次世界大戦で確立した国益、
日本の戦後に得た巨額の援助物資と隠匿物資にたかったシロアリのような行動、
復興期に湧き上がった横領、背任、様々な経済犯、
いまに至るも、日本は克服できない巧妙な不公正慣行。
山のようにありますから。
中国、台湾、韓国、ベトナム、フィリピン、インドネシア、タイ、シンガポール、日本、
いずれの国も、同じ問題を抱えています。
とりわけ、これらの国に共通しているのは、大きな意味で「漢文化圏」にある事実です。
これは社会の制度(歴史的経験的積み上げの結果)ではないかと考えます。
ベトナム人の特徴は、常に(その時、いま生きている土地から)逃げる事が基本です。
常に、移動しながら、国を形成してきました。これは習性ですから仕方がありません。
ベトナム人は、ベトナム以外の海外にあろうとなかろうと「ベトナム人」です。
誇り高いです。基本的にアイデンティティを捨てません。立派です!
どのような立場であろうと、どのような立場に置かれようとも、ベトナムを忘れません。
その意味で、実に真面目な「モンゴロイド(アジア人)」です。
米作農民の血が流れています。決して母国の土を忘れません。
その意味で、日本人や韓国人と似通っていると思います。
ベトナムの経済が崩壊する事はないでしょう。
ベトナムの大地からベトナムの文化やベトナム人が消える事もないでしょう。
株も土地もバブルが崩壊したように思います。
「幼稚産業」を抱え、「輸出指向型産業」を海外から投資を得た事で「外貨」を
得るようになりましたが、基本的に産業を支える部品を地場で生産する能力を欠いています。
外国資本の手でGDP/GNI一人1000US$達成を目前にしています。
これは仮初めの話ですが、経済成長中の途上国の人には実態が理解できません。
だから、途上国なのです。
と言いながら、翻って日本はどうでしょうか?余り変わらないのじゃありませんか。
何処の国にも、ネズミはいます。
ベトナムは、特にネズミの多い国です。インサイダー取引で株価や土地を上げて
きたのですよ。動員したか、動員する側に廻ったか、動員されたか、分かりませんが。
平均株価が半分になった程度で別にどうと言う事はありませんし、ないと思います。
ベトナムの経済が大変なのは、一次産品が価格上昇し始めた事をどう受け止め、
どのように政策を展開するかです。
いきなり金満国家になるかも知れませんし、そうではなく、崩壊するかも知れません。
いずれの場合でも、80%を占める「農家」は、同じ環境です。同じ生活です。
逃げもせず、少しの背伸びを元に戻してです。
政治や経済に携わる人は、逃げ出すかも知れません。逃げ出さないかも知れません。
インテリは常にインテリです。逃げるインテリ、逃げないインテリ。
悲観される事はありませんよ。それがベトナムの歴史ですから。
ベトナムは、1975年に南部解放を成し遂げ、その後、国家統一した事で
「ハノイの支配(正真正銘の共産党支配)が10年続きました。
しかし、1986年12月にそれが破綻し、その後1987年からの10年は、キエット首相の
政権が、1996年からの10年はカイ首相の政権が、そして2006年からは現在の
ズン首相の政権でしょう。これは全て南部人の政権なのですよ。
既に、ベトナム共産党は「ベトナム国民党」みたいなモノですよ。
建前としての「マルクス主義」は捨てていませんが、とても柔軟な解釈で「社会民主主義」
型へ路線修正を終えています。
つまり、ハノイも含めた現在の体質は、豊かな南部で培われた「ベトナムの体質」が
発露されているに過ぎません。
いま、ベトナムは、元の「南部の解放勢力」を組織した人たちが、指導しているのです。
世界経済の潮流と、このベトナムの政治潮流を同時に把握しておく必要があります。
固有の文化、固有の体質、様々な経験と蓄積。
「ベトナム語」による思考論理。
これらが、政治や経済の潮流を形成します。
株式市況が半分になった、土地価格が低下し始め、巨大な小バブルが弾けた事で
一喜一憂される事はないと考えます。
そんな事を言い始めたら、「中国」の株価や土地はどうでしょうか?
極まって困り果てたから、何もお土産はないけれど、胡錦涛が日本へニコニコ出かけて
きたワケです。中国は日本なくして国が成立しない状況です。泣きを入れています。
しかし、日本も鷹揚ですから、中国の面子を考え、泣きを見えないようにカバーしています。
日本も懐の深い国になったと思いますが、中国経済が崩壊したら日本も成立しなくなります。
ベトナムは、中国以上に日本経済への依存度が高いワケですから、この点は、より一層、
真剣に双方が考えなければならない点です。
さて、それをベトナムができるでしょうか。
翻って、日本にその力が残されているでしょうか?
(一部省略:割愛)
いま、ベトナムは日本経済から抜ける事ができません。
残念ながら、そのように思います。
現実のベトナム経済は、日本に置き替えると最大に見積もって「京都」のGDP/GNI程度です。
それでは、その日本が、どうでしょうか?
それが一番大切なことでしょう。世界で、最も疲弊した巨大市場です。
しかも依存してきた、米国市場と、中国市場が閉塞しつつある中で、どう対処すれば
切り抜けられるのか?この一点にかかっています。
ベトナムは、その日本市場にかかっています。というところでしょうか!?
|
いつも貴重な情報を楽しみに拝読しております。
H氏の「ベトナム経済崩壊は起こりうるか?!」はまれに見る平衡感覚のとれたご意見で、大変勉強になりました。
どこか、マハティール元マレーシア首相の論説に似た格調の高い論評と感じました。
東南アジアに、平衡感覚の高い政治家が存在しながら、極東では覇権主義の傾向が強い政治家しかいないことが不思議にさえ思えます。
できればH氏の書籍(翻訳済)などを紹介していただけませんか。是非読んでみたいと思います。
H氏の今日の寄稿を諳んじるまで読み込んでみたいと思っています。
H氏に感謝の念をお伝えください。
ありがとうございました。
2008/5/31(土) 午前 11:48 [ 松永 ]
松永さま コメント有難うございました。H氏には松永さまからのことお伝えいたしますので、ご安心下さい。書籍という形では、出版されていないですが、レポートなどは精力的に書かれておられます。松永さまのメールアドレスを”内緒”でお知らせ下されば、お教えいたします。
2008/5/31(土) 午後 10:00
これと似た画像を見たことがある。
敗戦直後のドイツだったと思う。
2008/6/1(日) 午前 4:38 [ 三州刈谷 ]
ベトナムに行くと、お金の支払いに0の多さに閉口します。
この国がアルゼンチンタンゴを踊る国にはなって欲しくないですね。
2008/6/1(日) 午後 5:54 [ donner_dad ]
確か第一次大戦直後のドイツマルクのハイパーインフレだったと思います。マルクが何億・何兆まで膨れ上がり、それが結果的にヒトラーの台頭を招いた要因にもなっていました。
2008/6/1(日) 午後 10:16
クレプトクラシーが巧妙に行われて来た日本が、アルゼンチンタンゴを政・官・業・ヤクザ 鉄の四角形の連携で踊らされ続けたのです。しかも未だに有効な手だてが出せない。ベトナムより始末が悪いことに果たしてどれだけの日本人が気づいているのでしょうか、、、。
2008/6/1(日) 午後 10:23