|
やすろぐの看板を上げ始めてから、早数ヶ月。なにを書き始めようか考えていたところにニュースが飛び込んできたので、これを第一稿にすることにしました。
しばらく前に報じられましたように、米メリーランド大学のトーマス・シェリング教授と、イスラエルのヘブライ大学のロバート・オーマン教授が、ノーベル経済学賞を受賞されました。受賞理由は「ゲーム理論の確立」です。自分は経済学者ではないですが、数年前にゲーム理論に出会いました。まだ、老化研究をしているラボにいたころです。ラボの後輩、というかほぼ(というかかなり)”漫才師の相方”的存在であった、彼が、複雑系の理論を老化研究に持ち込んでシミュレーションをしようとかなんとかしていました。ある日、「ニシムラさぁ〜ん、囚人のジレンマってしってますぅ〜(もちろん関西弁)」と聞いてきました。え?なんやそれ?という感じでしたが、かれの説明を聞いて、アドレナリン全開になりました。おもろい!それ!そのとき彼から差し出されたのは、「戦略的思考とは何か―エール大学式「ゲーム理論」の発想法-」という本でした。「これに、けっこーそういうかんじのこと、のってるんですわぁ。(かなり関西弁)」と彼にすすめられ、ぜんぜん読書家でない自分がその本をかりて読みました。ますますおもろい!こーゆーことなんだ!ゲーム理論は、リスクを避けて確実な一歩を選択することが勝利への近道であることを教えてくれます。詳細を知りたい人は、先述の書物なりなんなり、読んでみて下さい。あるいは、ニシムラまで聞いて下さい。かなりうさんくさく答えますので(笑)。
結局、そーゆーことなんです。世の中、森羅万象、複雑系で支配されており、ネットワークなんですね。己の利益を主張しすぎると、結局己が損をする。そういう事が分かっていれば、戦争も起こらないし、もっと身近な話、テスト前に友達と一緒に勉強しようか?でもどうせ一緒にしてもはかどらへんかもしれへんし、どうしよ?とか悩まなくてよいのです。keywordは public mind です。もっと幼少期から、public mindの重要性について教えるべきなのです。自分の子どもの頃は、自然とそのような風潮が道徳的感覚としいて教育に生かされていました。「将来はどんな仕事に就くか?」という質問は、現在だと「将来、どのようなjobに興味を持ち、賃金を得る労働者または利益を生む事業家を志すか」と言い換えられ、もっぱらそれは自己の興味と利益に関わる質問となります。しかし、少し前まではそのあとに、「・・・になって、少しでも社会に貢献したい」という文言がありました。子どもたちは、意識することなくpublic mindの重要性を教わっていたのだとおもいます。それは、逆に弊害も伴い、「連帯責任」や「個の埋没」などといわれたのでしょうが、それなりに理由があったのです。現状の、個人尊重主義は明らかに行き過ぎたものだと感じられます。保育園の「放任教育」などはその際たるものです。
public mindの重要性は、非常に高度な感覚です。ですから、子どもには理解しがたいことでしょう。ですが、だからこそ小さい頃からその重要性を繰り返し教える必要があるのです。私たちは、いまいちど公共の利益とは何か?なぜ公共の利益を求めるのか?を理解し、教え伝えるべきです。それが己の利益にもつながるのだということを教えるべきです。なぜ公衆衛生が重要なのか?野生動物を守ることに意味はあるのか?戦争は政治的手段として必要か?、そのような質問は愚問になります。
「情けはひとのためならず」昔のことばは、そのあたりのことを本当に良くいいあてていますね。今回のノーベル経済学賞は、そんな危惧された現代社会に向けられた、無言のメッセージなのだと私は感じました。よく見れば、ほら漢字にもなってるじゃないですか。ひとのあいだ、とかいて人間。あなたの価値は、あなた自身にあるのではなく、あなたとあなたの周りの人の間に存在する何かなのです。そういうことが分かれば、あなたも明日からの行動が変わりますよね。そんな風におもえば、なんとなく、明日がたのしくなりませんか。そんななんでもないことが、なんでもなくなっている、和やかな世界が早く訪れることを祈りたい、そんな今日この頃です。ニシムラ
|