温暖化とリスク (1)
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オハイオの州都コロンバスを囲うようにハイウェイが一回りしている。多くの中心都市はこのようなベルトウェイが一般的である。ワシントンDCもI-495というハイウェイが一周していて、朝、晩の通勤時の混雑は相当激しい。コロンバスの飛行場は、このベルトウェイの内側にある。ということは、飛行場は郊外ではなく結構ダウンタウンの近くに存在していることを意味する。 従って、もし飛行機事故があれば飛行機以外の地上の被害も甚大であろう。ちなみに、ニューヨークの中心地に近いラガーディア飛行場の南側も建物が相当建て込んでいる。しかし、飛行機事故を前提にした対処法は皆無である。これは社会が、飛行機事故があっても飛行機を使い続ける利便性とリスクを比べて、利便性がはるかに高いと判断しているからだろう。 自動車は、飛行機に比べるとはるかに危険である。自動車の事故確率は飛行機に比べて数十倍である。しかし、自動車が社会活動の要となっている現在、自動車を廃止しようという人々はいない。 原発にも利便性とリスクがある。人的被害という点では原発の方が飛行機よりも安全である。しかし、一旦事故が起きると目に見えない放射能が、事故後も長期にわたり残存するから、利便性を考えて50基の原発をすぐに再稼動すべきということにはならないのだろう。 5月7日で日本に50基ある原発の稼動はゼロになった。この状況下でも今年の夏の電力の需給は、北海道、関西、九州を除いて需要を賄えるという。関西は15パーセント以上のマイナスで深刻だが、北海道、九州にしても数パーセントのマイナスになる。しかし、リスクを考えた場合、原発を再稼動するということに対しコンセンサスを作るのは難しい。 温暖化について対策を講じる場合も利便性とリスクを考える必要がある。しかし、上記のように事は単純ではない。温暖化が人為的なのか自然現象なのかわからない。温暖化が起きつつあるとして、暖かくなることがリスクがどうかもわからない。我々にとり、リスクだと仮定しても、飛行機事故、原発事故とは本質的に全く異なる。温暖化はこれら事故とは違って急激におきる事象ではない。恐らく100年という単位で事象を考える必要がある。さらに、利便性、リスクに加えて不安をかきたてる人々がいるからより複雑になる。 |

