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昨年のツール・ド・フランスは稀に見る波乱の舞台となった。
前半の落車で一夜を病院で過ごしたヴィノクロフが翌日以降も出走し、ついに第13ステージの個人TTで涙の勝利を飾った。
観ていたこちらまでも貰い泣きしそうなほど感動的なシーンだった。
嘗て、タイラー・ハミルトンという選手が鎖骨を骨折しながらツール・ド・フランスを最後まで走ったことはある。自転車ロードレースとはそれほど厳しいスポーツなのだ。
昨年のActiblogにも「ヴィノクロフは序盤の中間計測ポイントからウィギンズを大きく上回るタイムを連発し、雨に濡れた下りコーナーも慎重にこなした。
この日の落車を一番怖れていたのは彼だろう。平坦路では持ち前の高出力エンジンをかき鳴らして突進し、危なげない走りでゴールに向かった。
コース後半に入るとヴィノクロフは更にペースを上げ、ウィギンズを2分14秒も上回る圧倒的なタイムでゴールに飛び込んだ。
そしてこのカザフスタンの英雄の走りに続いたのがアンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)とアンドレイ・カシェチキン(カザフスタン、アスタナ)の2人だ」とレースの感想を書いていた。
その後も、第15ステージも征したヴィノクロフは完全復活を強く印象付けた。しかし、翌第16ステージにヴィノクロフどころか、アスタナというチームそのもがツール・ド・フランスから撤退してしまった。
原因は第13ステージ後のドーピング検査でヴィノクロフの血液から陽性反応が検出されたためである。
一昨年の覇者フロイド・ランディスもドーピング疑惑のため、この年のツール・ド・フランスには出場できなかった。
その前の年はツール・ド・フランス直前でイヴァン・バッソやヤン・ウルリッヒなどが出走を取りやめている。
今年こそはと思っていた矢先の出来事であった。
ツール・ド・フランスはこうして、私たちファンから感動という希望を次々と奪っていった。
最後には優勝間違いなしと思われていたミカエル・ラスムッセンまでもが練習場所を虚偽に申告したとしてチームから解雇され、ツール・ド・フランスから去って行った。
ランス・アームストロングの7連覇から自転車ロードレースのファンになった私だが、毎年のように感動と失望を交互に味わっているような気がする。
スポーツは選手が見ているファンに感動を与えるものであって、主催者や管理団体がファンから感動を奪うことがあってはならないと私は思っている。
今年も既に新生アスタナ・チームが3大ツールのジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの主催者から、過去2年にわたるドーピング問題を理由に参加を拒否されているのだ。
今、私は自転車ロードレースファンをやめようとさえ思っているところなのだ。
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