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LEE KONITZ AT STORYVILLE(STORYVILLE STLP304)

前回のPACIFICの10インチに続いてbassclefさんの泥沼ブログ(笑)にハマってしまった結末を補足部分も含めて・・・。それはLEE KONITZの「AT STORYVILLE」が盤によりピッチが違うというもので詳しくはbassclefさんのブログ「夢見るレコード」の11月18日付記事のコメント欄のやり取りをご覧ください。http://bassclef.air-nifty.com/monk/2008/11/18/index.html

上掲は先週入手したばかりの10インチ、巷では「ピッチの速い10インチ」と噂でしたが実際に入手してみて長年聴いてきた「ピッチが異常に遅い国内盤LP(トリオ)」との違いに最初は唖然としました。耳が国内盤に慣れ親しんでいたせいか、「こりゃ、あかんわ」と思い、処分してしまったという方の気持ちも理解できました。なんか物凄く損をした気分で悶々としていたところに偶然12インチ・オリジナルと7インチEPを見つけ、状態がイマイチで安価だったため「ならトコトン検証しよう!」と思って購入いたしました。以下検証結果です。

                 EP     10inch     12inch   国内盤LP
HI BECK          6:31    7:10     7:33    7:57
THESE FOOLISH〜   ・・・・     3:59      4:17    4:33
SOUND LEE        6:35     6:13      6:33    6:50
SOBCONCIOUS LEE  ・・・・     5:15     5:32    5:54

*上記は自分で計測したものですが「HI BECK」と「THESE〜」については皆さんが検証されたタイムとほとんど変わりありません。また残りの2曲も盤により大きな差異がありました。
*EPのHI BECKの時間が短いのはBASSソロがカットされているためでピッチが速いためではないことは瀬谷さんが既に検証済です。
*皆さんの検証の結果、EPと12インチ(オリジナル)は正常、10インチはピッチが速い、国内盤LP(トリオ)は異常に遅いという結論が出ています。

さてタイムはさておき7インチEP、10インチLP、12インチLP(以上オリジナル盤)、国内盤LP(トリオ)を聴き比べた感想などを・・・・。

_三気高く迫力があるのは10インチ。EPと12インチ(オリジナル盤の方)は同レベル。但し10インチはピッチが速いため、やや違和感が残ります。トリスターノ時代の「緊張を強いられた」鋭いアルトの音はこの時点で「寛ぎ感」を伴う非常に心地よいものに変わっています。KONITZが目指した音楽がLESTER YOUNGであったことは取り上げている曲(FOOLIN’MYSELF、SHE’S FUNNY THAT WAY、etc.)を見ても一目瞭然ですが、このSTORYVILLEのライブがちょうど転機だったように思います。ピッチが正常な(と言われている)12インチ(オリジナル盤)を聴いていると、とても心地よくLESTERの寛ぎと同質のものを感じます。では何故10インチはピッチが速められたのか?推測の域を出ませんが1954年に10インチを発売するにあたってPRODUCERのGEORGE WEINはPRESTIGEのKONITZの緊張感を漂わせたイメージとはあまりの違いにショックを受け・・・MILESとの共演などもあり一定の評価をされていたので大きくイメージを壊したくないと思ってピッチを上げて、緊張感を創造した・・・・でも12インチ化(1956年)の時にはやはり違和感を感じ正常なピッチに戻した・・・こんなところではないでしょうか。

国内盤は長い間、聴いてきたため愛着がありますが上記オリジナルと聴き比べてしまうとエッジが効いていない・・「モゴモゴ」とした印象を受けます。これは録音(54年)から20年近く経過後の再発でテープが劣化していることに加えピッチを遅くしたため余計に感じてしまいます。具体的にはKONITZのアルトの音やRONNIE BALLのピアノにシャープさがなく所謂「キレ」が感じられない。一番違うのはPERCY HEATHのベースの音。このレコードはHEATHの予想外に迫力あるベースが多いに貢献しているのですが「ダァン・ダァン」のオリジナル盤の音に比べると引き締まっておらず「ぼわん、ぼわん」と聴こえます。この再発(1974年)にあたりRE-ISSUE PRODUCERとなったALAN BATES(BLACK LIONのオーナー)は当時の音楽界の時代背景(JAZZではフリージャズの嵐が去りCONCORDレーベルが発足するなどSWING時代のものが見直された。ROCKでもサイケデリックなものやへヴィなものが飽きられ、POINTER SISTERS、MARIA MARUDOR,等に代表されるノスタルジックなものが人気を集めていた)を鑑み、正常なピッチのKONITZをレイド・バックさせるため遅くしたのでは・・?


以上ピッチの速・遅は発売当時の音楽界の動向に大きく影響されたのではないでしょうか?単純にピッチを間違えたのではなく当時のPRODUCERの意図があったと私は好意的に考えています。

ただ上記比較表を作っていく過程で10インチと国内盤のピッチの速・遅が12インチ(オリジナル)を中心に同じ割合に振れていることが判明、ということはALAN BATESは再発にあたりオリジナルは10インチであるから、それを聴いて「○○%ピッチを速めろ」と指示を出したものの制作側は間違えて逆に遅めてしまった・・・・ということも十分考えられますね。

冒頭に記述したように10インチを購入して最初に聴いた時は国内盤とのピッチの違いから「処分しよう」と正直思いましたが12インチを入手して聴いたあとは然程の違和感は感じなくなりました。むしろその音圧の高さ、音の生々しさから、これから愛聴盤になりそうです。それにしても国内盤LPのHARVARD SQUAREで初めて世に出た未発表3曲を含めKONITZの「STORYVILLE」のライブは歴史的名演と言えるでしょうね。ホント素晴らしい!


*LEE KONITZ AT STORYVILLE(STORYVILLE EP 404)、7インチ、赤盤
*同(STORYVILLE STLP 304)、10インチ、両溝
*同(STORYVILLE STLP 901)、12インチ、両溝
*同(STORYVILLE PA-6002)、国内盤LP、TRIO RECORDS

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こんばんわ。私も10inchと12inch両方所有していますが、聴き比べたことはありませんでした。再発盤とオリジナル盤の聴き比べはたまにやりますけど。感服いたしました。

2009/2/2(月) 午後 7:32 [ Cotton Club ] 返信する

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Cotton Clubさん、この聴き比べはbassclefさんのブログに集っている三式さん、瀬谷さん、Yoさん、シュミットさんたちが検証されたもので私はずっと後から参戦(笑)したに過ぎません。遅い方に振れている国内盤LPと速い方に振れている10インチを比べたので差が倍になり、そのあまりの違いに驚愕したのです。Cotton Clubさんお持ちの10インチと12インチでは、もちろんピッチは違いますが「こんなの聴けない」という違いはありません。10インチだけ聴いていらしゃる方は別にそれはそれで何とも思わないでしょう。

2009/2/3(火) 午後 8:23 NOT254 返信する

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NOTさん、こんばんわ。拙ブログへの三式さんのコメントから本当に興味深い話題に発展してしまいましたね(笑)それにしても、<コニッツのAt Storyville>の10インチも12インチも速攻でオリジナル盤を入手してのNOTさんならではの「トコトン検証」・・・参りました。実際に3種の盤を聴かれての印象の違いが鋭く伝わってきました。pッチの高低からくる「緊張感」「締まり」の感じはたぶん仰るとおりなんだろうと思います。「ピッチ上げ〜捏造説」については、
(それが「捏造」だとした場合)僕も拙ブログで「反対意見」を書きましたが、もちろんNOTさんも「推測の域を出ませんが」と書かれているわけですから、あくまで仮定としての・・・後は個々の感じ方の問題かな・・・とも思います。
いずれにしても、僕の方もチャンスを得たら、その10インチ盤をぜひ聴いてみたいと思います。 削除

2009/2/4(水) 午後 9:23 [ bassclef ] 返信する

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bassclefさん、こんばんわ。ピッチ変更の真の原因を暴くために「トコトン検証」などと言っておりますが、実際のところピッチ遅れの国内盤LP(トリオ)を30年間もなんとも思わず聴いてきた自分のアホさ加減に腹立たしくて取り組んだような次第です。指摘されてみれば、たしかに国内盤「AT STORYVILLE」は冴えなくて、国内盤「HARVERD SQUARE」のB面に追加されたSTORYVILLEライブの未発表ばかり聴いていたのはそれなりに耳(脳)が異変を感じとっていたのでしょうね。

2009/2/5(木) 午後 7:14 NOT254 返信する

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続きです。でも考えてみればBEATLESの「ラバー・ソウル」の初版がラウド・カットだとか「リボルバー」の初版はB-1は別テイクとか今では常識のことも90年代になって漸く認識されたことですからBEATLESの1000分の1、いや10000分の1以下の検体しかないKONITZの「AT STORYVILLE」のオリジナル盤のピッチ違いが半世紀以上過ぎた2009年に三式さんによって漸く発見されたとしてもそれは致し方ないことなのかもしれません。10インチを怖いもの見たさ?に聴かれるのも良いですがbassclefさんにはぜひ12インチオリジナルをお薦めします。正常ピッチの「HI BECK」最高です!

2009/2/5(木) 午後 7:16 NOT254 返信する

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《〜いや10000分の1以下の検体しかない〜三式さんによって漸く発見されたとしてもそれは致し方ないことなのかもしれません》
圧倒的に少ないであろうオリジナル10インチ盤と、さらに同じタイトルのレコードをjazz tone盤、国内盤と揃えてしまうことも、かなり稀なケースでしょうね(笑)またそれをやってしまった〜そうしてそれぞれの「ピッチ違い」感知してしまった方がおられる(三式さん)ということに改めて驚いてしまいますね。素晴らしい!
「正常ピッチ」(12インチ盤オリジナル)のHi Beck・・・そうですね。まずそちらを聴くべきでしょうね(CDではやっぱりイマイチなんで:笑)まずそれを充分に脳に沁み込ませてから・・・なお興味、機会があれば・・・10インチでしょうね(笑) 削除

2009/2/5(木) 午後 7:29 [ bassclef ] 返信する

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