イタリア徒然

イタリアに暮らしつつ、寄り道をしながら、中世を旅するブログです。

リグリア・ロマネスク

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 次のページ ]

アルベンガ その5

アルベンガの町の観光案内所は、紙の資料はあまりなかったのですが、一見さえないおっさん風スタッフ、ガイドには優れていて、中世が好きだと言うと、あれはどうだ、これはどうだ、といろいろお勧めが出てきます。
教会見学の後、ミラノに戻る列車までは、若干時間が有りましたので、地図などもらえるだけの資料をいただいて、お勧めスポットめぐりをしてみました(残念だったのは、時間的にも無理だったオリーブオイル博物館。次回訪問チャンスがあったら、是非行ってみたい!)。

まずは、古い教会跡、バジリカ・ディ・サン・ヴィットーレ。

イメージ 1

旧市街の城壁を出て、幹線道路を行くと、道の脇にひっそりと保存されたこの遺跡に出会います。
4,5世紀頃、つまり初期キリスト教時代の教会の跡。かつては墓地の教会だったようです。墓地の歴史も古くて、ローマ時代のネクロポリスが起源だそうです。死者の土地。
でも今では、住宅がびっしりで、そんな過去に思いをはせる人もいないのでしょうね。

イメージ 2

かつては、こんな風に立派な教会でしたが、14/5世紀に、もう壊されてしまったとのことです。住宅地でもありますから、おそらく住居建設のときなどに、この基礎が出てきてしまったということなのかな、と思います。

さて、同じ道をさらに進むと、ポンテルンゴ(長い橋)があります。

イメージ 3

橋といっても、今は川が流れていないのです。往時のままに、一部残されているのですけれど、一方は車がびゅんびゅんと高速で走り抜ける幹線道路、一方は緑の畑。なぜ?って感じですよね。
実は、今、旧市街を挟んで、ここと反対の南側を流れる川が、かつては、ここにあったんですね。それが、13世紀の半ばに、流れを変えられたんだそうです。つまりこの橋は、それより以前からあったものということで、ロマネスク時代は勿論現役だったのですね。
それにしても、名前の通り、本当に長い橋です。川幅が広かったということですから、そんな川の流れを変える工事をしたなんて、経済的にも技術的にも、当時、潤っていたのでしょうかね、この土地は。
道路の側はこんな様子。

イメージ 4

そして、畑側はこういう感じです。

イメージ 5

かつての地面よりも、今の地面がずいぶんと上に上がっているのがよく分かりますね。
アーチが、上部だけ残っているのが、歴史を感じさせます。それにしても美しい石積みです。

もしかして、こんなものをみるよりも、普通だったら博物館優先だったかなぁ、とも思いつつ、現場主義(?)の私としては、どうしても現地で見られる実際の風景を優先してしまうのですよねぇ。結果として、あ、こんなもんなんだ、とがっかりすることも多いわけですが、でも実際の中世の風景を想像するには、現場主義が一番なんです。こういう風景を目にすると、とりあえず、脳内バーチャルで、ほんの少しは当時の風景を想像しやすいので、楽しくて。
こんな地味な橋ですが、もしかして同好の士?観光客風のカップルが、やはり熱心に写真を撮っていました。

このあと、通りすがりの旧市街で思わぬ掘り出し物に出会ったので買い物して、駅に向かいました。いい町です、アルベンガ。本来なら、海を一目見たかった。というか、海沿いのレストランなんかでお食事がしたかった!現場主義で歩いていると、いつだって大忙しで、結局そういうチャンスはほとんどないんですよねぇ。
しかし、今回の訪問の成果として、アルベンガから内陸方向には、いくつか面白そうな教会があることが分かったので、次回は車で行ってみようと思います。おそらくそのときまで、リグリアとはしばしのお別れです。
毎度、長のお付き合い、ありがとうございました。

ロマネスク全般、こちらもどうぞ〜!
ロマネスクのおと

ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。
http://art.blogmura.com/img/art88_31.gif
にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)
ブログ村美術ブログ

閉じる コメント(2)

閉じる トラックバック(0)

アルベンガ その4

カテドラル、続きです。
中は、こういう石の感じ。一部縞々です。

イメージ 1

起源はとっても古くて、地下にカロリング時代の遺構も残っているのですけれど、ここもやはりバロック旋風にやられて、一時はきんきらきんになっていたんです。身廊を区切る柱の柱頭が、無残に削り取られているのが、その狼藉の跡です。上から、漆喰装飾を満遍なくかぶせるために、バロック期に手が入った教会の多くは、柱頭を失っています。先日サイトにまとめたプーリアでも、いくつか見られましたが、哀しい芸術史と言えるのかも。
バロック好きな人だと、何でわざわざロマネスクに戻すんだよ!って思うのかしら?

内陣部分にクリプタがあって、確か一部が覗けるようになっていたかと思うのですが、かなりの暗闇で、ほとんど何も見えない状態でした。部屋としては、残されていません。

また外に戻ります。
外壁の装飾も、時代が様々なんですが、時代が13世紀や14世紀に下っても、素朴なロマネスク・テイストがあるのが不思議。海の町で、人の往来も多かったと思うのに、意外と新しいものが流れ込んでこなかったのでしょうかね。ゴシックの到来が遅れて、いつまでもロマネスクやってたような、まぁそういう感じなんです。

軒送りのアーチの支え部分は、人や動物の頭部のフィギュアがずらりと並べられていて、かわいらしいです。

イメージ 2

そして、忘れてはならないのが、美しい後陣。

イメージ 3

ファサード同様、下の方が中世で、上はもう新しくなっています。それにしても、この小さな回廊のようになっているアーチの連続、美しいです。ほっそりとした付け柱も、とても繊細で洗練されていますよね。
ここのアーチの支え部分も、頭部びっしりなんですよ。

イメージ 4

これ、14世紀のものとあるんですが、雰囲気はかなり12世紀と思いませんか。全体の作りも、限りなくロマネスクのテイストを残したゴシック建築。

この、後陣の裏側は「ライオンの広場」という、昔からある小さな広場。建物が建て混んでいる旧市街の中で、不意に視界が開ける小さなスペースです。後陣側からの眺めは、塔が林立していて、右手に洗礼堂、カテドラル脇の建物も古くて、とても中世のにおいが濃くて、私のようなロマネスク病には、心落ち着く場所になっています。

イメージ 5

ゴシックとロマネスクの混ざった建築を紐解いてみるのも楽しそう。ここは、一応ガイドブックを買ってきたので、読むのが楽しみです。

ロマネスク全般、こちらもどうぞ〜!
ロマネスクのおと

ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。
http://art.blogmura.com/img/art88_31.gif
にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)
ブログ村美術ブログ

閉じる コメント(2)

閉じる トラックバック(0)

アルベンガ その3

次は、洗礼堂のお隣にあるカテドラル。

イメージ 1

ありがちですが、ここも初期キリスト教時代の教会の上に建てられたもので、起源は古いのですが、その後かなり手が入ってしまっています。
このファサードも、ロマネスク時代の部分は、下の方だけ。レンガ積みの部分がそうだと思います。勿論、中央扉は、かなり新しいものですね。オリジナルは、きっとかわいらしいロマネスクの彫刻装飾なんかがあったんだろうと思うので、残念なスタイルです。

というのも脇の扉には、中世の風味がまだ残っているんですよ。扉そのものは13世紀らしいので、ロマネスク・テイストが薄いですが、リュネッタ部分に、なんと!大好きなロンゴバルド浮き彫りがはめ込まれているんですよ。うわうわ、かわいすぎ〜。

イメージ 2

もうひとつの扉には、こんな装飾も。

イメージ 3

全体に直しているけれど、彫刻装飾だけは古い時代のものを使っているのは、うれしいことです。このカテドラルは、随所にそういうところがあるので、建物全体はたいしたことないのだけど、細部にこだわると嬉しいっていうパターンで、まさに現場に見に行く価値のある教会と言えましょう。

しかし、ファサードで最も注目すべきは、後代にやり直されちゃった、ファサード上部なんですよ。

イメージ 4

ポルタイユの上、バラ窓の下の、なんだかちょいと半端な位置に、古い時代の彫刻が再利用されているんです。
それにしても、この左右一対となっている彫刻、なぜ、きっちりと対照的な位置に置かれていないのでしょう。私は、部屋がどんなに散らかっていても汚れていても、ほとんど平気なのですが、一方で飾ってある絵や額がちょっとでも曲がっていると落ち着かないタイプなので、これはなんとも居心地が悪いです。これもまた間違っちゃったんですかねぇ。洗礼堂の屋根の例からしても、アルベンガの人たちって、ちょっといい加減だったり、集中力がなかったりするんでしょうか。

アップにすると、こういう感じ。
イメージ 5

いろいろ混ざっていて、楽しい彫刻です。上の方にいるライオンは、ほとんど狛犬状態ですよね。相当損傷が激しいので、この彫刻の柱そのものも、いろいろな時代に作られたあちこちのものを組み合わせて作ったもののようです。柱だし、中央扉の側柱装飾かとも思いますが、これは例によって、サイトを作るときに、ちゃんと勉強しますね。

カテドラルもう一回続きます。

ロマネスク全般、こちらもどうぞ〜!
ロマネスクのおと

ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。
http://art.blogmura.com/img/art88_31.gif
にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)
ブログ村美術ブログ

閉じる コメント(2)

閉じる トラックバック(0)

アルベンガ その2

洗礼堂、まず最初に、おっ!と思ったのが、この窓の装飾。

イメージ 1

二階建てで、一階にも二階にも窓があるのですが、どこにも、ロンゴバルド風の石の透かし彫りがはめてあるんですよ。モチーフも様々で、外からも内からも美しいのです。ロンゴバルドの彫り物大好きな私には、もうたまらない装飾です。
ちなみに、一部はオリジナルが残されていますが、この、硝子で守られていないものは、複製だということでした。小さい穴がたくさんあいていますが、これは明かり取り用の穴。ほぉ。

イメージ 2

ここ、見学はガイドツアーです。近くにある観光案内所に頼んで、鍵を開けてもらう必要があり、いつもなのかどうかは不明ですが、案内所の人がガイドをしてくださいます。
ガイドは面白いのですが、撮影禁止だし、思う存分ゆっくりと自分のペースで見ることのできないのがちょっと。
私が訪ねたときは他に誰もいなかったので、その分、いろいろな話を聴くことはできたのですが、さりげなく隠し撮りもできないし、他の人たちが説明を聞いている間に、好きなように見学するという余裕がなくて残念。二人だと沈黙もなんとなく居心地が悪くて、ついついいろいろと話してしまうので、集中力も欠けるし。っていうか、そんなに気を使うなよ、自分、とも思うんですけれど、こういう時って、かえって言葉が通じない方がいいのかもしれないですね。

撮影禁止は、本当に残念でした。
ガイドブックからなので、ぼけていますが、中はこんな感じ。

イメージ 3


全体に地味なのですが、お宝が二点。
まずは祭壇部分のモザイク。これもガイドブックからなので、ちょっと…。

イメージ 4

とってもきれいなブルーで、ラベンナをちょっと洗練した感じって言うんでしょうか。全体に繊細で、仕事がきれいなんです。
オリジナルでも、モザイクが施されたのは、この部分だけで、その他は時代が下ってからフレスコ画で飾られたそうです。今は、一切残っていませんけれども。

もうひとつのお宝は、ガイドブックにすら載っていなかったのですが、入り口入ってすぐ両脇にあるロンゴバルドの石棺。大好きなお干菓子系、ビスケット文様満載のふたがあって、それはそれはかわいらしいのですよ。オリジナルは、お隣にある博物館に納められているということだったのですが、結局見学しなかったんですよねぇ。もしかしたら、博物館の方が、撮影できたかもしれないので、大失敗だったかも。

ガイドのおかげで知った、哀しいお話。

イメージ 5

これ、アンフォラと呼ばれる陶器の大きなつぼで、よくワイン入れとかに使われていたものですよね。実はここの洗礼堂の屋根が、このアンフォラで葺かれていたんだそうですよ。この地域にそういう建築文化があったんでしょうね。
それが、1900年代初頭まで、かなり保存状態よく生き延びていたのに、その当時の修復の際に、間違いで思いっきり壊されてしまって、今は普通の屋根になっているんです。
ま、間違いでこわす?なんですか、それ?
何でも、当時結構名のある建築家が、修復を行ったんだそうですけれども。
実際に、そういうことはよくあったんでしょうけれど、それにしても、千年生き延びた財産を、間違いで壊すとは…。アルベンガ、しっかりしてくれ!

この洗礼堂は古いので、全身を沈めるタイプの洗礼桶が真ん中に置かれています。今でも水があるときもあります。というのは、町の下に川が流れていて、水位が上がると、自動的に水がたまるようになっているんだそうです。おそらく昔から同じシステムだったらしいと。数年前にこのあたり一帯が洪水の被害にあって以来、ポンプ・システムが導入されて、水があふれることはなくなったんだそうです。

ガイド・ツアーは偉大ですよね。一応ガイドブックも購入してきたので、いろいろ書いてあるのでしょうけれど、おそらく「間違って」壊されたということはかかれてないのではないかと思います。

ロマネスク全般、こちらもどうぞ〜!
ロマネスクのおと

ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。
http://art.blogmura.com/img/art88_31.gif
にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)
ブログ村美術ブログ

閉じる コメント(4)

閉じる トラックバック(0)

アルベンガ その1

リグリアのロマネスク、ジェノヴァの旧市街のあとは、アルベンガに移動です。
アルベンガって、海のリゾートとしか思ってなかったのですが、実は、しっかりと中世が息づいていたんですね。
鉄道の駅から旧市街を目指して、海を背にして、ひたすらまっすぐの道を歩いていくと、中世の風景が見えてきますよ。
イメージ 1

手前に、今は新しくなってしまった教会、その後にそびえたっているのが、カテドラルの塔と市庁舎の塔です。
しかし、教会は、縞々ながらかなり新しいし、窓は思いっきりゴシックじゃん!としばしがっかりしたところ、さらに進んで視界が開けたら、あらま、こっちがカテドラル!

イメージ 2

手前の縞々は、オリジナルはそれなりに古い教会なんだと思いますが、今ではすっかり新しい鉄筋コンクリートの現代建築でした。アルベンガ、期待してたから、これがカテドラルじゃなくてよかった〜。

とりあえず全体を理解するため、教会の前を通り過ぎてさらに進むと、塔の後ろ側に、洗礼堂が見えてきます。

イメージ 3

うわ〜、素敵な風景です。
こうやって見ると、とてつもなく地味ですけれど、実際に目の当たりにすると、かなり美しく保存状態のよい建築で、「遥々来てよかった!」と叫びたくなるようなたたずまいなんですよ。

イメージ 4

では、ディテールは次回。

ロマネスク全般、こちらもどうぞ〜!
ロマネスクのおと

ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。
http://art.blogmura.com/img/art88_31.gif
にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)
ブログ村美術ブログ

閉じる コメント(2)

閉じる トラックバック(0)

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 次のページ ]


.

corsa
人気度

ヘルプ

Yahoo Image

  今日 全体
訪問者 17 45291
ブログリンク 0 46
コメント 1 2415
トラックバック 0 15

ケータイで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

URLをケータイに送信
(Yahoo! JAPAN IDでのログインが必要です)

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

開設日: 2008/5/12(月)


プライバシーポリシー -  利用規約 -  ガイドライン -  順守事項 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2012 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.