人生七転八倒

家電サービスマンの壮絶な戦いの記録

町の電気屋さん

年末年始は仕事しようと決めていた。
コールセンターには、年末年始の緊急の依頼は回していいと伝えておいた。
箱根駅伝は見たいので、午後の訪問なら可能と指示する。
この姿勢は褒められるものではない。しかし、箱根駅伝見て正月気分を味わっても罰は当たらないと思う。
 
一年の仕事が終わる寸前の大晦日、元旦に来て欲しいと依頼が入る。
もちろん承諾するが・・・・直せるか?
元旦の正月早々、電話してみる。
 
プラズマテレビの依頼だ。電源が入らない。
スイッチ押しても直ぐ消えるとの事。
ははん、保護動作が入っているな?
異常を検知すると、動作を停止するようにプログラムされているのだ。
 
さっそく、元旦早々訪問してみた。
 
主人「いきなり見れなくなったよ。この部屋で仕事しながら見ようと思ってさ。でもお陰で紅白見れなかった。」
私 「残念でしたね。」
奥様「町の電気屋で買ったのですよ。このテレビ。で、電気屋さんに電話したら、10日にならないと訪問できないと。」
私 「ええ??そんなに先に?おかしいですねぇ。」
 
町の電気屋さんは、次の日には訪問してくれるはず。年末年始だからとはいえ、それはあんまりな対応。
 
奥様「でも、貴方が見に来てくれて嬉しいわ。直せなくてもいいわよ。こちらも承知していますから。」
私 「申し訳ありませんね。物流が止まっているので部品調達できないので。」
 
電源をつけてみた。即座に保護動作に入る。これはファンモーターが怪しいね。
裏を覗いてみた。埃がずいぶん貯まっている。間違いないかな?
即座に分解に入る、ファンモーターは複数ある。プラズマは画面が熱くなるのでファンが必要なのだ。
だから、ヘビースモーカーや台所近くでの使用はお勧めできない。
 
ばらしてみると、ファンはかなり汚れていた。しかし、何かがおかしい。
いつもの様子と違うのだ。汚れ具合が・・・・・。
掃除機で内部を掃除する。ファンを外してクリーニング。内部を徹底的に掃除して片付けに入る。
不安で満たされていた。ちょっとおかしいぞ?自信がない。
電源を入れてみると、見事に映った・・・・・しかし、おかしい。
 
主人「おお!!映った。良かったあ。」
奥様「凄いわね。来て貰って良かった。有難うねぇ。」
私 「様子見ながら使用してください。で、念のため他にテレビありますか?そのテレビを横に置いておきましょう。もし、途中で見れなくなっても、そのテレビで見てください。お正月番組を見そこなっても残念でしょうし。」
奥様「2階に小さいテレビがあります。下に下ろして貰えますか?よく解らなくて・・・・」
私 「解りました。案内してもらえますか?」
 
2階から小さいテレビを下のリビングに移動して、プラズマテレビに問題が起きても見れるように接続した。」
自信が無いのだ。手ごたえが悪い。
 
奥様「もう町の電気屋で買うのはよします。肝心な時に来てくれないなんて・・・・安心するために高い価格で購入したんです。量販店とは全く違う金額なんですよ?なのに・・・・」
私 「う〜ん、今回は電気屋さんも来た方が良かったと思います。掃除で済むかもしれませんし、2階から移動してもいいですし・・・なんで来ないんだ?せめて三日後でもいいのに・・・・修理が出来ないのかもしれませんね?」
 
町の電気屋さんは、修理が出来ない人が多い。逃げてしまうのだ。しかし、設置は得意なんですよ。
修理を目的に選ぶのは、今のご時勢難しいかもしれません。複雑怪奇な設計になっていますから。
町の電気屋さんも逃げるのは仕方が無いと思います。
 
なぜか五千円のお年玉を貰って帰宅しました。
その次の日、そのお客様からコールセンターに電話が入りました。また映らなくなったとの事。
しかし、となりにテレビを用意してくれたので助かったとの事。
部品を入手してから訪問してくださいと事。
う〜ん、やはり。
 
想定していたのは、ファンモーターの汚れが納得出来る量ではなく、もしかしたら、ファンモーターのサーミスタが検知していたのでは?という。一定の温度の検知をすると保護動作に入ってしまう。
サーミスタの抵抗値がずれたか?傍の基板が異常加熱しているのか?
モニタが異常加熱しているのか?さまざまであるが、付近の基板を交換したほうが良さそうだ。
 
後日、基板とファンを交換して終了。
 

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代表取締役

こんな話を思い出した。
 
所長 「君に頼みたいことがある。いや、やってもらう。」
私  「なんでしょう?」
所長 「某量販店代表取締役の○○さんって知っているか?」
私  「そんな雲の上の人なんて知りませんよ。」
所長 「冷蔵庫を直してくれ。頼むから。」
私  「ええええええ〜!?」
所長 「型番は○○だ。いいか?」
私  「良くないですよ。上手な人を送って下さいよ。」
所長 「他の連中は忙しくてダメらしい。」
私  「無理無理、絶対無理です。かなり偉い人じゃないですか!」
所長 「伝票を今から送るからな。よろしくな。」
私  「失敗しても知りませんよ!左遷させられても知りませんよ!私の責任ではないですからね!」
 
 
どうしよう〜。大変な事になったぞ。失敗は許されん。
その夜、色々調べてみた。どうやら本社の人から冷蔵庫の状態を連絡してくれたのだが・・・・・
製氷が出来ないとの事。
普通であれば大した事がない。しかし、失敗は許されない。意外な原因が隠れている事もある。
完璧に仕上げないと、再発したら誰かが左遷させられるかもしれん。
しかも、この人は某量販店幹部のナンバー5に入る代表取締役のようだ。
ほとんど社長の傍にお使いする人物だ。困った。
代表取締役なら自分の店で冷蔵庫購入しろよなぁ。売上げ貢献できるだろうに。まったく。
 
製氷できない
 
可能性 1.製氷機のモーターロック 2.皿が割れた 3.着霜が発生した 4冷却が足りない 5給水されない
      6.給水パイプが凍結 7.給水ポンプロック 8基板不良で動作しない 9.給水タンクが詰まった
     10.着霜で検氷レバーがロック 
 
ダメだ、いくらでも原因はある。しかも2日後に来いとの事。
型番からの情報検索を掛けると、給水パイプ凍結および製氷モーターロックの確率が高そうだ。
使用して10年経っている機種だ。汚れによる給水パイプの凍結が怪しい。
また10年ものなので、分解を丁寧にしないと破損する恐れもある。プラスチックが割れやすいのだ。
分解図を取り出してイメージシュミレーションをする。掃除もしないとダメだな。
作業着も綺麗な物を着ていかないとダメだろうな。
 
翌日もたびたびスタッフが電話してきた。大丈夫か?とか部品入荷した?とか。
詳しい情報聞き出せよ!と説明しても誰も怖がって本社に電話しないスタッフ達。
 
何故か開き直ってきた。どうでもいい気がしてきた。
で、部品も揃わずに訪問した。
 
直前に所長から「今から突入か?頑張れよ」と電話があり、所長もビビッているのが解る。
何故か、そんな所長の電話で収まっていた緊張が再度こみ上げてきた。
 
現場は大きな屋敷だ。車も簡単に駐車が出来た。
玄関ベルを押す、出てきたのは奥様だ。案内されたが、廊下には某量販店の資料と思われる書物が
所々に積んである。奥様は息子さんの嫁さんのようだ。意外とくだけた感じの話し方をする。
冷蔵庫と対面した。想像通りの汚れ具合だ。中を開ける。汚れていた。
製氷室を確認した。製氷ユニットがロックしている。
動作試験をしてみた。動かない。ここで終了する。
 
奥様 「え?もう終わりですか?」
私  「ええ、完璧に修理したいので、後日再度訪問します。」
奥様 「今日は無理なんですね?」
私  「中途半端な修理はしたくないので、後日時間を掛けてじっくりと修理させてください。」
 
勝負に出た。これで「今直してくれ!」と言われたら最後だ。誰かが飛ばされるかもしれん。
しかし、こちらの都合もあるし、筋は通してある。直さんとは言っていない。しかも掃除もしてやると
説明してある。これでゴネる客はあまり居ない。こんな言い方をすれば、故障は重症なんだと思わせる
作戦でもある。
 
ところが、そこへ息子が登場した。恐らく親父さんと同じ場所で働いているのだろうが・・・・・
 
息子「今日直らないの?毎晩飲むんで早く直して欲しいんだけど・・・・でも仕方ないか。」
私 「じっくりと完璧に修理したいので・・・・後日に来ます。」
息子「そうかぁ。でも古い冷蔵庫だから、完璧に直してくれたら嬉しいよな。よろしくね。」
 
なんとか息子さんを説得できたようだ。再度、冷蔵庫を確認して撤退した。
 
後日、冷蔵庫の掃除から入り、裏のコンプレッサー付近の掃除、床掃除、冷蔵庫内部の分解掃除、
最後に修理を行い完了した。奥様は綺麗になった冷蔵庫を見て大喜びしている。
 
奥様「まだまだイケそうねぇ。この冷蔵庫。」
私 「今日から美味しい氷が食べれますよ。水の通り道は全て交換していますから。清潔な状態です。」
奥様「有難うねぇ。これどうぞ。」
 
2時間ほど掛かってしまったが、最後にお菓子の詰め合わせ貰って撤退した。
 
その後、所長から電話があった。
報告終了したら、安堵の様子。
 
所長 「でもさ、自分の所で冷蔵庫買えよな。最初からさ。」
私  「最初から所長が本部を説得してくださいよ。購入しろって。10年過ぎている冷蔵庫なのに。」
所長 「言えるわけないだろ?」
 
 
 
 

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感謝状

先日、うちの所長から電話があった。
 
所長「明けましておめでとう。実はな、○○さんって覚えているか?」
私 「は?なんでしょう?」
所長「また君宛に、量販店社長宛に、お客様から感謝の年賀状が届いた。」
私 「はあ、またですか。」
 
 
所長「思い出したら連絡して欲しい。私からも量販店社長に報告しないといけないから。」
 
どうやら、あるお客様が私の修理時の対応に感激して、某量販店社長に年賀状を送付して、それが当社の連絡
が来て、事務所が盛り上がっているようだ。
こんな事はあまり無い。珍しいことなのだ。
些細な事に思えるかもしれない。
実は非常に珍しい現象のために、事務所のスタッフは感激するのだ。
いつも、クレームの電話ばかりを受けているスタッフ達。もちろん、お客様の我侭が大半なのであるが、
一度でも感謝のハガキを貰うと、人間を信じたくなる。最前線のスタッフ達は人間不信に陥っているのが大半。
人間は、人間を信じる事により社会を信じる。そんな感じだ。
 
思い出せないので、端末で検索かけて情報を取り出す。
やっと思い出した。
 
そのお客様の洗濯機、最悪の故障だった。
幸いにも量販店の保証が効いており、自分が頑張れば治せる!と覚悟を決めて挑んだ修理だ。
だからこそ思い出せたのだ。
 
まず、軸受けが異音、クラッチ動作入らず、表示パネル不点灯、サスペンションガタガタ。しかも狭少スペース。
水漏れもあり。よくここまで使用したもんだ。お客様は年配の夫婦。
 
私 「今度三日後に再度訪問しますので、段取り願います。周りの物を片付けて貰えますか?」
客 「主人は腰が悪くて・・・・・・・」
私 「解りました。それなら五日後に再訪問します。よろしいですか?」
客 「お願いしますぅ。」
 
なかなか腰が低い方だ。私は何とかしたい気持ちで、自分の休みの日に設定したのだ。
部品は予定通りに全てそろった。
当日は、最初は周囲の片づけからはいり、棚外したり、詰んであるものを運んだり。
で、目的の修理に取り掛かるわけだが、かなりの時間を消費して2時間掛かってしまった。
そして、ここまできたら完璧にしたい気持ちで防水パンや排水溝の掃除まで始めた。
それが完了して再設置で動作試験を行う。ここまで3時間だ。
 
「わああああ、これが私の洗濯機???全然音が違うし、綺麗だわ〜!!」
奥さんは大喜びです。しかも無料なわけですから。
ご主人は、申し訳無さそうにしています。
 
私「完璧に直しました。大切に使用してください。その説明を行います。」
と、永く使用するためのノウハウを説明しました。
で、お菓子やら飲み物やらを頂いて、満足出来る気持ちで後にしました。
 
 
そんなお客様が社長宛に年賀状を送ったわけです。
 
ことの顛末を所長に説明しました。
事務所でも、社員全員に私の年賀状を説明したようです。
 
感謝の気持ちは嬉しいです。それだけで頑張れるものなんですよ。
それが欲しくて頑張っているのですからね。
クレームばかりでは、ウツになってしまいます。
 
 
 
 

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尿管結石 石が出ました。

かなり前の話ですが、11月11日ごろに肛門付近に妙な痒みがありました。
ムズムズ痒いのです。
なんというか、指を入れて掻きたい感じなのです。
恐らく出てくる予兆かもしれん!と水をがぶ飲み始めました。
 
仕事が終わり、急いで帰宅します。
尿意があったのですが、我慢しました。
尿意の臨界点で、一気に出せば圧力で排石が可能かもと踏んだわけです。
ビールを飲みます。500缶を二本飲んだと所で限界です。
急いでトイレに行きます。
一気に開放です。
その瞬間!熱い痛みが肛門付近から竿の方へ走ります。
「板たたあたったたたああああ!!!」
 
その直後、「コロン・・・・・」と茶色い物体が落下しました。
感激の瞬間でした。
ちょっと抵抗ありますが、一気に便器に手を入れて拾い上げました。
 
イメージ 1
 
ルーペで見ると、所々が尖っています。
これは痛いはず。信じられません。こんなのが自然に出てくるとは・・・・・
サイズ的には、7.8ミリ×10という感じです。一センチ近くあります。
嫁さんに勝ち誇った嬉しさで見せに行きました。
「汚いから!見せないで!」
一緒に確認してくれませんでした。
 
ふむ、仕方が無いので袋に入れて、医師に次の予約日に見せに行きました。
 
医師「ああ、やっと出ましたね。三ヶ月掛かりましたね。ちょっと大きいほうかな?」
俺 「いやあ、出る瞬間痛かったですよ〜」
看護師「どれどれ、ほう大きいねぇ。頑張りましたね。」
医師「これでもう治療も終わりです。尿検査も見事に潜血反応ありませんし、レントゲンから影が消えましたよ。
   振り返れば、多分これが石だったと思います。断定は出来なかったのですが、およそ睨んでいた影です。」
  でも、現在はそれが消えています。もう大丈夫です。」
俺 「先生、この石を成分分析に回してもらえませんか?保険利きますよね?」
医師「大丈夫です。保険利きます。分析して、今後の食生活の見直しをしたほうがいいですね。」
 
本当にすっきりしました。その後からは、仕事を取り戻すべく仕事を増やして頑張りました。
もう痛みの不安はありませんし、CTで腹部の懸念事項はない事が解りましたから。
年末までほとんど休まずに頑張りました。
 
 

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息子の成長

息子が漢字の勉強をしていた。
覗いてみると、一年生ながら基本的な漢字を勉強しているようだった。
息子は、父親より自分が偉いという認識だ。
妻に小言を言われている父親を見て、自分は父親よりマシという認識だ。
そんな姿勢の息子には、父親の自分には子供の成長という認識だった。
 
父「ほう、そんな漢字が書けるのか?それではこれはどうだ?読めるか?」
 
「親」という字を書いてみた。
 
子「・・・・・・読めない」
 
父「これはな、木の上の枝に立って子供を見ている存在の姿だ。解るか?誰だ?」
 
子「・・・・・・・知らん。」
 
父「親だ。パパとママだ。木の上に立って、学校から帰ってくるのを待って見ているんだ。」
 
子「そうなんだ・・・・・・。」
 
父「親はな、子供が心配で心配で仕方がないんだな。」
 
子「解った。」
 
横で妻が見ていた。洗濯物を畳みながら気にしていた。
その視線は、「何言っているんだ?」という視線であった。
 
父「なら、これはどうだ?」
 
「人」という字を書いた。
 
子「ひとだよ。解るよこんなの。」
 
父「どうして、こんな字になったんだろうな?」
 
子「足で歩いているからだよ。二本足が伸びてるんだよ。」
 
父「違うな。これはな、人は1人では生きていけないという意味だ。人同士が支えあって・・・・・・。」
 
金パチ先生流に説明してみた。
 
母「違うよね。人は自分で生きて行かないといけないよね?二本足が伸びてこうなったんだよね?」
 
父「・・・・・・・」
 
子「そうだよ!」
 
 
しかし、息子の漢字の勉強はかなり進んでいるようだ。
漢字検定を来年くらいに受けてもいいかもしれない。むしろ受けさせよう。
少なくとも、私が一年生だった頃と比較すると、かなり勉強している様子。
いつも、ネットを見ている父親を見て、覗きにくる息子だが、漢字が読めなくてよく質問していた。
父親なんてちょろい。すぐさまに追い抜いて見せるという姿勢が感じられる。
親からみると、生意気に見えるかもしれんが、それは成長なんだろう。
 
中学三年までは私も頑張れるが、高校はきついかもしれん。
いまからでも勉強をやり直してみようか?と考える自分であった。
 

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