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Vojnits論文がSTAP現象の再現かどうかについて、はじめ「対象」「方法」「結果」の違いが指摘されていましたが、それらはほぼクリアできているのではないかと思う。
で、次に指摘されたのが「in vivo」と「in vitro」の違いです。
「in vivo」は「生体内で」という意味で、「in vitro」は「試験管内で」という意味です。
Vojnits論文はin vivo、STAP現象はin vitroであるから、両者は異なるというわけです。率直に言って、この違いは微妙だと思います。
まあ、反オボの方々は「だからVojnits論文はSTAP現象ではないんだあ」という、そういう観点からしかモノを考えませんが、いったんそういう観点から離れてこの問題を考えると、これはちょっとおもしろいと思う。

Vojnits論文に先立って書かれた2011年のMu論文は、STAP論文とまるっきりコンセプトが違っていました。すなわち、肉体がケガなどによって損傷を受け、それが治癒・再生されるとき、肉体組織の体細胞の脱分化が起きているのかどうか、というのが、この論文のテーマでした。とすると、この論文のテーマからして、実験は当然、in vivoということになる。そうでなければ意味がない。
で、2011年、Xiaodong Muらは目的どおり、生体内での脱分化を実証し、満足した。ところが、2014年にSTAP論文が華々しく登場。このとき、彼らはおそらく愕然としたに違いない。
そうか!そういうことか!‥‥考えてみれば、彼らはほんの一歩手前まで来ていたのだ。なんであのとき、Cre-Loxで単離した幹細胞様のものに対して多能性マーカーの発現をみなかったのか。なんで、そういう発想がなかったのか。地団太踏んで悔しがったが、後の祭りである。コロンブスの卵である。今から多能性を調べて論文を書いたところで、STAP論文の二番煎じと思われるのがオチである。
彼らはガックリと肩を落とした。
しかし、である。STAP論文は、発表直後から雲行きが怪しくなってきた。疑惑が次々と浮上し、筆頭著者である小保方氏は散々にバッシングを受け、そして、ついに論文は撤回される。

よっしゃあああ〜!思わずガッツポーズ!

彼らはさっそく実験を始める。多能性マーカーを調べると、案の定、陽性と出た。あとはお決まりの手順を踏む。コントロールをとり、テラトーマをつくり、キメラが出来るかどうか調べた。ジャームライン・トランスミッション以外は、ほぼ上手くいった。万歳! しかし、彼らは発表のタイミングを待った。
下手なタイミングで出せば、STAPに根拠を与えかねない。STAPが息を吹き返しかねない。
そのうち、小保方氏の再現実験が真相不明の制約の中で失敗させられ、さらに、極めて怪しげな調査によってES細胞と決め付けられた。それからしばらくして、STAPは完全に死んだ、もはや息を吹き返すまい、と思われたところで論文を投稿した。

ようするに、Vojnits論文は、Mu論文とSTAP論文の折衷である。まったくコンセプトの異なるMu論文にSTAP論文のコンセプトを接木したものである。したがって、やや中途半端なものが出来たのである。
Mu論文のコンセプトからすれば、in vivoでなければ意味がない。しかし、STAP論文のコンセプトからすれば、in vitroで成功するのがベストだろう。しかし、彼らにはin vitro でやる技術がない。
Vojnits論文は、とりあえずMu論文に接木してつくったものだ。コンセプト自体はSTAP論文と同じである。何度も言うが、最も重要なのは、この点だと思う。ディテールが違うから違うというが、そうではない。コンセプトが同じだから同じなのである。
したがって、もしこのコンセプトを達成しようとすれば、結局はin vitroでやらざるを得なくなるものと思われる。
また、in vivoでは原理的な限界があるように思われるのだが。

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