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さて、以上に述べた数々の状況証拠によって、若山氏の小保方氏に対する指導のあり方が実質的に捏造教唆に等しいものであったことは、まず確実であろうと思われる。
しかし、じつは、この時点では、私は若山氏をあまり厳しく非難する気にはなれないのである。その理由は次のようなものだ。そのときの若山氏の立場からすれば、

(1)キメラの成功によって、STAP細胞の存在自体は、ほぼ確実と思われた。
(2)だとすれば、これは画期的な成果なので、是非『ネイチャー』のような一流誌で発表させたいと考えた。
(3)しかし、そのためには「論文に使える」きれいな周辺データの演出が必要であることも知っていた。
(4)STAP細胞それ自体の存在が確実であるならば、あくまで論文が掲載されるための方便として、周辺データの粉飾は、ある程度やむを得ないという認識があった。

おそらく、このような認識は、この業界全体の風潮であったかもしれない。だとすれば、このときの若山氏のやり方は、突出してブラックとは言えなかったと思われる。また、この論文を『ネイチャー』で発表させたいという気持ちそのものは、小保方氏に対する善意であって、そこに悪意は感じられない。だからこそ、小保方氏もそれに従ったのだろう。

しかしながら、問題はここからである。論文不正の疑惑が持ち上がると、それまで一貫してSTAP細胞の実在を主張してきた若山氏の態度は豹変する。このときから、若山氏はどんどんブラックになっていくのである。
最初に持ち上がった疑惑は、テラトーマの画像の流用と、TCR再構成の跡が見つからなかったことである。
これをみて、若山氏は「STAP細胞が存在する確信がなくなった」といい、論文の撤回を呼びかける。
そしてNHKのインタビューに対し、て次のように答えている。

「自分が担当した実験については正しいと信じているが、前提となるデータの信頼性に確信が持てなくなった。一体、何が起ったのか科学的に検証することが論文の著者としての責任だと考えている。何より私自身、真実が知りたい」

今読むと、この発言には本当に呆れてしまう。「前提となるデータの信頼性に確信が持てなくなった」というが、小保方氏の生データの確認をいっさい行わず、調査委からその責任が重大だと指摘されている人物が今さらいうようなセリフではない。
「何が起ったのか科学的に検証することが論文の著者としての責任だと考えている」というが、そのような著者としての責任は、論文投稿前にきちんと果たしておくべきであろう。その責任を果たしてこなかった人物が、これも今さらいうようなセリフではない。
「何より私自身、真実が知りたい」というなら、若山氏にこそ真実を語ってもらわなければならない。桂委員長は「これだけのことがあったというのは、若山研でオリジナルデータのチェックがなかったとしか考えられない。それが一番大きいと思っています」とまで述べているのである。なぜ若山氏はオリジナルデータのチェックをやらなかったのか。その理由を正直に述べなければならないのは若山氏自身である。それが真相究明の大きな鍵になる。まさか「過失」とは言わないと思うが。

さらに、『週刊文春』(6/19)において、若山氏は次のように述べている。

「(4月の小保方氏の会見を聞いて)目の前が真っ暗になりました‥‥ああ、このまま全部自分のせいにされるかもしれない、科学者でいられなくなるかもしれないと、不安に苛まれました」「理研も小保方さんと一緒に私に全責任を押し付けるのではないかと不安でした」

ちなみに、この記事の見出しは『小保方晴子の恐怖に震えた3カ月 若山教授が独占告白』である。

はっきりいって、あのときの小保方氏の記者会見は、「全部自分のせいにされる」とか「全責任を押し付ける」とかいうような内容ではなかった。あれをみて「小保方晴子の恐怖に震える」というのは、なんとも異常な心理という他はない。
第一、あの当時、マスコミから袋叩きにあっていたのは、小保方氏の方であって、若山氏を非難するような論調は皆無といっていいほどだったのである。若山氏はいったい何をそんなに恐れていたのか。

若山氏の態度を豹変させたのは、おそらく「テラトーマ画像の流用」の疑惑だろう。これによって、データの改竄が決定的な事実として浮かび上がってきた。だとすれば、この先、ネイチャー論文は、徹底的な調査の対象となる。生データも調べられる。このとき、他のデータの捏造・改竄も、明らかにされるだろう。若山氏は、この時点で事の重大さを一瞬にして悟った。

若山氏が最も恐れたのは、小保方氏が真実をしゃべることだった。つまり、若山氏が恐れたのは「自分のせいにされる」ことではない。データの捏造は真に「自分のせい」であったからこそ、そのことを小保方氏の口から暴露されることを恐れたのである。

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閉じる コメント(8)

推理小説によくあるやつだ。
犯人しか知り得ないことを聞いてもいないのにペラペラ喋ってしまうアレ。

本来、ボヤで済んだものを逃げてしまったから騒ぎが大きくなり、一論文の不正問題から業界の体質が外に見えてしまったんだね。
罪なことをしちゃったな。

2016/1/8(金) 午後 0:56 [ ぬくぬく ] 返信する

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確かに、自分に疚しいところがなければ、あれ程までに恐れることはことはないですね。「全部自分のせいにされる」の被害妄想は、自分に疚しいところがあったからと思えば腑に落ちます。
でも、その小心者が暴れまわったせいで、笹井さんが不正の黒幕みたいにされてしまったわけですが…

2016/1/8(金) 午後 1:48 [ tai*o*no* ] 返信する

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> ぬくぬくさん
> tai*o*no*さん
私も、あのときの若山氏の反応があまりに過剰なので不思議に思っていましたが、それが何故なのかいまいちわからなかった。今になって、ようやくその謎が解けてきたと思います。

2016/1/8(金) 午後 1:53 [ DORA ] 返信する

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そういえば異様に論文の取り下げしたがってたもんなあ
日本トップレベルの科学者の若山さんと放医研で解析結果を間違えるとはかなり考えにくい。私の個人的予想だが嘘をついてでも論文取り下げたかったのではないかと思っている。

2016/1/8(金) 午後 3:30 [ kaw**orops ] 返信する

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> DORAさん
「はっきりいって、あのときの小保方氏の記者会見は、「全部自分のせいにされる」とか「全責任を押し付ける」とかいうような内容ではなかった。」というDORAさんの印象ですが、ほかの方は小保方氏の記者会見を聞いて「小保方晴子は、...略...若山照彦という世界的な研究者に、今回の捏造事件の全ての罪を被せることにより、自らの潔白を証明しようとしているのだ。(http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52007675.html)」と主張されていますな。
妄想たくましいのは、読んでいて楽しいですな。

2016/1/8(金) 午後 7:39 [ sei***** ] 返信する

> sei*****さん
やれやれ、また来たのですか。めんどくさいなあ。何を言っても「妄想」の一言で片づくんですから、あなたの議論はじつにシンプルでいいですね。藤沢数希でしたっけ?まるで相手になりませんよ。

2016/1/8(金) 午後 8:39 [ DORA ] 返信する

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小保方氏が、ES細胞をSTAP細胞と偽って渡す以外にも、
若山氏の手で幹細胞化しているときにES細胞を混ぜられた
可能性もある。ES細胞を渡したとしても、STAP細胞作成し
ているときに何者かにすりかえられて、気付かずに渡して
しまった可能性もある。
しかし、藤沢の推理は、小保方氏が偽って渡したに違いない。
という思い込み。ただそれだけだ。
その時点で藤沢は思考が停止していよう。

2016/1/9(土) 午前 3:15 [ eed*r*ef ] 返信する

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ES細胞の混入それ自体が怪しいんですよ。細胞の同一性からして怪しいんですから。FES1と称されているものが、本当にFES1かどうかも怪しいんですから。

2016/1/9(土) 午前 4:02 [ DORA ] 返信する

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