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最初に、もう一度、調査報告について若山氏の責任に触れた部分を引用する。

「このようなことが行われた背景には、共同研究者によるデータに対する過剰な期待があったことが推察された。若山氏は、上記のメチル化解析を小保方氏が行った研究室の主宰者であり、シニア研究者として小保方氏を指導監督するとともに、共同研究者として、データの正当性、正確性について十分な注意を払うことが求められていた。若山氏は、データの意図的な選別・提示に直接関与したとまでは認められないが、小保方氏が若山氏の過剰な期待に応えようとして捏造を行った面も否定できない。少なくとも若山氏は、小保方氏の指導監督を怠り、データの正当性、正確性について検証することなく、このような捏造を誘発したと認められ、その責任は過失とはいえ極めて重大である」

加藤茂明氏の不正事件をみてもわかるように、(1)指導監督の立場にある人間が(2)過大な要求や期待をし(3)そのことと目下の捏造行為との間に因果関係が認められれば、それだけで十分不正を認定されるのである。これはまさしく若山氏の場合にも当てはまる。しかも、若山氏は生データ、あるいは実験結果の確認をやっておらず、これは過失ではありえないことから、十分確信犯であるといえる。報告書は、これを無理やり「過失」と断定し、若山氏を軽微な処分ですませているが、これは実質的には立派な捏造教唆であり、本来なら懲戒免職にすべきは若山氏である。

ところが一方、不正発覚直後の若山氏の発言をもう一度引用すると、次のようなことを言っている。

「自分の担当した実験については正しいと信じているが、前提となるデータの信頼性に確信が持てなくなった。一体、何が起ったのか科学的に検証することが論文の著者としての責任だと考えている。何より私自身、真実が知りたい」

なんとも白々しいセリフではないか。よくあることだが、逮捕された容疑者について、逮捕前のインタビューがテレビで流されることがある。そのとき容疑者は善良な第三者を装ってインタビューに応じるわけだが、あれと同じ白々しさを感じる。
また、このインタビュー自体にも、いくつか問題点がある。

(1)若山氏はこの研究の共同研究者、監督責任者であったわけだから、不正の発覚直後にあっては、あくまで事件の当事者であり、事件の調査対象者である。いわば容疑者の一人にすぎない。そこで「何が起ったのか」を検証するのは、第三者調査機関の役割であって、容疑者である若山氏の役割ではない。それを自ら調査者の役割をかってでるとは、自分の立場をわきまえない図々しい態度である。

(2)「自分の担当した実験については正しいと信じている」という発言は、実質的には意味がない。事件の容疑者自身が無実を主張しても意味がないのと同じである。それを決めるのは法廷あるいは調査委員会である。また「自分の担当した実験については」と限定的に述べるのも間違っている。報告書にもあるように、若山氏は、小保方氏の担当した実験についても責任があるはずである。その責任を巧妙に回避しようとしている。

(3)「何より私自身、真実が知りたい」というこの発言は、自分の身の潔白を前提としている。つまり、あくまで自分自身は事件の真相とは関わりのない人間です、と言いたいのである。しかも、自分はシロですと勝手にアピールしたうえで、いつの間にか、自分の立場を「調査する側」に置いている。

なんとも、巧妙に計算され尽くした発言という他はない。うまい。うますぎる。ちなみに、笹井氏には、こうした巧妙さが決定的に欠けていた。

さらに、若山氏は「全部自分のせいにされるかもしれない」という恐怖をしきりに訴え、「自分のせいにされないように」と先手を打った。自分の担当、自分の責任に少しでも触れるような発言があれば、それはすべて「自分のせいにするたの陰謀だ」というわけである。これもうまい。すごくよく考えている。
実際、若山氏は、いかにも謹厳実直、素朴で研究一途な研究者というイメージがあった。世界的に一流の実績もあることから、マスコミをはじめ、誰も若山氏を疑わなかった。かくいう私も、そのひとりであった。それは、一昨年の当ブログのコメント欄をみていただければわかる。私はあのとき、若山氏を完全にシロだと思い込んでいた。

さて、若山氏は圧倒的に有利な立場にあることに加え、マスコミをフルに活用して、しきりに自分の無実を訴えた。そして、いつの間にか、若山研自身が、この事件の調査機関としての役割を担うことになったのである。事件の容疑者自身が事件を捜査する?! このことの異常さに、世間もマスコミも全く気がつかなかった。若山研からリークされた情報やデータは、すべて真実と受け取られた。

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すり替えがあったり隠滅があったり、果ては無いはずのものが存在したりもするのかな?

そりゃ、実際に調査検証した人達が第三者であっても、現場保存を当事者に任せていたら、不自然、不可解な結果が導き出されても驚きはしないよね。
何せ、調査検証自体が当事者の意図した方向に向かうように「証拠」を弄れちゃうんだから。

2016/1/9(土) 午後 3:53 [ ぬくぬく ] 返信する

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若山さんが犯人かどうかは別として、論文取り下げの経緯であれだけ不自然なことしてるんだから、若山さんが何かしたor何か知ってて隠してるのは明らかでしょうね。あれだけわかりやすい事をしてくれるのですから、良い人だと思いますよ。

2016/1/9(土) 午後 5:53 [ kaw**orops ] 返信する

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ES細胞の混入でないことを一番よく分かっていたのは若山氏のはず。若山氏が論文の撤回に動いたのはマウスのコンタミが発覚するのを恐れたからじゃないかな。このとき、若山氏と小保方氏は利益相反関係にあった。STAP細胞があるとマウスのコンタミになる。ES細胞の混入だとマウスのコンタミが消えるという関係。ES細胞の混入の話で、これ幸いにその話に乗っかったということじゃないかな。従って、若山氏の最初の頃の話は本当で、途中から嘘つきになったということだと思います。

2016/1/9(土) 午後 9:09 [ makotosaruta ] 返信する

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