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これはまさしく「大島ワールド」と言うよりも「大島マジック」とでも言うべき世界。
表紙には、巨大な枕を持った?小さな男の子が哀しそうな目でこちらを振り向いている絵が描かれている。
ページをめくると、青年が本を読みながら歩いている。
そして、この作品を「大島マジック」とするべき仕掛け?を読者に語る。
「この話はぼくの目からみた
精神年齢の世界である」
主人公である8歳(小学3年生)の羽山走次は見かけは青年。
先月家出した19歳の兄は見かけは子ども。
教師も見かけは子ども。
両親も見かけは子ども。
祖父はナント!赤ちゃん!!
ただひとり、祖父のケアに来る青井小箱さんだけ見かけも実年齢も20歳。
この雰囲気を小説で表現するのはちょっと難しいだろう。
しかし、「漫画」という表現方法をとればいとも容易に表現可能なのだ。
勿論、誰でもが出来る事ではないが・・・。
こういう表現方法は大島弓子ならでは・・・といった感がある。
ストーリー自体はものすごく斬新なテーマという程でもないのだが、こういう表現方法で描いた為かより心に残る感動を与える事が出来ているように思う。
ラスト、結局家庭崩壊になった訳だけど、
走次が大声で泣きながら見掛けも8歳の子どもに戻るシーンは最高!
ここでタイトルを思い出してみる。
「夏の夜の獏」
ふーーーん。ナルホドそういうわけだったのか・・・。
と読者は各自納得のいく理由を考えるのだろう。
ハッピーエンドって訳でもないのだけれど非常に心地好い気分に浸る事の出来る作品だ。
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