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2012年2月10日

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「親友の死に泣く娘は・・・5歳」


 「人生ではじめての死を見た娘」


 ひたいを汗でいっぱいにしてエリカが帰宅したとき、クーニャンのからだは
 わたしの手の中だった。

 エリカは、自分が抱きたいと言って、両手に受け、ほほをすり寄せた。

 どうしてそんなに悲しめるのか。ポロポロと涙をこぼして嗚咽(おえつ)している。

 クーニャンは・・・10年は生きたのだろうか。桜の木の下に新居をかまえてから、
 2倍に大きくなっていた。その生涯の半分近くを、エリカと過ごした。

 エリカが話せるようになって、会話をはずませるようになって3年。

 そうか。3年も毎日会話を弾ませた相手なら、わたしもポロポロ泣くだろう。

 エリカにとって、人生で最初の、親しいものとのお別れなのだ。

 しかし! 幼稚園児なら、金魚が死んだら、まっさきに「お墓」でしょう!

 なのに、エリカは・・・クーニャンを・・・「火葬」にした!

 どんな精神的構造を・・・わが娘は持っているのだろう。

 言葉を選びながら、わたしはやっとたずねた。

 エリカの答えはいつものように単純だった。

 『クーニャンがそうしてほしいって・・・。

  土の中でからだがとけてくのは、かなしいんだって。

  虫さんたちのごちそうになりたくないって・・・えっ?』

 自分で話しながら、エリカは「えっ?」という顔をした。

 『お墓、作ってあげたら、虫さんたちのごちそうになるの?』

 おいおい・・・自分でそう話していたんだよ。

 知らないで? 知識もなく、そんなこと、話したの?
 
 それに、それ、いつ聞いたんだよ・・・。

 残留思惟(ざんりゅう・しい)? 

 ついてけない。

 エリカが「ニュータイプ」なら、クーニャンも「それ」だったのかもしれない。

 あ。。。わたし、洗脳されてる?


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