野球少年のひとりごと

本や野球や映画や音楽、そして絵画のことをつぶやき続けます。なお、画像は父「洋画家・仲村一男」に因んだものばかりです。

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河北新報社「河北新報(かほくしんぽう)のいちばん長い日 震災下の地元紙」(文藝春秋・1333円+税)

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河北新報社「河北新報(かほくしんぽう)のいちばん長い日 震災下の地元紙」(文藝春秋・1333円+税)読了する。久しぶりの圧倒されるような読書であった。よかったとか、素晴らしかったとか、感動したとかのどのような形容も似合わない、それこそ圧倒されたというしかない本書の内容であった。ジャーナリズムの危機が言われて久しいものがあるが、ここには確かなジャーナリズム魂ともいうべきものがある。「2011年度 新聞協会賞」「第59回 菊池寛賞」ダブル受賞は至極当然のことと思う。とにかく多くの方に読んで欲しいと考えます。帯(解説)、目次に見る。
 
それでも新聞をつくり続けた 
 被災者に寄り添った社員たちの全記録(社員アンケートより) <避難所を取材するうち、気力が薄れていくような空虚感を抱きました。私も会社という避難所暮らしのため、苦しさの一端が分かります。初日より、取材を重ねた後の日々の方が、つらさや痛みが募りました。(略)震災後は、ふとしたはずみで涙が出ることがたびたびあり、感情の制御がうまくできないと思う場面もありました。(略)心のどこかにぽっかり穴があいたような、力がうまく入らない感じも時々しています。少しずつ回復していくしかないと思います><行く先々で「古くてもいいから河北を持っていないのか」「今回ほど新聞のありがたさを感じたことはない」「震災翌日の新聞を読んで涙が止まらなかった」という感謝の言葉を何度も聞いた。新聞ジャーナリズムの底力、高い信頼性を肌で再認識した>
 
 われわれはみな被災者だ。今は誰かを責めることは絶対にするな ●鬱積する疲労と不満。いらだつ記者たちに向って、報道部長は強く戒めた。●「白々と悪夢の夜は明けた…」津波に遭遇し、一緒に避難した女性が目の前で溺死するのを目撃した記者は、震える手で肉筆の原稿を書き始めた。●「ごめんなさい、ごめんなさい…」ヘリから被災地を空撮したカメラマンは、眼下で助けを求める被災者へ必死に詫びる同乗者のつぶやきを聞いた。
 
(目次)
第1章 「河北新報のいちばん長い日」 
  激震のあとに待ち受けていたのは「明日の朝刊は制作不可能」の報せだった。百年以上重ねてきた紙齢は   絶えてしまうのか?社員たちの闘いが始まった。
 
第2章 「気仙沼から届いた手書きの原稿」 
  一夜明けた被災地は、がれきの中に子どもの遺体が転がる凄惨な現場だった。津波に呑まれて九死に一生  を得た総局長は、かじかむ手でペンを握った。 
 
第3章 「死者と犠牲者とのあいだ」
  県庁から飛び込んできた「死者1万人以上」の原稿にどのような見出しをつけるか。…本社整理部員たちは   激しく懊悩した。
 
第4章 「配達が大好きだったお父さんへ」
  かつてこれほど新聞が読者に求められたことがあっただろうか?販売店は、震災下でも困難をおして読者に  新聞を届け続けた。
 
第5章 「窮乏するロジスティクス」
  河北自身もまぎれもない被災者だった。食糧、ガソリン、用紙。物資の調達は報道機関としての生命線だ。社  員は工夫をこらして難局を乗り切った。
 
第6章 「福島原発のトラウマ」 
  放射線汚染から社員を守るため、河北新報は福島からの一時退避を決断した。だが、共同電頼みの紙面作  りに、記者たちの焦燥感は募るばかりだった。
 
第7章 「避難所からの発信」
  テーマを深く掘り下げた報道こそ、地元紙に求められているのではないか。そんな思いが、「避難所いま」「ふ  んばる」という二つの連載企画に結実した。
 
第8章 「被災者に寄り添う」
  現場の記者たちの不満を肌で感じた次長の鹿又は、報道部全員にアンケートを実施することを提案した。記  者たちが感じた怒り、苦痛、そして喜びとは?
 
第9章 「地元紙とは、報道とは」
  震災から半年以上たった今も、河北は被災者目線で検証報道を続けている。だが、いったい地元紙として何  をなしえたのか?武田の自問自答は続く。
 
 
作品は、「パリ(色鉛筆)」
 
「洋画家 仲村一男」のホームページ
http://www.nakamura-kazuo.jp
 

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