野球少年のひとりごと

本や野球や映画や音楽、そして絵画のことをつぶやき続けます。なお、画像は父「洋画家・仲村一男」に因んだものばかりです。

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吉田秀和さんを悼む

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音楽評論家の吉田秀和さんが亡くなった。98歳だった。まだまだ長生きして貰えると思っていたのに、実に淋しい限りである。1977年、つまり今から35年前になるが当時白水社から刊行の「吉田秀和全集」(全10巻)を順番に読んだことが、吉田秀和さんとの出会いであった。吉田秀和さんのことは、最初に勤めた会社の上司(大変なクラシック音楽愛好家の)の紹介によって知った。当初は、「レコード芸術」や「芸術新潮」に連載のものを拾い読みしていた程度であったが、全集刊行を機にそのすべての文章に触れてみようと考え、本を汚すのが嫌いなわたしには珍しく、気になる箇所に傍線を入れながらの読書となった。その結果、多くのレコードを購入することになった。その後、新刊が出るたびに追いかけ、雑誌などに特集が出るたびに購入した。最近でいえば、「レコード芸術」の2011年7月号の、「吉田秀和-音楽の心の友と」や、新潮社から発行の「考える人」、2009年春号「特集 ピアノの時間」における堀江敏幸との対談「違っていることはなんてすばらしいんだろう」や、同様に2007年夏号の「特集 続・クラシック音楽と本さえあれば」の堀江敏幸によるロング・インタビュー「『書く』ことは『聴く』こと。」などがそれだ。後で紹介する丸谷才一が述べているように、近代日本の評論家中、随一だったと考える。独特の語り口調による評論は、思わず真似をしたくなるほどに魅力的であったし、何よりも作品に即して具体的で明解であった。以前に、NHK教育テレビの小説家・辻邦生がインタビューアとなった番組で、文壇中でもその端正さ(文章は勿論、風貌や声も含め)において秀逸であった辻邦生が、吉田秀和に対する敬愛のあまりそれこそ打ち震えているようにさえ見えて、そのことも大変に感じよかったけれど吉田秀和の偉大さを今さらながら確認するところとなった。吉本隆明に続く吉田秀和の悲報、ひとつの時代の終わりを示しているように思う。
 朝日新聞に、この1週間ほどで掲載された追悼の文章のうち、吉田秀和のことを的確に述べたものをピックアップする。いずれも部分のみ抜粋。
 
 5月29日・夕刊 丸谷才一「われわれは吉田秀和に創られた」から(その評論に対して)
 とにかく文章がうまかつた。内容があつて新味のある意見、知的で清新で論理的な文章を、情理兼ね備わつた形で書くことにかけては、近代日本の評論家中、随一だつたのではないか。わたしはもちろん、いはゆる文藝評論家たちを含めた上で言つてゐる。美術や文学を論じても、文明論や都市論を主題にしてもすばらしかつた。まして音楽を扱ふときの視野の広さ、切れ味のよさは言ふまでもない。たとへばモーツァルトを取りあげても、同じ主題をめぐる文藝評論家の高名な著作が、いくら時代の差があるとは言へ、感傷的で断片的で論旨が濛々としてゐるのにくらべて、圧倒的に質が高かつた。/戦後日本の音楽は吉田秀和の作品である。もし彼がゐなかつたら、われわれの音楽文化はずつと貧しく低いものになつてゐたろう。とりわけ大事なのは、彼がその文章と談話(NHK「私の視聴室」)でわれわれを教育し育てたことである。膨大な数の人々が、彼の文体と声に魅惑されて、ベートーヴェンやリヒアルト・シュトラウスの世界に参入した。われわれクラシック音楽の愛好者は彼によって創られた。
 
 5月28日・朝刊 堀江敏幸「ユーモアと冷えた理性と」
 音楽家であれ画家であれ作家であれ、吉田さんが発する固有名詞は空っぽの張り子にならず、息を吹き込まれ、血の通った像を結ぶ。どれほど精緻な分析がほどこされていても、その文章から香気が消えることはない。とくに1980年代の一連の絵画論は、理知が身体感覚と結びついた小説的な散文の、稀有な達成だった。(中略)海の見えるレストランでの最初の会食は、いまも忘れられない。予約席は二階だった。吉田さんは足元を案ずる女性陣を先に行かせてから、しっかりした足取りで息も乱さず階段をあがり、席に着くやいなや給仕に向って、こう言ったのである。「《音》をもう少し小さくしてくれませんか。ぼくは音楽が嫌いなんです」/私は思わず笑った。そして、しかるのちに厳粛な気持ちになった。自分にとって、音楽とはなにか。場を和ませつつ、ゆるんだ空気をほんのひと言で締め直してみせた間合いは、まさしく吉田さんの批評そのものだったのである。/飾らず、おごらず、包み込むようなやさしさやユーモアをもって相手の問いに応じながら、ここぞという時には、冷えた理性の匕首をすっと差し出す。言葉はつねに明晰で曇りのないのに、全体としてはとてもあたたかくなる独特の声のふるまいがあって、それは文章に感じられる息づかいと同質のものだった。/驚くべきは、90歳を超えてから、吉田さんの文章がさらに進化していったことである。たとえば『永遠の故郷』四部作の世界を、どう定義したらいいのだろう。すべての言葉が粒立って若々しく官能的な光を放っている作品群は、詩文どころかもう、年齢も性別も超えたアリアにしか聞こえない。/あの最晩年の声を、もっともっと聞いていたかった。瑞々しい言葉を、いつまでも読んでいたかった。
 
 
作品は、「スペイン(水彩)」
 
「洋画家 仲村一男」のホームページ
http://www.nakamura-kazuo.jp
 

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江面弘也「『青年日本の歌』をうたう者」(中央公論新社・2600円+税)、安藤忠雄「安藤忠雄仕事をつくる」日本経済新聞出版社・1905円+税)、片岡義男「言葉を生きる」(岩波書店・2100円+税)

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このところは佐藤 優の著作に掛かりっきりですが、今日アマゾンから届いた3冊は佐藤 優とも、またそれぞれとも関連のないものばかりです。主に本を通じてですが、興味の範囲は広がるばかりでそのことが新たな本の購入に繋がります。既に1万冊を越える蔵書があり、その中でおそらく未読のものが3000冊ばかりあり、さらに毎年300冊ほどが加わってゆくという状況に茫然とするところがありますが、10年後も同様の事態に違いなくまさに宿阿ともいうべきものであるかも知れません。その3冊のことです。先ず、江面弘也「『青年日本の歌』をうたう者」(中央公論新社・2600円+税)ですが、5.15事件の主役・三上海軍中尉の、戦後にまで生き延び昭和46年に亡くなるまでの生涯を辿ったものです。昭和11年に勃発の2.26事件に先行すること4年、昭和7年に三上ら海軍の青年将校によってひき起こされた5.15事件の、その首謀者に対する措置が軽微であったことにより、2.26事件を象徴的にわが国の軍国化が一気に進むことになるわけですが、5.15事件の中心人物である三上卓海軍中尉が戦後に生き延びて、どのような生涯を辿ることになるのか大いに興味があります。次が、安藤忠雄「安藤忠雄仕事をつくる」(日本経済新聞出版社・1905円+税)で、こちらは日本経済新聞紙上に好評連載の「私の履歴書」の安藤忠雄編です。「住吉の長屋」の頃からの安藤ファンとしたら、彼の来し方は大変興味があります。読了後にあらためて。最後が、片岡義男「言葉を生きる」(岩波書店・2100円+税)です。片岡義男の著作も、考えてみたら随分読んできました。アメリカものなどでは大いに影響を受けたものですが、片岡義男の仕事の中で「日本語」について書かれたものも中々面白く、「日本語の外へ」(筑摩書房・4200円+税)など記念碑的な仕事といってよいと思います。それを引き継いだような本書も大いに魅力的です。装丁は「日本語の外へ」同様の平野甲賀で、何か片岡義男の装丁にはぴったりの感じがします。それぞれの「帯」(解説)に見ます。
 
「『青年日本の歌』をうたう者」 5.15事件、三上卓海軍中尉の生涯 5.15事件から80年。8年間の徹底した取材で“その男”を追いつめる 胸奥に焔を秘めながら書や尺八に興じて、寡黙を生を閉じた事件の主役・三上。海烈号事件や参院選出馬、三無事件はどういう意味があったのか。この男の背に走った戦慄の謎を解く。
 目次より ●プロローグ 昭和7年5月15日 首相官邸 ●第1章 葉隠武士の血 ●第2章 5.15事件前夜 ●第3章 小菅の英雄たち ●第4章 あらたな出会いと動き ●第5章 終戦工作の裏側で ●第6章 占領からの再出発 ●第7章 金をほしがらない右翼 ●第8章 初一念を失ふまじ
 
安藤忠雄「安藤忠雄仕事をつくる」 縮む日本人を叱咤する、異色の半世紀。 学歴も社会的基盤もない。仕事は自分でつくられなけらばならない。独学の建築家が大阪から、世界に闘いを挑んだ。気力、集中力、目的意識、強い思いが、自らに課したハードルを越えさせる。
 現在のどん底の日本社会再生のカギは、子供たちの野生をいかにして取り戻せるかにかかっているだろう。必要なのは、甘えた「ゆとり」などというものではない。不安と隣合せの、本当の意味での自由な時間と場所を与えることだ。私の事務所では入ったばかりの若いスタッフでも、海外出張に行かせて「一人で全部やってみろ」と突き放す。緊張感に包まれた中での外国での様々な体験が、社会を生きていく上で大きな糧となり、その人間を強くするからだ。(本文より)
 
片岡義男「言葉を生きる」 そうか、こういうことなのか。
 
 
作品は、「トレド(スペイン)」
油彩 803×1000ミリ(1978)
 
「洋画家 仲村一男」のホームページ
  http://www.nakamura-kazuo.jp
 
 
 
 
 
 
 

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佐藤優「私のマルクス」(文藝春秋・1619円+税)、「はじめての宗教論 右巻」「はじめての宗教論 左巻」(NHK出版・各780円+税)

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このところ佐藤優の著作を読んでいるが、読了の「わたしのマルクス」(文藝春秋・1619円+税)が大変に面白かった。先日、紹介した「紳士協定(私のイギリス物語)」(新潮社・1600円+税)に先行するもので、著者初の思想的自叙伝と銘打っているように、浦和高校、同志社大学で過した時代について書かれたものである。稀代のといってよいインテリゲンチャーとしての佐藤優の、思想的な基盤が形作られたそういう意味で実に興味深い、青春の日々を描いている。全国的な大学紛争が下火ととなった1979年に同志社大学に入学するわけだが、当時同志社では「同志社ガラパゴス」と揶揄された学園紛争が続いていた。そして神学部に入学の後は、神学部自治会の最重要なメンバーとして様々なことを経験してゆく。同時に、圧倒的といってよいほどの学究生活も。神学にしろ、マルクスの「資本論」に関しても門外漢であることを勘案しても、わたしなどの到底及ばないレベルでの読書ぶり驚くばかりである。そのことで今頃になって、宇野弘蔵「資本論五十年」(㊤㊦二巻、法政大学出版)を読む気にさせたりしている。或いは、彼の卒論対象となったチェコの知識人フロマートカの自伝である「なぜ私は生きているか」(新教出版社・2380円+税)を取り寄せたりの、影響力抜群のところがある。とにかく佐藤優の著作の中でも、その代表作である「国家の罠」や「自壊する帝国」「国家の自縛」「獄中記」、「紳士協定(私のイギリス物語)」と並ぶ面白さである。ただ、彼の思想、思索のバックボーンを知るには本書がいちばんかも知れない。さらに、本日アマゾンから到着の「はじめての宗教論 右巻」「はじめての宗教論 左巻」(NHK出版・各780円+税)の2冊は、彼の最大の思想的基盤である「神学」について述べられたものであり、その辺をもう少し読んでみたいと思ってのものである。それぞれの「帯」(解説)に見る。
 
「わたしのマルクス」 佐藤優はこうして作られた 著者初の思想的自叙伝 浦和高校、京都・同志社大学で過した濃密な青春の日々が、鮮やかな記憶で甦る 「私は生涯でカール・マルクスと出会ったことが三回ある」(「はじめに」より) 一回目は、1975年の夏、ハンガリーのバラトン湖畔のキャンプ場において 二回目は、同志社大学神学館の「アザーワールド」において 三回目は、ソ連崩壊の一年後、モスクワ国立大学哲学部で教鞭をとっているときに 本書は、その一回目と二回目の出会いを描く、佐藤優の思想的自叙伝前篇となる
 「この時代に私は本気で本を読み、他人と話し、考えた」 鬼才・佐藤優の根幹を形成した若き日の回想
 
「はじめての宗教論 右巻」 見えない世界の逆襲 神学は役に立つ! 聖書の正しい読み方からキリスト教の本質まで、21世紀を生き抜くための知的体力が身につく。論壇の雄にして「知の怪物」による究極の入門書。「必読ブックガイド50冊」付き! 合理的な「見える世界」が支配するこの時代。しかし、人間の「見えない世界」への関心と結びつき、スピリチュアル・ブームから政治の領域まで、宗教は様々なところに顔を出す。キリスト教神学に照準し、聖書の正しい読み方から神学的思考の本質までを明解に解説。啓示とは何か?人間の原罪とは何か?核心的な問題の考察を通して、21世紀を生き抜くための知的体力が身につく実践的宗教論!
 北朝鮮問題から政権交代の深層まで、キリスト教神学を武器に現下21世紀の課題に挑む!
 ●序章  「見える世界」と「見えない世界」−なぜ、宗教について考えるのか?
 ●第1章 宗教と政治−神話はいかに作られるのか?
 ●第2章 聖書の正しい読み方−何のために神学を学ぶのか?
 ●第3章 プネウマとプシュケー−キリスト教は霊魂をどう捉えたのか?
 ●第4章 キリスト教と国家−啓示とは何か?
 ●第5章 人間と原罪−現代人に要請される倫理とか?
 ●第6章 宗教と類型−日本人にとって神学とは何か?
 
「はじめての宗教論 左巻」 ナショナリズムと神学 危機の時代を見通す知! 神学は人生を変える! 究極の入門書、待望の続編 宗教はなぜナショナリズムと結びつくのか?近代とともに宗教はどう変わったのか?ナショナリズムの歪みから生じた現下21世紀の様々な困難に、どう対峙するか?キリスト教神学の基本を明解に解説し、宗教の変貌とともに生じた人間の自己絶対化の果てに、戦争の世紀が訪れたことを鋭く読み解く。危機の時代を生き抜くための知的体力が身につく実践的宗教論、待望の続編!
 危機の時代をどう生きるのか?キリスト教神学の明解な解説から、現代人の切実な問いに答える!
 ●序章  キリスト教神学は役に立つ−危機の時代を見通す知
 ●第1章 近代とともにキリスト教はどう変わったのか?
 ●第2章 宗教はなぜナショナリズムと結びつくのか?
 ●第3章 キリスト教神学入門①−知の全体像をつかむために
 ●第4章 キリスト教神学入門②−近代の内在的論理を読みとく
 ●第5章 宗教は「戦争の世紀」にどう対峙したのか?
 ●第6章 神は悪に責任があるのか?−危機の時代の倫理
 
 
作品は、「パリ(水彩)」
 
「洋画家 仲村一男」のホームページ
http://www.nakamura-kazuo.jp
 
 
 
 

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佐藤優「紳士協定(私のイギリス物語)」(新潮社・1600円+税)、「外務省に告ぐ」(新潮社・1600円+税)、「国家の『罪と罰』」(小学館・1600円+税)

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このところは佐藤優の著作と、宇野弘蔵の「資本論五十年 ㊤」(法政大学出版)を並行して読んでいる。読了したものでは、「紳士協定(私のイギリス物語)」(新潮社・1600円+税)が面白かった。外務省に入省して2年目にロシア語研修生として、最初の1年間をロンドン郊外のイギリス陸軍語学学校で学ぶことになるが、その以前にバッキンガムシャー州のハイ・ウィカム近郊のライン・エンドという小さな集落にある、EJEF(欧日交流基金)という学校で英語の勉強をすることを命ぜられる。その間のホームスティ先での、グレンという少年との出会いから物語りは始まる。その交流は、陸軍語学学校に入校後も続く。「あとがき」で佐藤が述べるように「当事者手記なので、ジャンルとしてはノンフィクションに属するのであろうが、ビルドゥングスロマン(教養小説)のような雰囲気がある。イギリス研修を通じ、私が社会人になっていく過程を描いているのだが、小説ではない。あくまで事実を再構成したノンフィクションだ。(後略)」ノンフィクションとして分類されるようなものであるが、「留学生もの」としても或いは彼がいう「ビルドゥングスロマン」としても、充分に面白いものに仕上がっている。それと、グレンの進学に関してイギリスの「階級移動」のことなど興味深い話も織り込まれ、イギリスについて書かれたものが多く出版されている中でも秀逸の1冊だと考える。佐藤優をもう少し読みたくなって、本箱から未読の何冊かを机上に持ってくるとともに、未購入のものをアマゾンに注文して到着したのが、「外務省に告ぐ」(新潮社・1600円+税)、「国家の『罪と罰』」(小学館・1600円+税)の2冊である。読了後にあらためて それぞれの「帯」(解説)に見る。
 
「紳士協定(私のイギリス物語)」 甘く苦い青春の終わり あの夏の約束を捨て、私は外交官になった。 初めての任国で親友になった12歳の少年。政治に巻き込まれるなと警告してくれた同期。秘められた友情と別れを追想する告解の書。
 「20年後も僕のことを覚えている?」1986年。入省2年目の私はイギリスに降り立った。語学研修に追われ、1年後の自分の姿さえ想像できない生活の中でできた友は、好奇心旺盛な少年・グレン。ロンドン書店巡り。フィッシュ&チップス初体験。小さな冒険を重ね、恋の痛みや将来への不安を語りあった私たちは、ある協定を結ぶ。それは厳しい階級社会で孤独を抱える彼の未来を切り拓くはずのものだった−
 
「外務省に告ぐ」 「外交敗戦」の背後に何が? イジメ、セクハラ、不倫、不正蓄財、そして汚職−。 外交中枢の病巣を鋭くえぐり、「外交再生」の処方箋を熱く論じる。
 中国は尖閣諸島に対する日本の実効支配を覆そうとし、ロシアは北方領土への投資を進め現地の「脱日本化」に腐心している。韓国も、竹島問題に関し、国際常識からかけ離れたヒステリックな領土ナショナリズムを煽り立てている。急速に対日包囲網がつくられつつある。これに対抗する戦略を、政治家も官僚も構築していない。場当たり的にすべての国と対峙していると、消耗するだけで、結果として日本の国益を毀損することになる。本格的に対峙しなくてはならない国家を限定し、外交戦略を構築しなくてはならない。(「あとがき」より)
 
「国家の『罪と罰』」 北方領土は取り返せる。 知の怪人佐藤優の集大成!2012年春、プーチン復活で風向きはがらりと変わる。この交渉術で「北方領土は取り返せる」
 日本政府・外務省は「重大シグナル」を何度も見逃していた!3.11直後、プーチンが発した北方領土引き渡しの「サイン」 金正恩がSVR長官と平壌で会った「意味」 メドベージェフの国後島訪問で日本が理解できなかった「文法」 政権交代で鳩山首相に送られた「メッセージ」の意味
 
 
 
作品は、「パリ(水彩)」
 
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佐藤優「インテリジェンス人間論」(新潮社・1500円+税)、佐藤優・宮崎学「国家を斬る」(同時代社・1143円+税)、佐藤優・魚住昭「テロルとクーデターの予感」(朝日新聞出版・1500円+税)

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この三日ほどで読了したのが、佐藤優「インテリジェンス人間論」(新潮社・1500円+税)、佐藤優・宮崎学「国家を斬る」(同時代社・1143円+税)、佐藤優・魚住昭「テロルとクーデターの予感」(朝日新聞出版・1500円+税)の3冊で、いずれも佐藤優のものである。これらを通じて感じることであるが、彼の読書量の凄さ、その理解力、そして根源的といってよい思考の強さ、に驚くところがある。イデオロギーに囚われることもなく、ただ必要に駆られて読む例えばマルクスやそれら関連著作に対する理解力、そしてそれを分かりやすく解説できる能力に。佐藤優・魚住昭「テロルとクーデターの予感」に、中江兆民、幸徳秋水、大杉栄、宇野弘蔵のことが紹介されている。その中で宇野弘蔵のマルクス「資本論」理解に話が及んでいて、それが大変興味深いものがある。とりあえず宇野弘蔵の代表的な著作であり、マルクス「資本論」の入門書としても格好の「資本論五十年(上)」「資本論五十年(下)」(法政大学出版)を注文したような次第である。それぞれの「帯」(解説)に見る。
 
佐藤優「インテリジェンス人間論」 初の短編ノンフィクション集 歴代総理、世界の指導者、伝説のスパイ、異能の思想家から、聖人君子まで-。 総勢150余人が登場。異色の人物論。
 対ロシア外交、国際インテリジェンスの最前線を飛び回り、クレムリンや総理官邸から東京拘置所までを知る男・佐藤優による人物ノンフィクション。その圧倒的な筆力に加えて、国際情勢のみならず、宗教、歴史、思想からグルメ、サブカルチャー、セックスなど、多方面にわたる豊富な知識を駆使して織りなす、豪快にしてユーモア溢れる「実録ハードボイルド・ワンダーランド」!
 
佐藤優・宮崎学「国家を斬る」 官僚階級を論す! 「国家主義者」佐藤優が「国家」と闘う論理。「官僚階級」による収奪の構造を衝く。「左翼」との、少し分け入った対話。 佐藤優が縦横無尽に語り尽くす。
 警察と検察の横暴を許さないほうがいいんです。どうしてかというと、強い国家というのは警察の力というものに頼らなくても国家が維持できるんです。検察が無理するような国家というのは国家が内側から壊れているってことなんです。そのためにも社会から声を出して、彼らを助けてやらないといけない。検察や警察が無理しないということが、究極的には彼らが長生きできる道にもなるわけですし、日本の国家に流れてきている血にもなると思うわけなんです。(本文より)
 
佐藤優・魚住昭「テロルとクーデターの予感」 ラスプーチンかく語りき2 元厚生事務次官襲撃事件、田母神論文、秋葉原事件、グルジア戦争、金融危機、ルソー、中江兆民、幸徳秋水、大杉栄、宇野弘蔵… 古今東西の本と事件をテキストに混迷きわめる時代を読むラジカルな対話集
 「秋葉原事件はニヒリズムの勝利、ニヒリズムの革命だと思う」-佐藤優
 「山川均、幸徳秋水ら初期社会主義者やちの質の高さが際立って見える」-魚住昭
 
 
作品は、「パリ(水彩)」
 
「洋画家 仲村一男」のホームページ
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