【本】 『散るぞ悲しき』 梯久美子さん著・新潮文庫
東日本大震災の後、日本の良さを改めて見直す本が出ていますが、そうした本や日本のことをもっと知ろうと思い色々な本を読み始めましたが、本書はその中で読んだ「ぼくらの祖国」(青山繁晴さん著)に出てきた硫黄島とそこで闘った栗林忠道さんのことを知りたいと思い、色々探して出合った一冊です。
栗林忠道さんは、太平洋戦争で、本土防衛のために守るべき最前線である硫黄島の司令官でした。硫黄島は5日で落ちるという米国の予想に反して、36日間持ちこたえましたが、双方2万人以上の死傷者を出した非常に悲惨な戦場でした。
本書では、栗林総指揮官の姿が、妻や子に充てた手紙、また遺族への取材などを通じて描かれています。
栗林総指揮官は、今までの日本の闘い方である、水際での防衛の戦略は採用せず(最終的には、一部採用せざるを得なくなりましたが)、そして自ら死を遂げるような玉砕(「バンザイ」)を禁止し、部下たちと徹底抗戦を最後までやり遂げました。
私自身、今まで硫黄島のことについてはあまり関心がなく、知ろうともしていませんでしたが、こうした歴史があり、そこで戦争という時代ではあったものの、日本のために、そして闘う部下のために、さらには家族のために、伝統や慣習にとらわれず戦略を立案し、徹底して模範を示し闘った偉大な先人のいたことは忘れずにいたいと思います。もちろん、戦争は2度と起こしてはならないことも。
硫黄島には戦後60年以上の歳月が経っているのにもかかわらず、まだ残された遺骨が多数存在しています。5月5日に一部の新聞では報道されていた「硫黄島の地下壕の詳細地図発見」で残されて遺骨を発見し、1日でも早く心からの追悼が実現できることを願っています。
出光興産の創業者である出光佐三さんの次の言葉を改めて噛み締めています。
「今の人は何だか自分だけが偉くて、世界というものを自分が作ったようにいうけれども、それは間違いですね。そこには祖先の余徳というものがあるんです。」
よかったら読んでみて下さい。
【目次】
プロローグ
第1章 出征
第2章 22キロ平米の荒野
第3章 作戦
第4章 覚悟
第5章 家族
第6章 陸軍上陸
第7章 骨踏む島
第8章 兵士たちの手紙
第9章 戦闘
第10章 最期
エピローグ
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