螺旋の器

森開社 ―― 小野夕馥の妄想日誌

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  《第98回 五反田遊古会》古書販売目録を見ると、月の輪書林の頁に赤江瀑書翰という売り立がある。嘗て、もう既に30年近くも以前の話だろうか、《詩世紀》という早稲田系詩誌に目を引く作品が立て続けに載った。「長谷川敬」という詩人の作品だった。バックナンバーを具に調べ、その他の掲載雑誌の情報を得ては写しを次々に入手し可なりの量を掌中したのだった。(創刊は昭和35年)
大手出版社の担当編集者にもお願いして出版を打診した事もあったが、詩集を纏める気にはなれない、そのような事であった。詩集上梓の計画は湯川書房にもあったとあとで聴いた。
昭和37年に企画された作品集の難航の経緯が紹介の書翰に看て取れる。
「いつも言うように私は詩人ぢゃありません。だから、こうした過去の自作をあれこれと品定めしなきゃならない時が、いちばん辛いです―」
いまだ詩集の一巻が無いのはこうした処にその訳が在るのかも知れない。
「ディステンパアの犬」「梵」などに感嘆したものだ。    (同姓同名の作家がいらっしゃる、注意)
 

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