西太平洋の平和・繁栄歴史・・・中国や韓国の放射能リスク

アジア・太平洋の環境と歴史と貿易を考えます(水俣・徳山など)

全体表示

[ リスト ]

大阪湾 チタン

 


 

今春 (2000)和歌山と神戸の製鉄所で放射性同位元素のスクラップへの混入事件が発生し大きく報じられた。その後、岡山県倉敷市の川崎製鉄水島製鉄所でも同様にゲートモニターが放射線を検出する事件があり、原因調査の結果、チタン製造工程のスクラップであることが判明した。

この事件を受けて科学技術庁は「チタン加工工場からのスクラップについて」という文書を出して他にも検出例があると公表しているが、いずれも今年の出来事であり、和歌山や神戸の事件がなければ報告も公表もされなかったと思われる。

 
 
大阪府におけるチタン廃棄物問題
チタン廃棄物は、原鉱石にウラン等の放射能が含まれているため放射性の廃棄物であるにもかかわらず、放射能に関する規制が一切行われないまま普通の産廃処分場で埋め立てされていた。
 
2000年に、岡山県倉敷市の川崎製鉄水島製鉄所でゲートモニターが放射線を検出する事件があり、原因調査の結果、チタン製造工程のスクラップであることが判明した。
この事件を受けて当時の科学技術庁は「チタン加工工場からのスクラップについて」という文書を出して他にも検出例があると公表しているが、いずれも2000年の出来事である。
この例を見ても、日常生活上接する可能性のある放射能としてチタン廃棄物は「高レベル」であり、「産業廃棄物として扱え」という厚生省他の通達は問題が大きい。廃棄物処理法では、廃棄物の定義に「放射性物質及びこれにより汚染されたものを除く」と書かれているが、この定義に違反した通達であると考える。
 
 

まったく解決していなかったチタン廃棄物問題

 四日市公害の主犯企業でもあった石原産業は、酸化チタン工程から排出される放射能汚泥をリサイクル材「フェロシルト」と称して各地で不法投棄するなど不正を重ねてきました。2005年に発覚したこの問題では、石原産業HPによると2008年7月2日で38地区の撤去が完了とされていますが、この7月になっても岐阜県内で新たに2箇所で確認されるなど、問題は解決していません。
さらに、石原産業は、5月14日、毒ガスとして化学兵器に転用可能なホスゲンを国に無届けで製造していたことを公表しました。同時に、チタン汚泥(アイアンクレイ)の放射線測定値を改ざんし、本来放射性廃棄物として扱わなければならないものを産業廃棄物として処分していたことも明らかにしました。

チタン廃棄物とは

 酸化チタンの製造工程から排出される廃棄物の放射能が最初に問題になったのは1990年でした。高レベル処分場の拒否条例を求める岡山の市民運動が、産廃処分場で異常な放射線を検出して発覚。チタン鉱石には不純物としてウランやトリウムが含まれており、これが汚泥や鉱さい中に移行したことが分かりました。

会社名 主工場所在地 処分場(推定)
チタン関連工場
酸化チタン工場テイカ岡山市岡山県内民間処分場
古河機械金属大阪市大阪湾フェニックス神戸沖処分場
富士チタン工業神戸市神戸市内自社処分場
石原産業四日市市県環境保全事業団三田最終処分場
堺化学いわき市いわき市内自社処分場
チタン工業宇部市山口市内自社処分場
ジェムコ秋田市秋田県内自社処分場
金属チタン工場東邦チタニウム茅ヶ崎市
大阪チタニウムテクノロジーズ尼崎市

 当時の科学技術庁は、原子力安全局次長を座長に動燃事業団、原研、アイソトープ協会等の委員で構成する「チタン鉱石問題検討会」を設置し、チタン関連の工場や処分場の放射線量は十分低く、労働者等の健康被害もなく、安全上問題はないとの報告をまとめます。これを受けて、91年6月、科技庁、厚生省、通産省、労働省の4省庁が処理方針をまとめ、関係自治体やメーカーに通知(以下「4省庁通知」という)を出し、「廃棄物の空間放射線量率が1時間当たり0.14マイクログレイ以下に限り、放射線を測定、記録したうえで工場外に搬出できる」との基準が設けられました。

 4省庁通知の最大の問題は、放射性のチタン廃棄物を、廃棄物処理法の定義に反して産業廃棄物と位置づけた点にあります。廃棄物処理法の廃棄物の定義では「放射性物質及びこれによって汚染された物を除く」と明記してあり、この条文には放射能濃度の定めがないため本来いかなる低レベルのものであっても産業廃棄物として処分してはならないと解釈されます。ところが、4省庁通知で、この定義に反して0.14マイクログレイ以下のチタン廃棄物を産業廃棄物とすることを認めてしまったのです。
 問題のチタン鉱石や廃棄物は、ウランやトリウムを含むわけですから、本来は原子炉等規制法の「核原料物質」に該当します。ただし、低レベルであるため原子炉等規制法施行令で届出が免除され、チタン鉱石、廃棄物は何の規制も受けてこなかったのです。4省庁通知の0.14マイクログレイ毎時という基準は、一般人の被曝限度である年間1ミリシーベルトから算出されています。低レベル放射性廃棄物のスソ切り処分よりも100倍甘い値が採用されていることになります。

捨て得を狙う石原産業

 石原産業は1998年から2004年までの間、産業廃棄物として排出された33万トンのうち約3分の1について、最大で基準の3倍だったにもかかわらず、基準以下に改ざんしていたと公表しました。その後の三重県の調査では、1998年からではなく、4省庁通知が出された1991年から16年間にわたって改ざんが行われていたとされています。
 搬出されたのは、三重県環境保全事業団小山最終処分場(三重県四日市市)、同事業団三田最終処分場(同市)、三重中央開発最終処分場(三重県伊賀市)、住友大阪セメント岐阜工場(岐阜県本巣市)、大栄環境三木処分場(兵庫県三木市)の5箇所とされています。
 
  「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」「四日市再生・公害市民塾」「くらししぜん いのち 岐阜県民ネットワーク」の3団体は、5月28日に石原産業に回収を、国や県にも回収させるよう申し入れし、6月18日には環境省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省と交渉を行うなど精力的に動きました。

 当時廃棄物処理法を所管していた厚生省は、4省庁通知を出した同じ日に、「チタン鉱石問題に関する最終的措置について」という通知を出して、0.14マイクログレイを超える特定チタン廃棄物については、廃棄物処理法の廃棄物ではないので、「特定チタン廃棄物であることが判明した場合には、チタン製造事業者の責任において回収等必要な措置を講ずることを指導すること」としています。市民グループは、この通知に従い三重県等に措置を求めたのです。
 
 ところが、石原産業織田健造社長は、新聞社のインタビューに対し、自主回収はしないとの考えを明らかにしています。一方の行政も、6月18日の交渉を報じた朝日新聞記事から拾うと「全量撤去は現実的でない」(三重県)、「現に産廃処分場内に埋められている放射性物質は、うちは手を突っ込めない」(文科省)、「放射性物質による土壌汚染の防止措置は、原子力基本法そのほかの法律で定められており、所管は文科省」(環境省)など責任の押し付けあいです。

 朝日新聞記事には「基準を超える産廃が工場外に搬出されるケースは想定外で、4省で考えなければいけないが、法令がない以上、どこまで権限を及ぼせるのか」という国のコメントも載っています。
 あらためて資料を見ていると、2005年12月に三重県フェロシルト問題検討委員会が出した報告書に石原1号保管場所の放射線が平均0.12、最大0.17マイクログレイというグラフがあるのに気が付きました。バックグラウンドをどう見るかという問題はありますが、安全側で判断して基準超過とみなし、三重県は本来この時点で、搬出禁止などの措置を執らなければいけなかったと考えます。

4省庁通知の問題点

 今回の事件で、改めて4省庁通知の問題が浮き彫りになっています。

 最初の問題点として、放射能規制があげられます。産業廃棄物とするという0.14マイクログレイ毎時にしても、また工場の排ガス、排水にしても法にもとづく基準が設定きれた訳ではなく、業界の自主基準とされたため、何の罰則もありません。

 第二点は、健康被害です。4省庁通知ではチタン工場従業員2500人以上の健康診断の結果、異常はなかったとしています。しかし、低線量の放射線障害は、ガン等の晩発性もしくは遺伝性の障害であることを考えれば、一度の健康診断で問題がなかったからといって安全という結論は出せないはずです。過去に働いていた人まで十分に対象範囲を広げ、長期間に渡り疫学的な追跡調査を実施しなければ、真相は明らかにならないでしょう。 第三点は、公害輸出の問題です。4省庁通知は、チタン工場に、放射能の低い鉱石の使用を奨めています。事実、多くの工場で、放射能の高いマレーシア産鉱石の使用が中止され、ベトナム産等に切り換えられました。マレーシアでは、三菱化成の現地法人であるARE社が希土類金属の生産にあたって、チタン同様原鉱石に含まれる放射能を不法投棄し、住民に健康被害を与えています。三菱化成は1971年まで国内で行っていた同工程を海外に移し、問題を起こしたのです。放射能含有率の低い鉱石を、日本のような工業国が優先的に使用すれば、放射性廃棄物の発生する工程が結局第三世界に押しつけられるという実例です。

チタン鉱石輸入量(万トン/年)
イルメナイトベトナム12
オーストラリア8
エジプト3
その他3
チタンスラグ南アフリカ6
カナダ4
財務省輸入通関統計(2002年)
 第四点として処分場跡地規制の問題があります。4省庁通知のもとになった 「チタン鉱石問題検討会」では、処分場の跡地利用として、①公園、グラウンド等の利用、②一戸建て家屋の建設及び居住、③数階建て住宅の建設及び居住、④工場の建設及び操業、⑤田畑利用、⑥井戸利用、⑦5mの掘削工事の七つのケースを想定し、いずれも安全上問題はないと結論付けています。したがって、四省庁通知では、地方自治体に跡地利用の状況把握を指示し、大規模に跡地利用する場合には事前に通知するよう求めただけで何の規制も行っていません。当時の廃棄物処理法に、埋立て終了後の処分場に対する規制がない欠陥をそのまま追認していたのです。
 
 
 
 
 
 
イメージ 1
イメージ 2

閉じる コメント(0)

コメント投稿
名前パスワードブログ
投稿

芸能人・有名人の新着記事


.
検索 検索

3月4日は須磨で大阪湾フォーラム
人気度

ヘルプ

Yahoo Image

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
  今日 全体
訪問者 0 17547
ブログリンク 0 33
コメント 0 774
トラックバック 0 456

標準グループ

ケータイで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

URLをケータイに送信
(Yahoo! JAPAN IDでのログインが必要です)

開設日: 2010/1/17(日)


プライバシーポリシー -  利用規約 -  ガイドライン -  順守事項 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2012 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.