日本語の起源
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日本語の起源
概要
日本語は系統関係の不明な孤立言語のひとつであり、系統はいまだ明らかになってはいない。これまでにいくつかの系統関係に関する理論仮説は出されてきたものの、いまだ総意を得たものはない。これまでの理論仮説、そして類縁関係が強いと想定される言語、には以下のものがある。
これまでに唱えられた主要な学説
以下、これまでに唱えられた主要な説について解説する。
アルタイ語族説 日本語をアルタイ系言語、アルタイ諸語のひとつとする説。ただしアルタイ語族説の基盤を築いたG. ラムステットやエフゲニー・ポリワーノフ、 ニコラス・ポッペら自身もこの仮説があくまで仮説にすぎないことを強調していた。この説の基礎理論的な課題は、ツングース諸語、朝鮮語(古代朝鮮語)の内的再構がどの程度まで可能かどうかである。
ただし、アルタイ諸語に属するとされるそれぞれの言語自体、互いの親族関係が証明されているわけではなく、したがって、古代日本語に上記の特徴がみられることは、日本語が類型として「アルタイ型」の言語であるという以上の意味をもたない。
アルタイ語族仮説を支持する言語学者には、S. マーティン(1966年)や、ロイ・アンドリュー・ミラー『日本語』(1967)『日本語とアルタイ諸語』(1971) らがおり、かれらの日本・朝鮮共通祖語の再構の試みは、モンゴル語、テュルク諸語、ツングース語の語形も参照しながら分析を展開している。他には、カール・H・メンゲス『日本語とアルタイ語』やロシアのS. スタロスティン、辞典では"Etymological Dictionary of the Altaic Languages"などがある。
しかしながら研究者間で意見の一致が見られる比較例は、全般的な統語論的特徴(タイポロジー)、いくつかの音韻論的要素、人称・指示代名詞システム、動詞や形容詞の活用形の一部、助詞の一部、高々数十の語彙などにとどまっておりいまだ日本語=アルタイ語族説は十分に実証されていない。ポッペのアルタイ祖語の音韻の再構についても批判的に検討され、アルタイ仮説は破綻したと見る研究者もいる。
現在は、より包括的な大語族または超語族という概念で分類を再考している流れもある(マクロアルタイ説・ユーラシア大語族説・ノストラティック大語族説など)。しかしこの包括理論によって日本語の系統の解明が進む可能性は低いとされている。これに対してツングース諸語・満州語・日本語・朝鮮語に対象領域を縮小し比較の精度を上げている研究がある(米国のA. ボビン(2003年))。
朝鮮語同系説 ただし、言語比較の上で最も重要視される、基礎的な語彙や音韻体系において決定的に相違する。
高句麗語同系説いずれにしても、数詞に加え、「口(古次)」「海(波且)」「深(伏)」「白(尸臘)」「兎(烏斯含)」「猪(烏)」「谷(旦)」などの類似は印象的であり、更に興味深いのは、中期朝鮮語よりも上代日本語との方が、類似語が見出される割合が大きい事である。
ただし古代朝鮮半島から旧南満州における言語分布状況がどのようなものだったかは不明な点が多い。そもそも再構された「高句麗語」が、本当に高句麗の言語だったかについても疑問がある。
「魏志東夷伝」や「後漢書」などから推測すると、3世紀後半に鴨緑江以北を本拠地としていた夫余・高句麗の言語がツングース系だった可能性は高いが(村山説: 1979年)、肝心の朝鮮半島北部から中部にかけて、3世紀当時どのような言語が分布していたかについては、「魏志東夷伝」などの「中国史書」には全く言及がないのである(金芳漢: 1985年)。 「高句麗語」と日本語との系統関係についてもいまだ十分に実証されていない。また、高句麗語は中国語、あるいは契丹語等に起源や関連性がある事も考えられるが、実証には至っていない。
百済語起源説 百済語は高句麗語以上に実体不明であり、根拠薄弱という批判がある。
オーストロネシア語族説 オーストロネシア語族が日本祖語を形成した言語のひとつだったとする説。現在、主流な説は、日本語がアルタイ系言語と南島語の混合語起源とするものであるが、「混合」の定義・プロセスについては、論者の間で見解の相違がある。
日本人の民族学人類学的な特徴が混合的なものであることは、古くから指摘されてきた所であるが、言語学者の間では日本語アルタイ起源説が19世紀以来、定説とみなされてきた。 |



















