牡丹亭と庵の備忘録

映像業界人の某が日々のあれこれを興に乗せて語る茶席風

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泉鏡花の摩耶夫人像

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写真は石川県(旧)松任市にある日蓮宗の古刹、行善寺に安置されている本尊、摩耶夫人(まやぶにん)像。

朝鮮遠征の際に、加藤清正が持ち帰ったという故事が残っているが、元々はインドで作られたものらしい。

摩耶夫人とは、言わずと知れたお釈迦様の母親。脇の下から我が子を生んだという伝説にのっとって、右の袖口からまさに釈迦牟尼が生まれる瞬間を描写した、何とも妖艶な彫像だ。
ご覧のようにその袖口が女性器の形容になっており、独自な様式からもインド起源説を裏付ける秘仏である。

幼い頃に母親を亡くした泉鏡花が、終生この摩耶夫人像に惹かれ、ことあるごとに訪れては涙を流しながら見つめ続けていた、という逸話が今に伝えられている。(※昨日の毎日新聞に関連の記事が載っていた)

『義血侠血』のヒロイン、水芸の女太夫滝の白糸。
『夜叉ヶ池』における悲劇のヒロイン百合と、荒ぶる龍神白雪姫。
『外科室』に登場する伯爵夫人。

「別れろ切れろは……」の科白で知られる『婦系図』の柳橋芸者お蔦。
そして、名作『高野聖』で聖の煩悩を誘う妖怪の美女。
すべてがこの摩耶夫人像から与えられたイメージによって描かれた、と断言する研究者もいる。

それもむべなるかなと頷かせる、妖しくも慈愛に満ちた究極の理想の女性像である。

※写真のソースは拙作の昼帯『愛のことば』第32話よりのコピペです。

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はじめまして、

志紋孟さんの所から、跳んできました。
記事を興味深く読みました。
ありがとうございます。

2010/2/12(金) 午前 3:45 菊次郎

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菊次郎さん、ありがとうございます。
さっそく貴ブログも読ませていただきました。
話題の幅が広く、大変面白い記事が並んでいるように思います。
あとで、もう一度ゆっくりと読ませていただきます。

2010/2/12(金) 午前 8:41 [ 牡丹亭と庵 ]

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