非日常への余禄
|
日食は太陽と地球の間を月が通過することで起こる天体ショーです。「太陽が欠けて見える」 ということは、観測者のいる場所は欠けた分に応じて暗くなっているはず。特に皆既日食や 金環日食が観測される『皆既食/金環食帯』は月の本影〔ほんえい〕が通る場所なので最も 暗くなります。2012年5月21日の金環日食では“月の影”が日本のほぼ全域を南西から北東 に舐めるように通過しました。「適度に雲があったこと」が幸いし翌22日に開業する東京スカ イツリーなどの“旬な風物”と共に金環リングを撮影できた地域があった一方、鹿児島などで は部分食の一瞬しか観測できなかった様子。元来、天体観測には『悲喜こもごも』が付き纏 います。 ■衛星画像の比較上の図は金環日食時の本影と半影〔はんえい〕のイメージ図です。地上の本影は金環食が見えている場所、半影〔はんえい〕は部分日食が見えている地域です。金環食では「本影の 焦点(黄色のドット)」が地上の手前に結ばれます。したがって焦点の先では皆既食を見るこ とが出来ます。下図は21日08時の可視画像。本州と四国のほぼ全域が暗くなり肝心な雲が 写っていません。 (当ブログで引用している気象庁提供諸画像への加筆・加工については同庁へ届け出済みです) 一方、同じ時刻(08時)の赤外画像は以下のようになっています。可視(vis)と赤外(ir)は上層 雲や下層雲の写り方が“真逆”に近いので一概比較は出来ませんが、これからも(観測が適っ た)関東南部などは「実にラッキーだった」ということが判ります。 (当ブログで引用している気象庁提供諸画像への加筆・加工については同庁へ届け出済みです) この”月の影(本影+半影)”については、既に2009年7月22日の『南薩皆既日食』の折、可視 (vis)北半球画像のコマ送り動画を作成して紹介しています【下記リンク参照】。今回は日本付 近の06:30〜09:00の可視画像を0.2秒/コマの高速で送り“月の影”を捉えやすく表現しました。 ◆“月の影”はアニメGIFで見よう|“ひまわり”で散策‖2009年7月22日 (当ブログで引用している気象庁提供諸画像への加筆・加工については同庁へ届け出済みです) ※このGIF動画は約620KB。ダウンロード時間に差が出ます。12時に再アップ。 ■ちょっとした「日常との差」を記録する何かと眩しい部分日食の“間接観測”として汎用なのが『ピンホール撮影』。今回も「穴はピンホール!」と担任教師から何度もレクチャーされながら五寸釘大の穴を開けてしまい、皆と同じ ような“綺麗な間接像”を結べなかった小学生も多かったはず。そこで「センセイの言うことを 聞かないからだよ!」と諭すような教師なら子供の個性は伸びません。他と違うことをやって いる児童には「一層の工夫」をアドバイスすれば良い。 今回の金環食…山形の食分率は92%ながら天気が“快晴”だったので、私は早々にピンホー ル間接像を探して撮影することに決めました…“探して”とは「何も用意しない」ということ(笑)。 その結果が下の水墨画のような写真右。これはレースのカーテンからの“木漏れ日”です。 木漏れ日が部分日食の形状と同じ『鎌〔かま〕状』になっているのが判ります。 この時の画像と日常(快晴時)の画像を比較したものが下の写真。レース編みの陰影は日常 の「ぼやけた印象」に比べ、部分日食時は細部まで写り「ピントが合っているような印象」です。 これはカメラの「絞り(光量)」と「被写界深度」の関係と同じです。 部分日食時の「食分率約92%」と日常(ここでは前日の同じ時間)の「食分率0%」に伴う光量 の差が、前者の被写界深度(ピントの合う範囲)を広げ、後者において著しく狭めています。 この場合、「ピン(針)ホール」など穴の形状は重要ではありません。欲張って五寸釘大の穴 を開けてしまったのなら『穴の大きさを指先などで塞ぎながら変えてみる』もしくは『ピンホール と投射板との距離を変えてみる』…など工夫してみれば良い(失敗ではない)。 穴の大きさについては、むしろ適宜変えることが出来た方が、日食の進行に伴う「光量の変化 への対応」は容易になります。 ≪Copyright (C) 2006-2012 Twister. All rights reserved.≫ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120522-00000673-yom-soci
◆日食網膜症か、18都道府県の74人…重症も◆ (読売新聞、5月22日(火)14時22分配信) 金環日食の観察により目に痛みや違和感を訴えた患者は、日本眼科学会の22日午前11時現在の集計で、18都道府県の74人に上った。うち16人が12歳以下。「日食網膜症」とみられ、1日以上たっても物が見えづらい、やや重症の患者もいるという。 同学会常務理事の大鹿哲郎・筑波大教授は「本人が気付いていない例もありうる。目に違和感がある人は眼科医に相談してほしい」と話している。 |



