エンジンOHにて入庫、分解中のZ1B。
車両を全体的に見回しても、割とオリジナル感が強く残っている車両です。
こうやって長年同じ系統のバイクばかりを見て触れていると、その車両の醸し出すオーラの様なもので、見えないはずのエンジン内部の状態まで、何となく察しがついてきたりします。厳密に言うと、今日に到るまでどの様な扱いを受けて来た車両なのか?に想像がつくと言った方が良いかもしれません。
このZ1B、エンジンを分解してゆくと、それなりの経年劣化、消耗は進んでいるものの、どこかが壊滅的ダメージを受けていたり、破壊されていたりという状態ではなく「減るべき箇所が当たり前に減った状態」と言えます。メーカーが設計した際に、ここが減るように、そして減ったら交換もしくは対処(OH)して下さい・・・という部分ですね。
従って、「当たり前に減った」部分を「当たり前の部品に換える」「対処する」という本来のOHで初期性能を取り戻す事が可能です。それは、想定外の費用がOHの際に掛からないという意味でもあるわけです。
取り出されたピストンはSTDサイズで純正採用のART製。ご覧の様にオイルリングにはワンピースタイプの当時物と解ります。(現在メーカーより入手出来るのは分割タイプ)
ガスケットや各部の状態からしても、今までエンジン内部に手を入れられた形跡はなく、きっと約37年間を今日まで一度も開けられたことが無いエンジンだと思います。それなりにしっかりと走りこんで、しかも37年間です。もうキチンと手を入れてやっても良い頃でしょう。
しかし過去の経験からして、余程マジメにOHされたエンジンでない限り、逆にいじり壊されてしまった物も決して少なくはないうのが現実で、下手に手を入れられた物よりも、大切にされながら今日に到り、上記した様に当たり前の消耗を重ねたエンジンの方がOHの際にも手が掛からないという印象が強いです。
位相ズレもなく、ご覧の様にコンロッドSエンドもカジり等の無いキレイな状態(4本共)を保っています。腰下はこれから分解ですが、クランク本体の状態も良さそうで嬉しくなります。
OHを施せば、元がどんな状態であっても新車時の様に・・・とお思いの方もいらっしゃる様ですが、度を越した消耗は「本来のOH」では初期性能を復活させるのは厳しいという事も知っておいて頂きたいと思います。ましてや、J系と違ってその殆どのエンジン大物部品が欠品となりつつあるZ系では、元のコンディションがコスト面でも仕上がりでも最終的に違いとなって現れることになります。
さて、次回このエンジンを開けるのは一体何時なのでしょうか。次回のOHが同じ37年後だとしたら、僕が現役でない可能性の方が高く・・・(笑)。次世代まで元気に走ってくれます様に。
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