PANAの言いたい放題

クラシック音楽・時事・映画・ドラマの言いたい放題です。映画、ドラマは完全ネタバレです。

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1977年製作 日本

原作:横溝正史
監督:市川崑
脚本:久里子亭
音楽:村井邦彦

出演:
石坂浩二(金田一耕助) 
岸恵子 (青池リカ) 
北公次 (青池歌名雄) 
永島暎子(青池里子) 
渡辺美佐子(別所春江) 
仁科明子(別所千恵) 
草笛光子(由良敦子) 
頭師孝雄(由良敏郎) 
高橋洋子(由良泰子) 
原ひさ子(由良五百子) 
川口節子(由良栄子) 
辰巳柳太郎(仁礼嘉平) 
大羽五郎(仁礼直太) 
潮哲也 (仁礼流次) 
永野裕紀子(仁礼文子) 
富田恵子 (仁礼路子) 
若山富三郎(磯川警部) 
加藤武 (立花捜査主任) 
中村伸郎(多々良放庵) 
大滝秀治(権堂医師) 
三木のり平(野呂十兵衛) 
山岡久乃(井筒いと) 
林美智子(お幹) 
白石加代子(司咲枝) 
岡本信人(中村巡査) 
常田富士男(辰蔵) 
小林昭二(日下部是哉) 
辻萬長(野津刑事)


NHK−BS2による放送を視聴



昭和27年。岡山と兵庫の県境の鬼首村。
青池歌名雄(北公次)は、温泉宿「亀の湯」を営んでいる青池リカ(岸恵子)の息子。
歌名雄と由良家の娘・由良泰子(高橋洋子)は相思相愛の恋人同士。
仁礼文子(永野裕紀子)もまた、歌名雄が好きだった。
仁礼家の当主・仁礼嘉平(辰巳柳太郎)は娘のこの結婚を望んでおり、再三、リカに歌名雄との結婚の申入れをしていた。
リカは歌名雄の結婚を反対する。文子との縁談にも、泰子との結婚にも。


探偵の金田一耕助(石坂浩二)は「亀の湯」に宿泊していた。
友人の刑事・磯川警部(若山富三郎)から20年前のこの村のある事件の捜査を依頼され、鬼首村にやってきていたのだ。


20年前の事件。
この村に恩田という35歳ぐらいの詐欺師がやってきて、詐欺を働いた。
その頃、「亀の湯」の少年時代に家を飛び出した次男・源次郎が妻・リカと男の子(つまり歌名雄)を連れて、15年ほどぶりに神戸からひょっこりと帰ってきた。
源次郎は恩田のやり口を詐欺と見抜き、尻尾を押さえてやろうと単身恩田のいるところ(多々良放庵の離れ家)に乗り込んだが、逆に殺された。
死因は後頭部の打撲による頭蓋骨折と大量出血。凶器は囲炉裏のそばにあった薪。
死体はなんと顔が判別できないぐらいに焼け爛れていたのだ。
恩田は逃げて行方が分らない。
死体発見者は、いつまでも帰ってこない源次郎を迎えにいったリカと多々良放庵(中村伸郎)。

磯川警部はこの事件に20年来、疑惑を持ち続けていた。恩田と死体の源次郎がもしかすると逆ではないかと考えていた。
その謎を金田一に解いてもらいたいと依頼したのだ。


自称、郷土史を研究しているという多々良放庵が殺された。
といっても死体は消えてなくなり、彼のひとり住いに大量の血痕だけが残っていた。


次に、由良泰子が人影のない場所で殺された。絞殺。升とジョウゴが死体に置かれていた。
犯人に、あなたの父の秘密を教えますという手紙で誘い出されたようだ。
恋人だった歌名雄は嘆いた。

生きている泰子を最後に見たのは、リカの娘・里子(永島暎子)。
里子の半顔、半身に大アザがついていて、人前には姿をあまり見せないように暮らしていた。


この村の手毬唄の一つ目の唄がお年寄りの唄で分る。

升屋の娘が升で計ってジョウゴで飲んで・・・帰された、帰された。

帰されたとは、殺されたという意味があるそうだ。
由良家の屋号は升屋。
金田一はこの手毬唄に着目。二つ目以降の唄を知りたいと考えるが、この唄を全部知っているのは、なんと失踪している放庵らしい。


岡山県警から派遣された立花警部(加藤武)が捜査する。
犯人はまだ生きている放庵だという立花だが・・・


泰子の葬式。
大勢が集まり、混雑していた。
このとき里子も来ていたが、その外である何かを見てしまった。驚愕する里子。


今度は文子が殺された。
死体は酒蔵で酒樽の中に浸かっている。そのそばには多数の小判が吊るしてあった。


死んだ文子、泰子の本当の父親が20年前に源次郎を殺して失踪した詐欺師の恩田ということが分った。
人気歌手・大空ゆかりとなっていた別所千恵(仁科明子)が、この村に帰郷していたが、彼女の父親も恩田だという。
詐欺師の恩田は女たらしのようだった。


お年寄りが手毬唄の二つ目を思い出す。

秤屋の娘。小判小判を秤にかけて・・・帰された、帰された。

仁礼家の屋号は秤屋。

殺人は間違いなく手毬唄にちなんで実行されていると考える金田一。
三つ目の唄が知りたい金田一。


恩田と源次郎の写真が存在しないのに疑問を抱いた金田一は、ある推理が浮かんだ。それは・・・
しかも手毬唄の三つ目の唄は錠前屋で始まるのだはと・・・
錠前屋は別所家。
金田一は千恵の身辺を警護するように磯川警部に頼み、確証を掴むために神戸へと向かった。


金田一のいない間に、村ではなんと里子が殺されてしまった。

死体のそばには錠前とカギが残されている。
なぜ錠前屋の千恵ではなく、里子が・・・
里子の死を聞いたリカは気絶した。


金田一がある写真を入手して鬼首村に戻ってきた。
その写真を泰子、文子、千恵の母親たちに確認すると恩田が写っているという。
しかしそれは源次郎の写真だった。

つまり恩田と源次郎は同一人物だったのだ!



事件の真相。
同一人物だということを知っていたのは、リカと放庵。
源次郎(恩田)を20年前に殺したのはリカだった。
放庵から源次郎が恩田だということを聞かされたリカは、源次郎と口論。
その先の悲劇だった。
収入の無い放庵はこのことでリカをユスリ続け、今まで生活をしていた。

20年後の今。
放庵を殺し死体を隠すことで放庵を犯人に思わせ、泰子、文子を殺していった。
歌名雄と父が同じ娘とを結婚させるわけにはいかない。同じ父だと明かす事もできるはずがない。
千恵を殺すことで歌名雄と腹違いの兄妹はすべていなくなる。
しかし、文子殺害を見てしまった里子は母・リカの暴走をなんとか食い止めようと、千恵の誘い出しに自らが身代わりに。
知らないリカは千恵と間違って、実の娘・里子を殺害してしまったというわけだ。


リカは沼に身を沈めて自殺。
この悲劇にひとり残された歌名雄は泣き崩れる。


事件は解決。
金田一は磯川警部より必要経費のみ受け取る。友人から探偵費用を受け取るわけにはいかない。
駅で列車に乗り込む金田一に磯川は、歌名雄を引き取ることにしたと告げる。
金田一は磯川にひとこと言うが列車の音で掻き消される。
”磯川さん。あなたリカさんを愛していましたね。”




鬼首村(おにこべむら)の由来:

室町時代にこの村に流れてきた呪文師(呪い師)を領主が処刑。
首を獄門に晒したところ、首が鬼の形相を呈し、眼から発した鬼火が全村を焼き尽くしたと言い伝えられる。




面白いですね。
よく出来たストーリーです。
脚本が上手く作られています。おそらく原作以上だと。

幾つも、布石や焦点を惑わすタネが上手くばらまかれています。
その演出が上手く、ミステリーが強く立ち込めます。


事件の全貌が見えたときは、この悲劇が心を突き刺します。悲しい結末でした。
ラストは爽やかさと哀愁が溶け込み、なんともいえない情感が流れます。、
駅の別れというのも、原点ではありますが、良い演出でした。
本当に良いラストだったと思います。



ストーリーが緻密だということを示すものとしての一例。
妊婦が火の気に近づくと生まれてくる子にアカアザがつくという言い伝えがあると、映画冒頭に放庵は言います。
そして里子に半身、半顔にアザがあります。
里子を身篭っていたリカが囲炉裏の火そばで源次郎を殺害したことを知る放庵だけが言える台詞です。
事件の全貌が分ると、このようなことが哀しい結末に重みを加えます。

すべてをこのレビューで言い尽くすことができません。


石坂浩二、岸恵子が好演。脇役の人たちの演技も実に良かったです。今思うとそうそうたる俳優陣です。
なんといっても若山富三郎の演技に目を見張ります。あの味のある演技はこの映画の質を実に高めてくれています。


2007/5/8 ★★★★* (評価:4.5 /5)

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確かに若山さん、いい味出してましたよね。若手の演技がもっとよければ、もっともっと好きになれたのになーと思います。

2007/5/15(火) 午後 6:00 sas*k*0001*6 返信する

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さすけさん。早速のご訪問ありがとうございます。若山さんの演技は光っていましたよね。NHKのテレビドラマ「事件」での弁護士役が大好きだったことを思い出します。若手の演技はだめでしたか。(笑)大人たちが名優ばかりなので差が目立ったかもしれませんね。(^^)

2007/5/15(火) 午後 7:11 [ PANA ] 返信する

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なにしろ、面白かった。やはり、磯川警部役の若山富三郎の印象が
残る。そして、岸惠子が美しく哀しい殺人者にピッタリだった。 削除

2015/8/28(金) 午後 7:11 [ キンちゃん ] 返信する

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> キンちゃんさん
この映画は何度見ても面白いです。つい最近獄門島が放送され、ついでにもう一度この映画も見てしまいました。私の昔のこの記事を読み直し、訂正しなければいけない箇所が一つ。脚本が原作以上だと書いてしまいました。そんなことはないです。原作は素晴らしいです。

2015/9/1(火) 午後 5:44 [ PANA ] 返信する

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