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Azusa「博士、もう、桜の葉が散ってしまいますね。」
つい、この間まで色づいていたのに、年々、早く感じるもんである。
Para 「近親相姦を防ぐ花の構造と進化について調べてもらったんだね。」
Azusa「はい、では、私から報告します。花は、ご存知のように裸子植物から、被子植物へ
と進化しました。裸子植物は、花びらがなく、おしべだけの花、めしべだけの花
という具合に生殖器を見せ付けています。」
yuki「へえ〜、それで裸子植物と言うの?」
para「厳密に言うと胚珠(卵細胞)が裸のまま花についている植物なんですけど・・・で、どうやって受
粉するの?」
azusa「それが、風で花粉を運んで、それで受粉するんです。例えば、このマツの花は、春になると枝の
先が伸びて、ツクシの頭のようなものがたくさんつきます。これが雄花です。
ちょうど同じ頃、枝の最先端に1つか2つの球形のものが現れます。それが雌花です。」
yuki「裸子植物は、風に吹かれて飛んでくる花粉を受け取って、受精を行ってたんですね。」
para「胚珠は、粘液を分泌していて、とんできた花粉はその中で発芽して、その中から精核がでて、胚
珠の卵細胞と受精するんだよ。イチョウやソテツでは、花粉の中から、動物のような精虫が泳い
で卵細胞に到達するものもあるそうだ。」
azusa「で、ちょうど、その頃、樹液や葉を食べる甲虫類が花粉や胚珠の粘液を食べるようになり、偶然
ながら雄花で花粉を体につけ、雌花に運ぶようになった。」
para「この新しい受粉方法は、風よりもはるかに効率がいいねぇ。」
yuki「でも、虫は胚珠までも食べるんでしょ、食べられたら元も子もないじゃない。」
para「そうだね。だから、植物はじょじょに胚珠をかくすようになり、子房でつつみ、めしべの先につ
いた花粉が花粉管を伸ばして、子房奥深くで受精するしくみをつくりあげたんだね。」
azusa「博士のおなかの脂肪も進化してますね。」
para「なかなか言うようになったね、azusaちゃんも・・・で、このころになるとたくさんの花粉を受け
取れるから、たくさんの卵細胞をもつことができて、1つの花にたくさんの種子をつくるように進
化したんだね。」
azusa「はい、さらに甲虫類に花粉を運んでもらうのには、雄花や雌花に別れていたのでは、雄花ばっか
り、雌花ばっかり訪問する時には、うまくいかない。それなら、一つの花にめしべとおしべをが
同居すれば、どの花を訪れても、確実に花粉がつき、その花粉をその都度めしべに与えることが
できるって・・・。」
yuki「そっかあ、この方法が1番効率よく受精できるもんね。」
para「自家受粉による近親相姦より、確実な受粉の可能性を選んだんだね。」
azusa「さらに、おしべは全部がたべられないようにその数をふやしたり、外側のおしべは不要になり、
花粉を作る能力を失って、甲虫を惹きつけるための美しい花びらに変化していったと考えられて
いるそうです。」
yuki 「このような進化の過程を経て、美しい花ができあがったんだね。」
azusa「さらに、ミツバチや蛾などの長い舌を持つ昆虫が現われると、花は花びらを筒状にして、
その底から蜜がでるようにした。また、同じ種類の花から花へと移動してくれる昆虫だけに蜜を
与え、花粉を貰い受けるように、いろいろ形や仕組みを変え、その昆虫を惹きつめるために色や
形状を特殊な多様なものにしていったんだね。」
para「つまり、花の進化は、昆虫の進化とともにあるんだね。」
yuki「虫がいなかったら、花はこんなに美しくならなったのかも知れませんね。」
azusa「なんか、人間の男と女も同じように進化しているような気がしますね。」
para 「そうだね、花も人間も・・・」
そのとき、風が吹いて、さらに桜の落ち葉を落としていった。
もう、12月なんだとしみじみpara博士は思った。
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