いつでも笑顔そしていつか一等賞

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鎌倉源氏三代記 一門・重臣と源家将軍

読書感想文 その他の読み物
第12回
鎌倉源氏三代記 一門・重臣と源家将軍
  永井 晋 著
  吉川弘文館


なぜ源家の将軍は三代で途絶えたのか。
どのようにして、いくつかの有力御家人のなかから北条氏が権力を増していったのか。
なぜ北条氏は自らが将軍の地位につくことなく、摂関家や皇族から将軍を迎えたのか。

中学高校で学んだ歴史は、箇条書き的な暗記の部分が多く、
特に源頼朝の死後、北条氏の執権政治の確立までの過程が分かっていないままになっていたので、
そのあたりの興味をそそられて手にした本。

本の前半約3分の1は源平合戦から鎌倉政権成立までの記述に充てられていますが、
挙兵時の頼朝の置かれていた立場や、そこから源氏の棟梁としての地位確立、
平時における自らの権力の維持への周到さが印象に残りました。

北条氏が徐々に他の有力御家人を駆逐していく様子については、この本を読む前に比べて
だいぶわかった気になりましたが、ここで重要な人物が北条政子であったということを知りました。

自ら産んだ頼家や実朝に将軍としての権力が集中することを好まず、
梶原氏、比企氏、和田氏といった有力御家人を滅ぼし、さらには父時政も追放し、
義時と姉弟で権力を独占していく、あたかも権力者の母としての地位よりも自らが権力を欲する
女性のような印象を受けました。

ただ北条政子について詳しく述べられているわけではないので、実際のところどうなのか、
今後この女性に注目しつつ、もう少しこの時代についての本を読んでいきたいと思いました。

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謎の大王 継体天皇

文庫本の備忘録
第150回
謎の大王 継体天皇
  水谷千秋 著
  文春新書


古事記に続いて、古代日本の歴史についての本。
応神天皇五世の孫として武烈天皇の後を継いだ天皇について、
その即位の経緯や当時の政治情勢についての考察。

それだけでなく、中世以降の継体天皇観という章があって、
源平合戦で安徳天皇が入水したのちの後鳥羽天皇の即位の正当性をはじめ、
その後も承久の乱後の後嵯峨天皇や南北朝動乱期の後光厳天皇の即位の際に、
継体天皇の即位が先例として引き合いに出されていたということを知りました。

当たり前と言えば当たり前ですが、現代だけでなく、それぞれの時代ですでに歴史が存在しており、
それを学びその時代にその知識を活用していたということを再認識した感じです。

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砂の女

文庫本の備忘録
第149回
砂の女
  安倍公房 著
  新潮文庫

今年の春、義理の叔母の1周忌の法事で実家に帰省した際、
その叔母の息子、つまりわたしの従弟と最近どんな本を読んだかという話題になり、
その時彼が
「安倍公房にハマっている。」
と言っていたのを聞き、干支で一回りも年下のいとこがそんな難しそうな本を読んでいるのかと
内心焦って、自分も代表的な作品くらいは読んでおかないと、と思って手に取った本。

そんな世界があり得るのだろうかと思えるほどのまさに砂の世界、
作者の想像の世界だとしても、よくこういう世界を想像できたものだと感心しました。

わたしは想像力に乏しいせいか、映画として映像化しているのなら見てみたいと思って検索し、
実際に昔映画化されているのを知ったのですが、実際にレンタル店などで探して観てみるかは
微妙です(笑)。

こんな世界に閉じ込められた男は悲惨だと思いますが、
男の心理状態の描写や女とのかみあわないような会話がときに笑えるほどおもしろく、
女の郷土愛という論理に基づいた思考回路も、それはそれで女の主張も理解できる気がして、
すいすいと読み進めました。

ただしハッピーエンドとは言い難い結末なので、読み終えたのちに爽快感を得ることは
ありませんでした。

今のわたしにとって安倍公房は、今度従弟と会ったときの話題のネタとして、
とりあえずこの1冊でいいかなという気がしています。

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悪名の棺 笹川良一伝

読書感想文 その他の読み物
第11回
悪名の棺 笹川良一伝
  工藤美代子 著
  幻冬舎

子どもの頃「戸締り用心、火の用心♪、一日一善!」のコマーシャルをよく見かけていましたが、
後にそのCMに出てくるおじいさんが笹川良一という名前であることを知り、
さらにその後に笹川良一というと政界や経済界のフィクサーというか黒幕というか、
そんな人だという漠然としたイメージを持つようになっていました。

A級戦犯(正しくは戦犯容疑で、その後起訴されずに釈放)として巣鴨拘置所に入獄した経緯や
その後どうやって黒幕と呼ばれるに至ったかを知りたくてこの本を手にしました。

もともとは商品の先物取引や株によって資産を大きくしたことを知り、とても刺激になりました。
この本を読んで、もっとも印象に残ったのはこの点です(笑)。


巣鴨釈放直後からの、受刑者やその家族に対する救援活動や、
さらに時代を経て、国際的なハンセン病撲滅のための運動など、
信念ともいうべき強い意志を持って笹川良一が精力的に取り組んでいたことを、知りました。

著者の主眼がこの本全体的に彼の知られざる(良い)面に向いている感じなので、
黒幕やフィクサーとしてどのように政財界にかかわったかという具体的な話はあまりなかったように
思います。
今回の本でわたしの笹川良一に対する興味は一応満足を得ましたが、
そういった面をもっと知りたいと思ったときはまた別の本に当たればいいかなと思いました。

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謎解きはディナーのあとで

読書感想文 その他の読み物
第10回
謎解きはディナーのあとで
  東川篤哉 著
  小学館

2011年本屋大賞第1位。
「お嬢様の目は節穴でございますか」の広告に引き寄せられて買った本。

令嬢の刑事、毒舌執事に御曹司の警部と、登場人物は現実離れしているし、
仕事を終え帰宅した令嬢から話を聞いただけで執事が事件を解決してしまうというのも
あり得ないという気がするのですが、
そういったキャラクターと軽快なテンポで進行する話の読み易さがいいです。

令嬢と執事の掛け合いもおもしろいです。

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