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相変わらず、タクシー業界は厳しい状況が続いております。休み明けの日曜日は、何とかかんとか27000円の売上げ。営業所の平均が19000円なので、まぁマシなほうです。
続く月曜日。ヒマに決まってますが、僕は余り月曜日が苦手じゃなくて結構売上げが良い時が多いのですが、この日ばかりは…。
4時半に出庫して3時間半が経過、つまり8時で2000円しかありません…。
ひどいっ、ひどいわぁ〜っ!
と悲しんでても仕方ないので、目を皿のようにして走ってます。府立体育館の前から26号線を北上すると左側でアベックが手を上げてますので、客に飢えてる僕は右からグイィ〜っと車を寄せます。先月このパターンで事故ってますので、当然充分注意してます。
しかし、こういう苦し紛れ、客に飢えた状態で無理にお客さんを捕まえるとロクな事がありません。乗ってきたのは
嫌やぁ〜っ、こんなん乗せるの嫌やぁ〜っ!
と思わず天を仰ぐような若いアベック。大体分かります、顔を見ただけで…(笑)。ひょっとしたらクスリやってるかも知れません…。街中で会ったら、あまり目を合わせたくないような…(笑)。女の方が
「カードいける?」
「いけますよ」
“おいおい、カードって偽造とか盗難とか、普通と違うやつちゃうんか…?”
「大国町行ってぇ〜」
と、男の方。ホラ、言わんこっちゃない、反対方向やし…。後ろで女が男に
「あんた、ウンコ臭いんちゃう?」
「ええっ、ウソっ?ウンコ臭いか…?」
“お前ら、一体どんな会話しとるんじゃ?”
タクシーに乗ってて、一番情けないのが、こういう客を乗せた時です。あ〜、涙出てくる…。で、着いた先は「質屋」(笑)。閉まってます。男が女に
「おい、閉まってるわ、西成行こか?おっちゃん、西成行って、太子の交差点」
「太子に…行くの?」
僕もメチャクチャ嫌そうに答えます。太子の交差点を過ぎたところの質屋。これまた閉まってます。女が
「質屋って閉まるの早いの?」
「イヤ、普通8時9時までやってるはずやけどな…。千日前にあんねん、俺知ってんねん」
という事で、あべの近鉄前を左折して谷9から千日前に向かいます。
「千日前のどの辺かな?ビックカメラの辺かな?」
と僕が聞くと
「ビックカメラの対面やねん、そっちに着けて欲しいねん」
「そっちに着けるって、それやったら御堂筋まで回らんとアカンがな」
「千日前で右曲がってくれたらエエがな」
「曲がられへん、曲がられへん、そんなん」
「ほんだら、グル〜っと回って」
“こいつら、ホンマにアホ違うか…?”
まぁ、メーターは上がっていくから言うとおりにしておきます。日本一を右折して道頓堀。男が
「あっ、ここや、ここでもいけるんやっ!」
と、道頓堀の角にあるブランド品の中古ばかり集めたショップ。男が
「ここで停まって!」
と言いますが、もうええ加減こんなアホに付き合っていられないので
「まだ続くんですか、この旅は?」
と言ってやると、ムスッとした男が
「それやったらええわ、支払いして、後で他のタクシー乗るわ」
「支払いはカードでしたね?じゃ、カードお願いします」
出されたカードを見ると、明らかに外国のカード。で、名前もどう見ても東南アジア系の名前です。例えば「ウンチャィなんとかかんとか」とか「シンサットなんとかかんとか」とか、そんな名前。男の顔を観ると、どう見ても馬鹿な日本人です(笑)。多分盗難カードか何かでしょう。多分質屋に持っていくのも盗品なのかも知れません。
「カードの認証取らしてもらいますよ」
と男に断わって、会社にカードが有効かどうか確認してみますと、OKとの事。ほぉ〜っ、OKですか…。ダメやったら面倒やけど面白かったんですが…(笑)カードを通して清算。明細にサインを貰います。
「じゃぁ、ここにサインくださいね」
男の方はバツが悪そうにカードの名前の処をジィ〜っと見ながら、多分どうサインするか考えてるんだと思いますが、何しろ「ジョン」とか「トーマス」とかよくある名前じゃありません。「ウンチャィ」とか「シンサット」とか、そんなんですから、サインできるわけがない(笑)。で、結局男が書いたサインを見ると、横棒と縦棒が交差した記号みたいなアミダくじみたいなサインでした(笑)
まぁ、盗難カードであれ何であれ、有効ですから、こちらに被害はございませんので何でも結構です。「貧すりゃ鈍する」とよく言いますが、まぁ苦し紛れにややこしい客を乗せるのは良くありません…が、この後なぜかお客さんがパタパタと続いてくれて、最後は道頓堀から堺の石津川まであって25000円で終了。8時で2000円だった事を思えば上出来です。ウンコ臭いアベックのお蔭でしょうか(笑)?
で、火曜日は久しぶりの雨。それでなくても飲み客が出てこないのに、この雨では多分深夜になると人影などないんじゃないか?という予想は大当たり。皆目人がいません。が、昨日のウンコ臭いの効果が持続してるのか、
「心斎橋〜西九条〜心斎橋」
「心斎橋〜大正永楽橋〜アビコ〜堺美原区」
などがあって2時過ぎで27000円。大急ぎでミナミに帰ってきますが、ミナミを3周しても客に当たりません。諦めて帰ろうかなぁ…と、府立体育館の辺りに車を停めてみると、すぐに男性がドアをコンコン。
「カードいける?」
「大丈夫ですよぉ」
「じゃ、南港まで」
今回は盗難カードとか心配後無用のお客さん。トンネル潜ってすぐの所で3700円。これで久しぶりに3万円越え。情けないけど、帰った時点では売上げは僕がトップでした。みんな苦しんでますが、いつになったら夜の街に人が戻ってくるんでしょうか?はぁ〜ぁ、疲れるぅ…。
話は変わりますが、車のカセットデッキが潰れたために、最近はFMラジオで淋しさを紛らわせてますが、ラジオを聴いてると、昔懐かしい曲によく出会います。で、本日のタイトル曲もその内の一曲。
「Paroles,Paroles」(甘い囁き)
今はどうしてるんでしょう?フランスの美男俳優アラン・ドロン。男前=アラン・ドロンという時代がありました。ダリダという女性の歌に挟まってアランドロンの甘いささやきがフューチャーされたこの曲。軽いボサノバタッチの美しい曲ですが、久しぶりに聴かせてもらいました。ラジオのお蔭です。
♪パロォ〜レ、パロレ、パロォ〜レ〜♪
いくら男が甘い言葉を囁いても、結局
「あんた口ばっかりやんかぁ〜」
という事なんですねぇ〜。まぁ「口ばっかり」でも「ウンコ臭い」よりマシですか…(笑)
ついでですから、この曲を日本人がカヴァーしたものが…
「甘い囁き」細川俊之&中村晃子
アランドロンに較べるとねぇ…「どうよぉ〜?」って感じですか?
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