ポムディチャンの上から目線

日本よりカレーが好きな印度人、ティトゥカンによる映画、TVへのコメント集

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「The Cove」を観た

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文章の最後に私の独断でこの映画の点数をつけたいと思います。
 
先日NHKの「クジラと生きる」というドキュメンタリーで和歌山県太地町でのシーシェパードをはじめとした、反捕鯨団体が合法的に漁をするイルカ漁師たちに一方的に犯罪まがいの嫌がらせをする模様を観て以来、この問題に初めて関心を持って、数年前に話題になった「THE COVE」を観てみた。
 
いやー、映画を見ながら、もっとブチギレると思っていたのだが、観ながら眠くなった。別な意味で期待していた半面、非常に残念な映画だった。

この映画、あまりにも幼稚すぎる!幼稚というのは、露骨なプロパガンダとかジャパンバッシングの映画だとか、そうゆうことではない。
 
高校の小論文クラスで先生が言いそうなこと、つまり高校生レベルの話をここでする。
 
大前提として、論理的(説得力のある話、発言、主張、文章)=A結論+B理由+C理由を裏付ける根拠、データである。
 
ABCが一体になっておらず、いずれかの要素が欠けているその人の話というのは、どこか胡散臭く、幼稚な印象を受ける。つまり、主張、メッセージはABCが複合的に合わさってこそ論理的で他者に伝えるべきものとなるのだ。例外として、想田和弘監督の「選挙」やニコラウス・ゲイハルター監督の「いのちの食べ方」といったタイプのある様相を記録することが主たる目的の映画ならともかく、この映画のようなちゃんとしたメッセージのある映画ではこの点を落としてはならない。
 
 
しかし、この映画の場合
 
A(結論):太地町のイルカ漁はあくどい。それを中止しない政府もあくどい。
 
B(理由):なぜなら、イルカは言葉こそ持たないが人間とコミュニケーションをとれるほどヒューマニックな動物だから殺すべきではない。
 
C:(理由を裏付ける根拠、データ):イルカ調教師のリック・オリバーの証言「イルカは俺の胸の中で、自殺をしたんだ。彼女は我々の手によってストレスを抱えていた」ダイバーのイザベルの証言「ダイビングをしていて、イルカに出会った。私とイルカは通じあったの」サーファーのサイモンの証言「サーフィンしていたら、サメが襲ってきた。けれど周りにいたイルカたちが俺を救ってくれたんだ」

え!?証言だけかよ!!!!クレディブルなデータも、その分野のオーソリティの研究内容も一切なし!
 
そして次の展開

A(結論):太地町のイルカ漁はあくどい。それを中止しない政府もあくどい。
 
B(理由):B1、イルカの体内に蓄積された水銀量がハンパない。B2それが日本全国に流通しているのはヤバイ。
 
C(理由を裏付ける根拠、データ):B1について、大学名も研究所名も出てこない、どこの誰だかわからない大学教授が出てきて、どこで捕ったか、何匹分のイルカかよくわからないサンプルから「2000ppmも水銀が検出されました」と言う画。2000ppmは多いのか少ないのか?B2について、大地町のクジラ記念館で売られているクジラを手に取るスタッフの画と大勢の人が行き交う東京築地市場の画。

おいおい、築地のその画は明らかに冷凍マグロだろ・・・。マグロとイルカの違いもわからんのか・・・・。仮にその冷凍マグロがイルカだったとしても、この画だけじゃ何匹日本に出回ってるかわかりません。
 
2つの例を挙げたけど、もう、終始こんな調子で、他にもツッコミどころがありすぎて、それが全体として恐ろしいほどの幼稚さを醸し出していて、結果眠くなった(笑)。センチメンタルに流れやすい傾向にある、マイケル・ムーアやモーガン・スパーロックの映画でさえ、Cの部分はちゃんとしたデータを引っ張ってくるのに。
 
だから、かわいいイルカちゃんを守れ!としか思えないこの映画の後半のクライマックスの部分、つまり、いい歳した大人たちがいろんな最新鋭の機材を使って作戦を練って漁師たちの「悪行」を撮るために切磋琢磨しているシーンは、大人の仕事を邪魔するガキの茶番にしか見えなかった。
 
どこが「ミッションインポッシブルのようなスリルを味わえる映画byタイム誌」だ。これじゃ、ミッションインポテンツだ。
 
映画の一番最後あたりで、隠し撮りした映像を水産庁の担当者に「ほれ、お前たちがやっている絶対悪の証拠をここに収めたぜ」と自信満々にデジカメを見せて、その担当者の表情が曇るシーンがあって、この映画の文脈的には、詭弁を弄し続けてきた日本政府代表を窮地に追いやった、みたいなワンシーンなのだが、この担当者は一言こう尋ねる。
 
「when and where did you take this picture?」
 
なんだか私はこの映画を製作したスタッフたちの姿勢、言い換えれば、映画のCの部分の曖昧さを指摘したような象徴的なセリフに思えた。
 
この映画の肯定派だった多数の著名人や識者が、「内容は偏ってるけど、言いたいことがよく伝わってきた」みたいなことを言っているけど、いやいや、これだけ論理が破たんしているのに、この映画から何が伝わってくるんだよ!
 
おそらく、こうゆう映画を支持する人たちってのは、証拠に不備がありまくる、従軍慰安婦問題やら南京大虐殺なんかをモロに信じて、中国・朝鮮人に対して卑屈になるんだろうな。あーくだらね。
 
しかしながら、反捕鯨の人たちの主張と行動の幼稚さが浮き彫りになった映画としては素晴らしいので、その点を大評価して、
 
2点!!(100点満点中)
 

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