全体表示

[ リスト ]

早朝に集合。軍艦島への渡船をめざし、長崎港と市内から40分ほど離れた小さな漁港への2班に分かれる。漁港に到着したのは、読売新聞の記者とカメラマンを含む10人あまり。快晴の中さっそく乗船し、端島を目指す。30分余り穏やかな海を進むと、遠くに軍艦が接近してきた。聞きしに勝る!まさに軍艦。
 
その後船から島へと上陸、島を取り囲む5mはあろうかと思われる防波堤の切れ目にある畳5畳分はある強硬な鋼鉄扉をギシギシと開けてと・・・・・。(扉は開くんトちゃうのかい!)いやいや、その横にあるウオークキャットのような細い鉄梯子をよじ登って島の内部へ。そうか、この地は今、立ち入り禁止地域なのだ。
 
上陸後、長崎港発の他のメンバーと合流し、長崎市役所の職員からヘルメットと注意事項を聞く。(当時は、まれに観光客を、私たちが上陸したのと異なる安全な場所から上陸させており、その観光客の安全見学ルートとは全く違う裏舞台の危険ルートを見学する。よって、途中、一般見学者の目に触れないよう最大限の隠密行動(要するに隠れろ!)を取るようにとの厳命を受けた)
 
まずS氏の案内で、地上5階建の島唯一の小学校に入る。階段や壁面が剥がれ落ち、躯体は朽ち果ててはいるものの通行には何とかなりそう。教室・講堂などをのぞいた後、職員室へ・・・。
机・椅子・書棚・湯沸かし室・・・・、窓からは遠く本土も。ふと窓際の書庫をのぞくと沢山の書類に混ざって出勤簿が立てかけてある。経年劣化はしているものの、通常のどこにでもある職員室の景色・風情がそこにある。しかしそこにいるはずの人々が突然神隠しにあい、忽然と姿を隠したような。すでに1974年の離島後40年を経ても今すぐに”授業再開!”と叫ぶことができそう、なんとも不思議な情景がそこにある。
S氏にこの疑問を問うと、「廃坑になったことで、会社(三菱)から退去指令が出て、とりあえずの手持ちのモノ以外持ち出すすべもなく、大急ぎで全員船に乗った」「持ち出しは最低限に限られ、生徒の通知簿すら残された」と、当時の社命で否応なく対処した緊迫した情景が浮かび上がった。
その後、沢山の居住棟も見学したが、当時は貴重品であったはずのテレビや家具、鍋・釜の他、ランドセルまでもそこに佇んでいた。もう一度書くが、そこに人間さえいれば、すぐにでも生活できるのでは・・・と感じるほどの生活感が残っている情景に、うすら寒いような、今どこにいるのかも忘れてしまいそうな錯覚の非現実的感覚に。
 イメージ 1
島のほとんどの建物はコンクリート製。コンクリートの40年という耐用年数、また潮風や、時には防波堤を乗り越え高層階にも襲い掛かったという幾多の台風などの打ち寄せる荒波や風雨にさらされ、耐用基準をはるかに超えた高層住宅を回った。一息ついた広場で建物の壁面に身体を預けていると、「危ない!上の壁面がはがれて落ちてくるから壁面から離れてください」の声が。そういえば、どこの建物も通路も、はがれ落ちたコンクリート塊がゴロゴロ。倒壊の恐れのある高層建物まである。まさにコンクリートで創造された現代社会の数十年後の未来の姿。島に残された全ての構築物が、摂理に従い、自然界に破壊されてしまった現代文明のはかなさ・脆弱(ぜいじゃく)さをかいま観た。アルマゲドンが地球に落ちれば、世界中すべての人類が消滅し、この端島のような景色に一変するのだろうか・・・・・・そんな残影が心の中を通りすぎた。
コンクリート万能に異を唱えるため、多くの土木関係者や建築家がこの島で研究を重ねているそうである。嬉しい絶好の好機なのか、はたまた悲しむべき悔しい事例なのか・・・・・。
 
最後に、端島で一番高い場所、端島神社へ登った。もうご神体は本土へ移設されてお社の外装だけがその場所に鎮座していた。このお社へ、いったい何千、いや万という住民の人々が集い、願をかけ、心のよりどころにしていたのだろうかと想いをめぐらせた。
 
3時間以上だろうか、端島の端から端まで隠密部隊のように探索。他の訪問者は建物など目線を上ばかりに見上げる中、あちらこちらで「あった、あった。見つけた、見つけた!」と下ばかり見て叫ぶ私。
「さすがにレンガトンネルの関係者ですね、レンガの刻印ばかり探している」と。そうなのです。レンガを見つけるとどうしてもそこにあるべき刻印ばかりに目が行ってしまうのです。三菱マークの刻印を見つけました。
 
 
 
 
 

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事