全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全75ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

居宅介護支援事業所業務マニュアル 11


 
4. サービスの暫定利用
介護保険のサービスを利用するには、要介護認定を受けなければなりません。しかし要介護認定の結果は、申請から一ヶ月前後かかります。急に介護サービスが必要になったとき、誰もが結果が出るまで何もしないで待てるわけではありません。そこで、要介護認定の結果を待たずにサービスを受けることが出来ます。これをサービスの暫定利用といいます。
介護サービスは、要介護認定の申請日から利用することが出来ます。つまり、申請さえ受理されれば、その日からサービスを開始して構わないということです。しかし暫定利用には当然リスクがあります。もし暫定利用して結果が非該当(自立認定)だったら、利用者が支払う代金は大変高額になってしまいます(そもそも介護保険外の料金設定が無い事業所もありますので、非該当だった場合は事業所にも迷惑をかけることになります)。また、非該当でなくても、思っていたより要介護認定が低かったら、限度額超過の危険性もあります。ですから暫定利用は慎重に行わなければなりません。特に以下のようなことに注意しましょう。
        非該当判定が出る可能性がある場合は暫定利用をしない
これは当たり前かもしれませんが、これまでの経験や認定調査の流れから、非該当になる可能性があると判断したら、利用者が介護保険サービスの暫定利用を希望しても、出来るだけ代替案を検討しましょう。
        要支援の利用枠を基準にプランニングする
暫定利用をする上で介護支援専門員に求められるのは、認定結果の予測です。しかし認定調査に同席して、ある程度一次判定の結果を予想できても、二次判定の結果まではなかなか予想できません。特に介護状態が重度で無い場合は、要支援なのか要介護なのかが分かりません。それならば最初から要支援を見越して計画を立てたほうが無難です。具体的には、訪問介護は週に2回もしくは3回まで、通所は週に2回までとしておけば、大きく外れることはないでしょう。
        暫定利用の危険性を十分に説明しておく
いかに予想しても、認定結果はその通りになるとは限りません。思いのほか軽度になるということもあります。暫定利用をする場合は、もし結果が予想に反していたときに利用者が背負うリスクを承知の上で臨まなければならないのです。
以上のことから考えて、暫定利用は極力控えるほうが良いということは分かると思います。利用者が被るリスクを考慮すれば、介護支援専門員が暫定利用に至る根拠は相当のものでなければなりません。あくまで「緊急手段」であることを忘れないようにしましょう。また、暫定利用であっても計画書や利用票は作成しなければなりませんので、利用票は要介護度は空欄にして、別表を添付せずに作成しましょう。計画書は予防のものを使っても介護のものを使っても構いませんが、作成にかかる時間は予防の計画のほうがかかると思われますので、暫定の計画書は要介護者用を使用すると良いでしょう。
 
5. 要介護認定申請の取り下げ
要介護認定を申請したものの、その申請を取り下げなくてはならない場合があります。入院中で長期に渡って病状が安定しない場合、医師が要介護認定の必要性を認めない場合、申請中に利用者が死亡した場合などです。このような場合、何もしなくてもいいわけではなく、書面でその申請を取り下げる必要があります。「要介護・要支援認定申請の取下げ書」に必要事項と本人もしくは代理人の署名と捺印を行い、保険者に提出してください。

閉じる コメント(1) ※投稿されたコメントはブログ開設者の承認後に公開されます。

閉じる トラックバック(0) ※トラックバックはブログ開設者の承認後に公開されます。

居宅介護支援事業所業務マニュアル 10



2. 居宅介護支援事業所の変更
居宅介護支援事業所が途中で変更になるという場合も少なからずあるでしょう。月初めから変更になる場合は問題ないのですが、途中で変更になる場合には特別な取り扱いになります。原則的には、月末の時点で担当している居宅介護支援事業所が給付管理を行なうことになります。ということは、月の途中まで担当していた居宅介護支援事業所があったとしても、その事業所は居宅介護支援費を請求出来ないということになります。区分変更で要支援から要介護になった場合は、担当が包括支援センターから居宅介護支援事業所に変更になりますから、この場合は予防給付と合わせて、居宅介護支援事業所が給付管理を行なうことになり、予防居宅介護支援費は発生せず、居宅介護支援費のみが発生することになるのです。
これの例外が、月の途中で居宅介護支援事業所から小規模多機能型居宅介護事業所に変更になった場合です。この場合は、小規模多機能型居宅介護事業所が給付管理を行なうのではなく、直前まで担当していた居宅介護支援事業所が、小規模多機能型居宅介護費と合わせて給付管理を行なうことになります。なぜこのような取り扱いになるのでしょうか。小規模多機能型居宅介護事業所には、居宅介護支援費が存在しません。ですから、小規模多機能型居宅介護事業所が給付管理を行なった場合は、その月はどこにも居宅介護支援費が発生しないことになってしまいます。居宅介護支援が行われた場合は、居宅介護支援費が支給されるという前提に従い、この取り扱いとなっています。前者との取り扱いの違いに注意してください。
 
3. ケアプランの自己作成
居宅介護支援を行うにあたって、まず必要なことは、「居宅サービス計画作成依頼」を保険者に提出することです。つまり、担当となる居宅介護支援事業所を登録することです。これが月末までに行われない場合は、たとえ実際に介護支援専門員が利用者に関わって居宅介護支援を実施したとしても、その事業所に居宅介護支援費は発生しません。それだけではなく、居宅介護サービス計画を作成しないまま支援を行ったということになり、利用者に付与されている現物給付の権利が適用されません。つまり利用者は介護サービスにかかった費用全てを事業者に支払い、その9割の還付を保険者から受けるという手続きを取らなければならなくなります。ですから、Ⅰ−2で述べた通り、この手続きは絶対に忘れてはいけません。
しかし、もしうっかりして手続きをしなかった場合、あるいは居宅介護支援事業所を登録しないまま暫定利用していた場合など、様々なケースで居宅介護支援費が発生しない場合があります。そんなときはどうしたら良いのでしょうか。居宅介護支援事業所を登録しないまま居宅介護支援を行った場合、居宅介護支援費は何をやっても発生しません。それは仕方のないことです。しかし利用者負担が増えることだけは避けなければなりません。そのために「ケアプランの自己作成」があります。
そもそも、ケアプランというものは利用者やその家族が作成するということが介護保険制度の前提であることを多くの方が知りません。ケアプランの作成という専門性や事業所との連絡調整などの煩わしさを解消するために「介護支援専門員」が誕生したのです。この原則に立ち返れば、居宅介護支援事業所がいない(登録していない)ならば、「自己作成」を行うということになります。
もちろん、自己作成といっても、高齢者やその家族が居宅サービス計画書を作るということは現実的には難しいことです。ですから、居宅介護支援費の発生はなくとも、その計画書は介護支援専門員が作成し、「あくまで本人が作成したもの」として保険者に提出することになるでしょう。では作成の手順を説明します。
  居宅サービス計画を作成する
通常通り、計画書を作成します。何も通常の書式と変更はありません。ただ一箇所だけ違うのは、作成者として、居宅介護支援事業所名や介護支援専門員名を記述してはならないということです。本人が作成したという設定ですから。当然に署名も捺印も必要ありません。
  サービス利用票を作成する
こちらも通常の利用票で構いません。あらかじめ利用票(予定分)を保険者に提出しておいて、翌月に実績を再度提出することになりますが、実務的にはこの手間を省くために、予定は提出せずに、前月分の実績を保険者に提出する形を取っています。予定は必ずしも提出しなければならないものではありません。これも計画書と同様に、居宅介護支援事業所名や介護支援専門員名を記述してはいけません。受理されると利用票の保険者確認欄に押印されます。利用票の保険者確認欄はこのために存在するのです。
  支援経過記録を作成する
その月の支援経過記録を作成して提出します。特に注意すべきことはありませんので通常通りの支援経過記録で構いません。本人目線で作成しなくとも、これに限っては介護支援専門員の名前で記録して構いません。
以上で完了です。毎月保険者に提出するという点で煩わしさはありますが、手続きそのものはそこまで難解なものではありません。

閉じる コメント(0)

閉じる トラックバック(0)

居宅介護支援事業所業務マニュアル 9


Ⅴ 例外的な取扱い
1. 要介護認定区分の変更
要介護認定の期間は6ヶ月〜24ヶ月と様々ですが、その期間内に大きな変化が生じる可能性が高いのも、高齢者支援の特徴です。例えば要介護1で期間が12ヶ月となっている利用者が、急病や骨折などによって著しく状態が変容し、それが今後も継続すると思われる場合、次の更新まで要介護1のサービスで賄えるとは限りません。このような場合、たとえ要介護認定期間の途中であったとしても、その区分を変更することを申し出ることが出来ます。
  申請の方法
まずはその方が要介護であっても要支援であっても、まずは介護保険課の許可を取りましょう。なぜ区分の変更が必要になったのか、それをあらかじめ説明して承諾を得ていなければ、申請書を提出することは出来ません。保険者から区分変更の許可を頂いたら、書類に署名をもらって提出するのですが、要介護者と要支援者で提出する書類は異なります。要介護者の場合は「介護保険証」「代行申請者一覧表」「要介護(要支援)認定区分変更申請書」が必要です。要支援者の場合は「介護保険証」「代行申請者一覧表」「要介護(要支援)認定更新申請書」が必要です。要するに要介護者の場合は区分変更のための申請書が必要で、要支援者の場合は通常の更新書類で構わないということです。この取扱いはよく間違えますので気をつけてください。
  認定後の取扱い
更新の場合と違って、区分の変更は申請した日に遡って有効となります。したがって、以前の要介護度と変わった場合には通常と違う手続きが必要です。例として、その月の15日に要介護1から要介護3に区分が変更となった場合を挙げます。この場合は1日から14日までは要介護1、15日から末日までは要介護3として取扱いますので、単位もそれぞれの要介護度に合わせたものになります。区分支給限度基準額は重い方、つまり要介護3の方を適用することになります。これは、要介護認定が軽度になった場合でも同じです。あまり無い例でしょうが区分変更の結果要介護3から要介護1に変化した場合は、限度額は要介護3のものを適用するということになります。
では要支援から要介護に変わった場合はどうでしょう。この場合はいくつか注意点があります。限度額は重い方を適用で、変更日の前後で単位を変えるという点は同じです。ただし要支援の場合は単価が一ヶ月単位のものが多いですから、その場合は日割りでの取り扱いとなるのです。先ほどの例と同様に15日で変更だった場合、1日から14日までが要支援の日割り単価、15日から末日までが要介護での単価となります。
  請求上の注意
区分の変更も、通常の更新や新規申請と同様、結果が出るまでに約一ヶ月かかります。区分が変われば請求するサービスコードや金額が変わります。ですから区分変更をするときには、必ず関係事業所に連絡を入れておき、翌月の請求を見送るよう伝えておかなければなりません。これは居宅介護支援事業所にも言えることで、区分変更の結果が出るまでは、該当月の請求をかけてはいけません。要支援者の場合は給付管理を包括支援センターが行なうわけですから、担当の包括支援センターにも忘れずに連絡しましょう。区分変更の結果、要支援から要介護になった場合、その月の給付管理を行なうのは居宅介護支援事業所になります。これは、後述する「居宅介護支援事業所が途中で変更になった場合」の取り扱いに準じます。
  みなし更新
区分の変更を申し出たが結果は前と同じであった、という場合も少なくありません。この場合は「変更」ではなく「区分変更却下」という取り扱いになっていますので、通常の有効期限まで以前の要介護度が適用されます。申請日から新たに期限が設けられるのではありません。また、有効期限の前月の初日以降(通常の要介護認定更新期間)の区分変更申請の結果、以前と同じ要介護度となった場合は、みなし更新となり、そもそも区分変更は行われずに通常の更新手続が行われたものとみなします。つまり、新たに更新の申請や認定調査を経ずとも、有効期限満了後、有効期限だけが更新されます。区分変更の場合は新しい要介護度の有効期限が6ヶ月となりますが、このみなし更新の場合は、以前と同様の更新とみなされますので、12ヶ月以上の有効期限が付されることになります。

閉じる コメント(0)

閉じる トラックバック(0)

居宅介護支援事業所業務マニュアル 8

ご利用上の注意↓

Ⅳ 特殊な介護保険給付

介護保険サービスは、通所介護や訪問介護などのように、利用するごとに単価が発生し、毎月1日から月末までの単価を合計して、「区分支給限度基準額」の範囲内で給付を行なうものがほとんどですが、そうではないものがあります。ここでは、通常の介護保険サービスとは取り扱いが異なるものについて説明します。

1.     居宅介護支援費

前項で説明した居宅介護支援費は、介護保険の大原則である「一割負担」の適用を受けません。保険者が10割を負担する唯一のサービスです。ですから、利用者に対し介護支援専門員が支援を行うことによって、一切の費用は発生していないわけではなく、発生はしているが一切の負担は無い、という解釈になります。保険料の滞納などによってこれらの負担が発生する場合もありますが、稀なケースです。当然、「区分支給限度基準額」も適用されません。

 

2.     居宅療養管理指導

医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士が利用者の居宅において必要な助言や指導を行なった際に算定されます。単価が存在し、利用者は一割負担であるという点においては他のサービス同様ですが、「区分支給限度基準額」の中に含まれていません。つまり、他のサービスで限度額ギリギリだったとしても、居宅療養管理指導費はそれとは別に算定出来ます。ただし、居宅療養管理指導費そのものには毎月限度が決められています。

支給限度額管理を行なわないということは、利用票などにもその記入がなされることはなく、したがって、厳密にはケアプランとの関係性は希薄です。居宅介護サービス計画に位置づけられているか否かに関わらず、医師等と利用者との合意によって導入されていきます。

 

3.     福祉用具貸与

福祉用具貸与は、区分支給限度基準額の中に含まれます。しかし、福祉用具ごとの単価というものが明確ではありません。様々な商品が存在するため、制度側で単価を決めることが難しく、また、業者によっても異なるというのが実態です。ですから、導入時には必ず単価を業者と確認する必要があります。また、単価は月毎の算定なので、1日いくら、という取決めではありません。したがって1日利用しただけで1ヶ月分の単価を算定することもできます。実際には半月単位にして、利用が15日未満なら通常の単価の半額という設定のところもあるようですが、それも結局サービスコードでは同じものになるので、介護支援専門員としてはその都度、サービスコードを変更するのではなく、単価そのものを変更していくという形を取っています。

貸与できる品目は「特殊寝台」「特殊寝台付属品」「床ずれ防止用具」「体位変換器」「車椅子」「車椅子付属品」「スロープ」「移動用リフト」「手すり」「歩行器」「歩行補助杖」「徘徊感知器」に限られています。また、「特殊寝台」「車椅子」は要支援1、要支援2、要介護1の利用者が利用することが原則的には出来ません。車椅子の場合は、主治医の意見を文書で確認し、福祉用具業者、本人と担当者会議を開催し、その必要性を記録した上で保管することが求められます。特殊寝台の場合は同様に主治医の意見と担当者会議録を整備し、保険者に呈示し、許可をもらわなければ貸与できません。この「軽度者への貸与」に関しては、保険者の許可が必要かどうかという大きな違いがありますが、いずれにしても、要介護認定を更新する都度、この作業が必要であることを忘れないで下さい。

 

4.     福祉用具購入

福祉用具の中には、直接肌が触れ、汚れる可能性が高いもので、また再利用が難しいものとして、貸与の性質に合わないものがあります。そこで、「腰掛便座」「特殊尿器」「入浴補助用具」「簡易浴槽」「リフトの吊り具」を購入の対象とし、その費用を介護保険で補助する形を取っています。1ヶ月ごとの区分支給限度基準額の適用を受けず、年間(4月1日〜3月31日)で10万円を支給限度としています。この間に、同種類の商品を2品目以上購入することは認められませんが、期間が変われば同種類の商品を購入できます。

購入の際は、まず保険者に「事前確認」を行います(市町村によっては不要な場合もあります)。「福祉用具購入事前確認票」「購入する福祉用具カタログの表紙及び掲載ページのコピー」「見積書のコピー」を市役所介護保険課にFAXし、許可の電話を受けてから購入します。利用者は商品の代金を全額支払い、その「領収証の原紙」「購入した福祉用具カタログの表紙及び掲載ページのコピー」「見積書のコピー」「福祉用具購入費支給申請書」を介護保険課に提出します。その後利用者の指定した口座に商品代金の9割が振り込まれる償還払い制度です。1割の現物給付ではないという点でも他のサービスとは異なります。なお、事前確認後の保険者とのやり取りは、福祉用具業者が行なう場合もあります。また、償還払いの場合、どうしても最初の支払いが高額になるため、経済的に余裕の無い利用者の場合は購入が難しい場合もあります。その場合は1割負担の現物給付を行なう方法がありますが、詳細は後述する「生活保護制度と介護保険」の章を参照してください。

 

5.     住宅改修

介護保険では、在宅生活をするにあたって必要な住宅環境整備にかかる工事費の補助を行ないます。改修費支給の対象となる工事は「手すりの取り付け」「段差の解消」「滑り防止のための床面変更」「引き戸等への扉の取替え」「洋式便器等への便器の取替え」及び、それらに付帯する工事、となっています。1ヶ月ごとの区分支給限度基準額の適用を受けず、住所地ごとに20万円を支給限度としています。住所地を離れ、たとえば家族宅などに同居している場合は住宅改修を行うことは出来ません。また、20万円の支給限度は、要介護認定が3段階以上(例:要介護1→要介護4)悪化したときには、すでに利用済であっても再度20万円に戻ります。また、転居した場合も20万円に戻りますが、いずれの場合も1回のみリセットで、2度目はありません。

利用者から住宅改修の依頼を受けた介護支援専門員は、「住宅改修の理由書」を作成します。そして、施工業者から、「施工箇所の写真」「平面図」「材料のカタログ(市販品の場合)」「工事見積書」を受け取り、介護保険課にて事前相談を行ないます。この事前相談は、利用者、家族、介護支援専門員のいずれかが行なうとされていますが、現実には専門性が高いため、住宅改修業者が代行することが多く、介護支援専門員は実務的には「住宅改修の理由書」を作成するだけで済むことが多くなっています。

事前相談で改修の許可が下りたら改修を開始し、利用者は業者に改修費の全額を支払います。その「領収証のコピー」「住宅改修費支給申請書」「施工箇所の写真(改修後のもの)」「明細書」を介護保険課に提出します(この行程も業者が代行しています)。そして後に利用者の指定した口座に費用の9割が振り込まれる償還払い方式となっています。なお、福祉用具購入と同様に、全額の支払いが難しい場合は、1割負担の現物給付を行なう方法がありますが、詳細は後述する「生活保護制度と介護保険」の章を参照してください。

閉じる コメント(0)

閉じる トラックバック(0)

居宅介護支援事業所業務マニュアル 7

ご利用上の注意↓

Ⅲ 居宅介護支援費

1.        居宅介護支援費

居宅介護支援費は、利用者が介護保険サービスを1つの月のうち一度でも利用した場合に発生します。例え通所介護1日の利用しか無くても、居宅介護支援費は発生し、日割などになったりはしません。逆に言えば、その月の中で何の介護保険サービスも利用しなかった場合は、どれほど訪問しても連絡しても、一切の居宅介護支援費は発生しません。後述する様々な加算は、すべてこの居宅介護支援費に付随するものですから、居宅介護支援費が発生しなければ、すべての加算も算定できないという構造になっています。Ⅰ-1で述べたように利用者数が制限である39名を越えなければ、要介護1・要介護210,000円、要介護3・要介護4・要介護513,000円です。

要介護者の担当数が35名を越えた場合、要支援者の担当数が8に達していなくても減算になります。40名以上という規定はあくまで予防支援の受託数8名分を含むので、要介護者だけで35名を越えることは認められません。

では要介護者35名、要支援者9名を担当した場合の算定はどうなるかというと、この場合は要支援者を計算の冒頭に持ってくるという考え方であるため、トータル39.5名となり、減算の対象となります。39.5名は40名以上とみなします。

故に、要支援者が9名以上で、要介護者と合わせて39名を越えない範囲に関しては、厳密には減算の規定がなく、要支援者8名枠を超えた場合の罰則が存在しないこととなります。減算で無い以上、返戻という罰則は大きすぎるため、現実にはまだ対応策が無いのかもしれませんが、少なくとも指導の対象となることは間違いありません。

 

2.        初回加算

文字通り、初めて居宅介護支援費が発生するときに算定します。しかし、2ヶ月間サービスの利用が無かった場合、サービスの再開時には再度初期加算を算定できるものとされています。要介護認定が2段階以上変化した場合にも算定できます。また、後述する退院・退所加算との選択算定も可能です。例えば、病院を退院して、初めてサービスを利用する場合や、サービスを利用していたが2ヵ月以上入院してから再開する場合、初期加算を算定できますが、初期加算の代わりに退院時連携加算を算定することが出来ます。通常は退院・退所加算の方が単価が高いため、こういったケースでは初回加算を算定しないのが通例です。初回加算と退院・退所加算を重複して算定することは出来ません。

 

3.        医療連携加算

病院又は診療所に入院する利用者について、当該病院又は診療所の職員に対して、利用者に関する必要な情報を7日以内に提供した場合に算定できます。どのような提供方法を取るかは定められていません。基本情報をまとめて交付しても、既存のフェースシートやアセスメントシートを交付しても構いませんが、電話連絡等のみで算定することは認められません。個人情報の提供にあたるので、事前の許可も必要ですが、入院にまったく必要のないと思われる情報まで提供する必要はありません。算定時には支援経過記録に算定の有無を記録してください。

 

4.        退院・退所加算

退院又は退所に当たって、病院等の職員と面談を行い、利用者に関する必要な情報提供を求め、その他の連携を行った場合に算定できます。様式は特に定められていませんが、例として公開されている様式でも問題ありません。その様式自体は非常にシンプルなものなので、内容を考えると、看護要約書の提供を求めるだけで足りると判断できます。入院・入所期間が30日以下か、30日を超えるかによって単価が異なります。算定時には支援経過記録に算定の有無を記録してください。同一月に1回のみ算定可で、初回加算との選択算定が出来ますが、併用は出来ません。

 

5.        独居高齢者加算

独居の利用者に対して、居宅介護支援を行った場合に算定出来ます。算定のための根拠となる独居状態の確認は、原則住民票の確認及び保管によるものとされていて、その発行にかかる手数料は事業所が負担するものとされています。ですから、住民票の発行を利用者もしくは家族に依頼した場合は領収書等と引換えにその手数料を支払わなければなりません。やむを得ず介護支援専門員が発行手続を行なう場合は、「代理権授与通知」に必要事項を記入してもらい、市役所もしくは支所にて手続を行ないます。「代理権授与通知」に記入する介護支援専門員の住所等は、事業所等の住所ではなく、実際に居住する住所地のものでなければならないため、利用者に住所地を知られる懸念もありますので注意が必要です。

また、利用者や家族が住民票の発行を拒んだ場合や、住民票上では独居であることが確認出来ない場合(たとえば住民票では子どもと同居となっているが、実際には子どもは遠くへ引っ越している場合や、妻と同居となっているが長期入院中、入所中である場合等)は、アセスメントによる算定が可能とされています。実務上は、支援経過記録に独居であることの根拠や状況を記入し、「独居高齢者加算算定の有無」を記録することで算定します。また、この場合は支援経過記録に毎月必ず独居の確認を行なったことを記入するとされています。「高齢者」という言葉が含まれますが、65歳未満の2号被保険者においても算定可能です。また、極めて近隣に家族が居住しているケースでは、あくまで独居高齢者加算の算定の根拠となる独居状態が「寝食を共にし、日常的に利用者の状態を把握するものがいないこと」であることから、算定の除外とする根拠にあたらず、算定をすることに問題はありませんが、同一敷地である場合の算定は不可とされます。独居高齢者加算は、居宅介護サービス計画書(第一表)に、算定の旨記入することとされています。

 

6.        認知症加算

「認知症高齢者の日常生活自立度」が以上の利用者に対し、居宅介護支援を行った場合に算定出来ます。判定の基準となる認知症高齢者の日常生活自立度は「主治医の意見書」によるものとされ、認定調査によるものが「Ⅲ」以上であっても、主治医の意見が「Ⅲ」に満たない場合は算定出来ないものとされています。状態と明らかに合わない結果である場合は主治医に意見を求め、改めて「Ⅲ」以上相当である旨の証明を何らかの書面(診療情報提供書、サービス担当者への照会等)で確認出来れば算定できます。認定期間の途中で状態が変わり算定の必要があるときもこの方法で算定可能です。また、主治医が意見書を非公開としている場合は、認定調査書による結果を判定の根拠として良いとされていますが、医師の意見がすべてにおいて優先であると考えて間違いありません。よって、医師の意見が明らかに事実と異なると判断しても、それを理由に認定調査の結果を優先して算定することは認められません。

算定の際は、居宅介護サービス計画書にその旨記入し、判断の根拠となる意見書の確認日や医師の名前も合わせて記入してください。

 

7.        小規模多機能型居宅介護事業所連携加算

居宅介護支援を行っていた利用者が、小規模多機能型居宅介護の利用を開始する際に、利用者に係る情報を小規模多機能型居宅介護事業所(以下小規模多機能)に提供した場合に算定出来ます。月を跨いで小規模多機能に移行した場合は、最後の居宅介護支援を実施した月に算定出来ますが、間に居宅介護支援を実施していない月がある場合は算定出来ません。例えば、1月に居宅介護支援を実施し、2月から小規模多機能を利用することが確定している場合は、利用自体が2月の中途であっても、1月の居宅介護支援費に加算することが出来ます。しかし同ケースにおいて3月まで小規模多機能を利用しない場合は1月の算定は不可となります。同様に、例えば1月は入院していて居宅介護支援費が発生せず、そのまま2月に小規模多機能を利用することが決定した場合でも、12月の居宅介護支援費に遡って加算して修正することは認められません。また、1月に居宅介護支援を実施し、2月から小規模多機能を利用することを前提に1月分に加算したとしても、結果として2月に小規模多機能を利用出来なかった場合は、過誤請求となり返戻となります。さらに、利用開始日前6ケ月以内に、利用者が対象となる小規模多機能を利用し、加算を算定している場合は、算定できません。

 

8.        特定事業所加算

以下の要件のうち定められたものを満たす事業所が算定出来ます

    主任介護支援専門員を配置している

    常勤かつ専従の介護支援専門員を3名以上配置している

    利用者に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的とした会議を定期的に開催している

    算定日が属する月の利用者の総数のうち、要介護35である者の割合が5割以上である

    24時間連絡体制を確保し、かつ、必要に応じて利用者等の相談に対応する体制を確保していること

    介護支援専門員に対し、計画的に研修を実施している

    地域包括支援センターから支援が困難な事例を紹介された場合においても、居宅介護支援を提供している

    地域包括支援センター等が実施する事例検討会等に参加していること

    運営基準減算又は特定事業所集中減算の適用を受けていないこと

    介護支援専門員1人当たりの利用者の平均件数が40件以上でないこと

以上全てを満たす場合は特定事業所加算Ⅰを算定できます。

また、上記の③⑤⑨⑩を満たし、かつ主任介護支援専門員(年度内に主任介護支援専門員となる予定の者)を配置しており、常勤かつ専従の介護支援専門員を2名以上配置している場合は特定事業所加算Ⅱを算定できます。

なお、②の規定である「常勤かつ専従の介護支援専門員を3名以上」の中には、①の主任介護支援専門員を含まないものとされ、合計4名の介護支援専門員が必要であると解され、これは加算Ⅱにおける「2名以上」にも適用となります。

閉じる コメント(0)

閉じる トラックバック(0)

全75ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]


.

TAKA
人気度

ヘルプ

Yahoo Image

ブログバナー

  今日 全体
訪問者 0 28080
ブログリンク 0 28
コメント 0 3473
トラックバック 0 12
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

開設日: 2007/2/1(木)


プライバシーポリシー -  利用規約 -  ガイドライン -  順守事項 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2012 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.