内田春菊 「南くんの恋人」
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昨日正月に買った漫画を整理していたら、ふと「南くんの恋人」が目に入った。久々読み直してみた。
「南くんの恋人」は、普通の高校生南くんの彼女ちよみちゃん(彼女も高校生)が、ある日突然手の平サイズの体になってしまう。その理由は不明。南くんはちよみちゃんを、こっそりと隠して世話をしながら、一緒に生活するという話。
ある日突然変身する話のことを“変身譚”というらしいのですが、昔からこの手の話に惹かれる。
小説で言うと、 「中島敦/山月記」「カフカ/変身」 映画では、 「転校生」 漫画では、手塚先生もこの話が好きみたいで、 「ブッダ」である日突然人間が動物になるエピソードがあったし、「リボンの騎士」「ふしぎなメルモ」もこの類かな。
で、「南くんの恋人」。
この漫画は、名作中の名作なんだが、「せつなさの極致」 が表現されていると思う。 衝撃の最終回はあまりにも有名なのですが、そこに至るまでのエピソードが、淡々とコミカルに描かれているのに、最初から胸がキリキリと締め付けられる。こんな漫画、他にはない。
南くんとちよみの、「生活していく上での悩み」「将来の不安」「守ってあげたいという愛しさ」「迷惑かけたくないという優しさ」「どうにも出来ない憤り」といった感情が、通常の関係ではないことで、あまりにもリアルに伝わってくる。
非日常を描くことで、本質的なものが読者に伝わり胸を刺すという、「漫画」がアートたる所以である。
ちなみに、何度かドラマ化されてますが、1回も見たことがありません。この世界観をブラウン管で表現するのは難しそうですが、どうなんでしょうかね。
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