心理学的快楽主義者による膨大な情報と雌伏の日々に対する考察

だいぶ書き溜めができましたので,ちょくちょくアップしていきます。

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博多鉄鍋参の三

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札幌でも(わりと)本格的な博多料理が手頃な値段で楽しめるという触れ込みのお店,博多鉄鍋参の三に行ってきました。
以前は,博多鉄鍋弐の四というのもあったと思うんですが,いつの間にか閉店していましたね。

ここは鉄鍋とついているように,鉄鍋を使った料理がメインです。
この日はコースメニューだったんですが,もち豚鉄鍋で,運ばれてくるなりテンションが上がりますね〜。
もちろんモツ鍋もあるにはあるんですけどね。よく考えたら九州から帰ってきたばかりだったので,それほど惹かれず。

それから鉄鍋餃子もあります。
こちらは言わずと知れた九州名物ですが,特徴はやはりつけダレの醤油が九州地産のもので,独特な甘みのあるタイプなんですよね。
そういえば,おみやげに買ってくればよかった(-_-;)

これで飲み放題もついて3000円以内に収まるのだから,懐にもやさしいですね。

でもさすがに北海道でゴマサバは出てこないんですよね〜。
そんなわけで,九州の恋しさが増した一日でした。

博多鉄鍋参の三
札幌市中央区南3条西3丁目3 Gダイニングビル 2F
Tel: 011-218-1303
営業時間: 17:00〜翌5:00(L.O.4:00)
定休日: 無休

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「捜査官X」

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<あらすじ>
1917年、雲南省の小さな村。のどかなこの村である日、不可思議な事件が発生する。強盗に押し入った2人組が、たまたま居合わせた紙職人ジンシー(ドニー・イェン)ともみ合いになった末、死んでしまったというのだ。捜査に当たった刑事のシュウ(金城武)は、強盗犯が武術に長けた男たちであることに気づく。さらに検死の結果からも、男たちが偶然に倒されたのではないと確信し、ジンシーの素性に疑いを抱き始める。しかし、ジンシーを観察すればするほど、真面目で温厚な好人物との印象は強まり、とうてい殺人とは結びつかなくなってしまうシュウだったが…。

「ウィンター・ソング」「ウォーロード/男たちの誓い」のピーター・チャン監督が、ドニー・イェンと金城武を主演に迎え、本格カンフー・アクションと謎解きミステリーに挑んだエンタテイメント・ムービー。

冒頭、のどかな村で純朴そうな兄弟とそれを優しく見守る夫婦といういかにも牧歌的な風景が描かれます。
ところが、その空気は、2人の異端者によって破られてしまいます。
この村にやってきたならず者の2人が強盗に押し入ってきて、先ほどの父親が運悪く巻き込まれてしまいます。
強盗とこの男がもみあった結果、強盗が2人も死んでしまいます。

その事件の捜査にやってきた刑事、シュウは、その死体が事故死のものではないと確信し、もみ合った男―紙職人のジンシーに疑いを立てるのですが・・・。

映画自体はミステリー仕立てで構成されているものの、雰囲気はともかくストーリーとしてのミステリー感があまり感じられません。まあ、演じているのがドニー・イェン(本作以外にも様々なカンフー映画で出演したりアクション指導したりしています)っていう時点で出オチみたいなところもありますしね。
なので、むしろミステリー仕立てのカンフーアクションだと最初から理解して見るほうが良いかも知れませんね。
そうすると「新少林寺/SHAOLIN」ともろかぶりになっちゃいますし。

ドニー・イェンの実績は先述したとおりで、そのアクションを見るだけでも十分に鑑賞の価値アリです。

まあ、ストーリーとしてもう少しふくらませられるような気もしましたけどね。
特に、刑事シュウは、過去の事件のトラウマがあって人が信じられなくなっていたり、自分の命を長られるためにハリの達人になっていたりと、なかなかキャラが立っているので、こちらをもっと掘り下げることは可能だった気もします。
邦題も「捜査官X」と彼目線になっているわけですし。

アクションとしてみるとかなり一級の作品です。

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「タイタンの逆襲」

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<あらすじ>
神々の王ゼウス(リーアム・ニーソン)と人間とのあいだに生まれた勇者ペルセウス(サム・ワーシントン)は、愛する一人息子と穏やかな毎日を送っていた。一方天上界では、神々の力が弱まり、巨神タイタン族の封じ込めにほころびが生じ始めていた。もしタイタンの王クロノスが復活すれば、人類はおろか世界が終焉を迎えてしまう。そんな中、ゼウスから協力を求められるも、息子との生活を大事にしたいペルセウスはこれを拒絶する。しかし、冥界の王ハデス(レイフ・ファインズ)と軍神アレス(エドガー・ラミレス)の陰謀によってゼウスは捕らえられ、ついにクロノスが覚醒してしまうのだった。

レイ・ハリーハウゼンが手がけた往年の特撮映画をリメイクしたスペクタクル・アクション・アドベンチャー「タイタンの戦い」の続編。
監督は「世界侵略:ロサンゼルス決戦」のジョナサン・リーベスマン。

前作「タイタンの戦い」も微妙な3Dが一部映画ファンの間で揶揄されたぐらいしか話題にならなかったのですが、あろうことか続編ができたということで、見に行って来ました。まあ3D版もあるんですが、ここは2Dで。
ちなみに、今後の公開作で3Dで見ようと思っているのは、「ダークナイト・ライジング」「アメージング・スパイダーマン」と「貞子3D」ぐらいです。

前作は「タイタンの戦い」と言いながら、ほとんどペルセウスと彼に率いられた人間の軍隊の戦いで、神々は見てるだけ状態だったのですが、本作はまあまあ戦います。

普通にレビュー書こうと思ったのですが、書いているうちになんか楽しくなってきちゃったので、久々にB級映画紹介のときと同じく、ネタバレ大全開でいってみようか!
と,いつもならホワイトで書くのですが,ちょっと読みづらいので,改行だけで!
未見の方はご遠慮くださいな。




↓↓↓ここから↓↓↓

前作より時間が流れ、ペルセウスは一人の息子とともに穏やかに暮らしています。
前作でも疑問でしたが、神話ではペルセウスはアンドロメダと結婚しているわけですが、本作はイオという女性と結婚したことになっています。
しかも、本作ではすでに死んでいます(爆)。

そんなペルセウスの元にふらりやってきたゼウス。
最近、神々の力が弱まっているせいで、タイタンの王クロノスが蘇っちゃいそうだから、力貸してくれない?という依頼が目的でした。息子とつつましく暮らしていきたいペルセウスはこの申し出を拒絶します。
すると、ゼウス、そもそも神の力が弱まったのは、人間たちの信仰心が薄れて、誰も神に祈らなくなったからだと恨み節。
しかし、前作で神々の戦いに巻き込まれたせいで家族を失っているペルセウスはこれを一蹴。

しかたなくゼウスは自分がかつて冥界に封じ込めたハデスに話を持っていく。
「まあ、いろいろあったけど、その、なんだ。クロノス封じるのに力を合わせよう!」
開始10分ぐらいで、前作で戦い合った相手にそんな都合の良いこと言われて動揺するハデス。
ところが、ハデスの隣にはゼウスのドラ息子、軍神アレスがいた。
アレスは自分ではなく人間とのハーフのペルセウスを可愛がるゼウスに反発し、ハデスと手を組んで、逆にゼウスをクロノス復活のための生贄にしようとする。
かくして、ゼウスは囚われの身に。
ちなみにそばにいたポセイドンはここで瀕死の重傷を負ってしまいます。

アレス、ハデスの陰謀により、ペルセウスの住んでいる村は、キメラの大群に襲われます。
ペルセウスは、持ち前の勇気でなんとかピンチを打開し、ゼウスに真相を問いただすべく山に向かったところ、そこに瀕死のポセイドンが現れ、この顛末をペルセウスに伝え、神々の三大武器の一つ、「三叉の矛」を託して絶命します。
それは、ハデスたちに奪われてなかったんかい・・・。

ゼウスは、アンドロメダと、ポセイドンの息子アゲノールとともに、ゼウスを救い出すべく地下世界へと潜入を試みます。
アゲノールはアンドロメダに振られて腹いせに金品を盗もうとしたかどで囚われの身になっていましたが、ペルセウスによって助けられます。

ペルセウス「ポセイドンは死んだ。」
アゲノール「神は死なない」
ペルセウス「最近の神は死ぬんだ・・・。」
アゲノール「」

ということで仲間に。
そしてアンドロメダも・・・って演じる女優さん、変わってる〜〜〜。
なるほど、道理でペルセウスと結ばれていないわけだ(・∀・)

ペルセウス一行は、地下世界への入り口を求めて地上に堕ちた神と言われるヘパイストスに会いに行く。
が、途中で、一つ目の巨人、サイクロプスに襲われる。
絶体絶命の危機に、アンドロメダの従者が「軍神様・・・」とお祈りを始めてしまう。
あれ?人々は神に祈らなくなったんじゃなかったのか?しかもよりによってなぜそいつに祈ったし!

ペルセウスの持ち前の勇気によって無事にヘパイストスのところにたどり着いた一行。
ヘパイストスは最初、協力を拒むも、アンドロメダが自分のかつての妻のアフロディーテに似てるから助けてあげる、という適当な理由により協力してくれることに。
彼はなんと武器以外に、冥界への抜け道も作っていたらしい!
ヘパイストスの案内で冥界への入り口へ向かう一行。
しかし、そこにアレスの一味がやってくる。
さっきアンドロメダの従者が祈ったせいで居場所がバレてしまったのだ!

このときの戦いが元でヘパイストスは死亡してしまう。
ちなみにアレスとヘパイストスは、神話では美の神アフロディーテを奪い合った犬猿の仲なのだが、映画では一切触れられず。つーか、ヘパイストス、神なん?という感じです・・・。
いいえ、デイヴィ・ジョーンズです。

ヘパイストスが最期の力を振り絞ったお陰で、ペルセウス、アンドロメダ、アゲノールはなんとか冥界の入口となっている迷路へとたどり着く。
この迷路では様々な幻覚が襲ってきます。
ペルセウスには誘拐されている息子の声が聞こえてきます。
しかし、その正体は・・・ミノタウロス!
なんかもっと幻惑系のキャラが出てくるかと思ったよ!

持ち前の勇気でミノタウロスを退治したペルセウスは、はぐれていたアンドロメダ、アゲノールと合流し、ゼウスの囚われている場所へとたどり着きます。

その頃、ゼウスは力を吸い取られ、クロノスが今にも復活しようとしていた。
息も絶え絶えのゼウスは、ハデスに、「なんか・・・ごめん!」と今までのことを平謝り。
すると、ハデスも我に返り、クロノスの復活を阻止しようとアレスともみ合う。

そこへ駆けつけたペルセウスたちによってゼウスは救出されるも、アレスが投げてきたハデスの投げ槍が刺さり、重傷。
でも、おかげで三大武器のうち2つは手に入り、あとはゼウスの雷鎚のみとなります。

アレスはペルセウスに宣戦布告をしてくる。
ペルセウスは、アレスが持っているゼウスの雷鎚を手に入れるべく、申し出を受け入れる。
その決闘の場に、なぜかペルセウスの息子へレイオスが!
アレスは自分がペルセウスをフルボッコにするところをへレイオスに見せつけようとしていたのだ!
ペルセウスが持ち前の勇気でもどうにもならないと思ったその刹那、ヘレイオスが剣を手に、アレスに向かっていった。
アレスはそれを軽く一蹴するも、そのスキをついたペルセウスは、ゼウスの雷鎚を奪い、アレスを絶命させる。
なんかチートな戦い方だったが、まあ相手は軍神だし仕方がない。
つーか、アレス、完全に自業自得。

一方、完全復活を遂げたクロノスは、地上に進出してきていた。
それを食い止めようとするアンドロメダと人間の軍隊。
しかし、クロノスの一味、マカイらによって壊滅状態に。
そこへ駆けつけたのが、ゼウスとハデス。
「久々にやっちまいますか!」と言わんばかりに神々の力をいかんなく発揮してマカイらを殲滅していきます。
できれば壊滅状態になる前にやっていただきたかった・・・。

ついにはクロノス本体が登場。
さすがのゼウスとハデスの力を持ってしても防戦一方の状態に。
そこへ、ペガサスに乗ったペルセウスが、三大武器を組み合わせた三重の槍をもって登場。
そのままクロノスに突撃して、クロノス絶命!
地球は救われたのだ!めでたしめでたし・・・。

あとはゼウスが砂になったり、ハデスが神の力を失ったりといろいろありますが、さして盛り上がらないので割愛。

↑↑↑ここまで↑↑↑




とまあ、CGは前作より若干マシになったかもしれないが、どうにもイマイチ乗りきれなかった作品でした。
やはり神々の戦いものは鬼門みたいです。

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「おとなのけんか」

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<あらすじ>
ニューヨーク、ブルックリン。11歳の子ども同士が喧嘩し、片方が前歯を折るケガを負う。ケガを負わせてしまった側のナンシー(ケイト・ウィンスレット)とアラン(クリストフ・ヴァルツ)のカウアン夫妻がペネロペ(ジョディ・フォスター)とマイケル(ジョン・C・ライリー)のロングストリート夫妻の家に謝罪に訪れ、和解の話し合いが行われる。お互いに社交的に振る舞い、話し合いは冷静かつ友好的な形で淡々と進んでいくかに思われたが…。

「戦場のピアニスト」「ゴーストライター」のロマン・ポランスキー監督が、ヤスミナ・レザの大ヒット舞台劇を、4人のオスカー受賞&ノミネート経験のある俳優陣の豪華共演で映画化したコメディ・ドラマ。

子どもの喧嘩に親が口を挟むのは良くないとは言いますが、本作はそれを地で行く映画。
序盤こそ、何が起きたのか事態を冷静に見つめるために文書化したり、それを元にして子供たちに和解の場を作ることを提案したりと、まさにオトナな対応で話し合いは進んでいくのですが、ちょっとしたいさかいから徐々にヒートアップ。ついにはストッパーが外れて、完全な罵り合いに。

ことは単純に被害者、加害者の関係だけでなく、夫と妻、男と女の対立へと膨らんでいく。
そんなもんだから、別に家族同士が助けあい、かばい合いをするってわけでもなく、妙なところで相手に同意したかと思ったら、なぜ?っていうところで自分の夫や妻に噛み付くという展開になっていきます。

ほぼ全編を通して、ロングストリート夫妻の一室での会話(というか口論)のやりとりが描かれるという密室劇ながら、ここまで惹きつけられる作品をつくり上げるのだから、やはり巨匠は健在といったところですね。
演者の4人もさすがで、まさにバトルといった様相を呈しています。
個人的には、弁護士のアランがヒットでした。

妻に連れられて子どものケンカの和解の場に来るも、鳴りっぱなしの携帯で仕事の対応をする方に完全に注意が向いています。
ブタ鼻を鳴らしたような笑い方、まとまりかけた話をまた蒸し返したかと思えば、マイケルの用意したとっておきのお酒に、「自分にも一杯」とちゃっかり反応してるあたりが良かったです。

ユーモアと皮肉たっぷりのラストも好印象。

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「アーティスト」

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<あらすじ>
1927年、ハリウッド。サイレント映画の大スター、ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は、女優の卵ペピー(ベレニス・ベジョ)と出会い、自身の主演作でエキストラの役を手にした彼女に優しくアドバイスをおくる。そんな中、時代はサイレント映画から、セリフのあるトーキー映画へと大きく変わっていく。しかしジョージは、自分は芸術家だと主張してサイレント映画に固執、瞬く間にスターの座から滑り落ちることに。そんなジョージとは対照的に、時代の波に乗ってスターの階段を駆け上っていくペピーだったが…。

フランスで人気のスパイ・コメディ「OSS 117」シリーズのミシェル・アザナヴィシウス監督と主演のジャン・デュジャルダンのコンビが、ハリウッド黄金期を舞台に白黒&サイレントのスタイルで描き、みごと2012年のアカデミー賞作品賞に輝いたロマンティック・ストーリー。
劇中で主人公のチャーミングな愛犬を演じたタレント犬アギーも、カンヌ映画祭で“パルムドッグ”に輝いています。

今年のオスカー・レースは個人的には実に興味深かったです。
本作と「ヒューゴの不思議な発明」という2つの有力候補作が、どちらも映画の草創期を描いているという共通項を持っていながら、その描き方は実に対照的で、本作は古き良き時代を忍ぶために、当時のようなサイレント映画という形式にこだわったのに対し、「ヒューゴ〜」では監督のマーティン・スコセッシが初の3Dに挑戦し、テクノロジーに馴化した現代の人々にも新鮮に思われる映像体験をさせようという意図でした。

さて、そんなライバルに打ち勝って、見事アカデミー賞作品賞を受賞した本作ですが、サイレント映画のスター、ジョージにスポットを当て、彼のスターダム、そしてサイレントからトーキーへの移り変わりによるジョージの人気の没落と、対照的に人気女優となっていくペピーの姿を描いています。

ジョージは、クラーク・ゲーブルのような風貌とやや仰々しくもあるオーバーな演技(サイレント映画では必須と思われる)で人気を博しています。
そんなジョージの映画にエキストラとして出演することが決まったペピー。
彼女は本番前にタップダンスの練習をしていたところを、偶然居合わせたジョージがいきな競演をしかけます。
このあたりは、タップの音だけをうまくピックアップして、まさにサイレント映画ならではの魅力を発揮していると思います。

ジョージに見初められたペピーは、以降、飛ぶ鳥を落とす勢いでの活躍を見せていきます。
そんな彼女の活躍を微笑ましく、誇らしく思っていたジョージですが、そんなさなか、映画はサイレントからトーキーへと時代が移り変わっていきます。
スタジオがこの決定をした直後に、ジョージとペピーがすれ違うシーンがあるんですが、ここだけ唯一といってもいいぐらいの引きの画で撮られています。
サイレント映画はあまりズームアウトしすぎると、セリフもないために何やっているのかわからなくなる危険性はあるのですが、ここでは、階段を登っていくペピーと、階段を降りていくジョージという画を印象づけさせることで、その後の彼らの運命を示しているように作られています。

このシーンに象徴されるように、サイレントでありながらも、映像で雄弁に語ることが可能なのだということを随所に示してくれた作品でもあり、オスカー受賞もうなずける出来だとは思いました。

ただ、1つだけ難癖をつけるとすれば、サイレントからトーキーへの劇的な変化が映画の中でおこるわけですが、ペピーのその後の活躍の系譜となるトーキー映画自体が、本作ではサイレントで表現されているため、その魅力が伝わりにくいという点です。
これは、秀逸なラストを用意するために、この時点ではセリフや生音をミックスするわけにはいかなかったということも大いに考えられますが、この劇的な変化を体感した当時の観客のような新鮮な驚き(皮肉にも、これは「ヒューゴの不思議な発明」ではありありと表現されていたわけですが)がイマイチ伝わって来なかったというのが、唯一といってもいいぐらいの残念な点でした。

とまあ、重箱の隅をつつくような難癖をつけましたが、サイレントでも十分に表現できることを示した意欲作ではありました。
とはいえ、このご時世、こういう映画を興収に結びつけることは難しいのでしょうねえ。
オスカー受賞も話題にこそなれど、自分が観に行ったときも客席はガラガラでした。
リピーター割引もちょっと痛々しい感じすらしてしまいました・・・。

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開設日: 2005/12/28(水)


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