光と闇の螺旋

朝と夜、白と黒、そして光と闇・・・全ての物事には必ず相反するものが存在する。
光の中で生きる者、そして闇の中でしか生きることの出来ない者。
もしもそんな二人が偶然ではなく、必然的にまるで定められた運命かのように人生を本能されながら出会い、そして共に生きる事となればその二人の人生の結末には、
最後には一体どんな答えが待っているのだろうか?!
 
 
もしも、自分の命が永遠にあると想像してみると・・・
限りある命だからこそ人は生きている間に夢をかなえようと必死になる。
生きると言う希望が生まれる。
だがもし己の命が尽きる日がこないとなると、日常が途絶えることなく繰り返されれば。永遠に・・・・例え友人や恋人ができたとしても、年月が経てば歳をとり死んでいく。
自分だけが永遠の時を一人で歩んでいかざるをえない。孤独な、実に孤独な日々が続くのだ。やがて虚しさに打ちのめされ、諦めがやってくる。
坦々と生きていくしかないという諦めが・・・
ならば永遠に繰り返される毎日を苦悩しながら生きるのと、気楽に過ごすのとでは
どちらを人は選ぶだろうか?!
 
 
 
波乱万丈な人生。そんなことを人前で平然と口にできる人間は、極僅かな選ばれた者が自分のサクセスストーリーを語る上での詭弁でしかない。
詭弁でなければあざといだけの自慢話。ごくごく普通の人間は本当に辛くて苦しいだけの過去を、白日の元にさらしたいとは思わないだろう。
楽しさは人と語り合えば倍になるかもしれないが、苦痛は重い口をこじ開けて語っても薄れたりしない。触れてほしくない過去・・・
それを無理やり暴かれることは、人前で強姦されるのと同じだ。
歳月は痛みを癒すための特効薬にはならない。一つの存在が欠けただけで幸せと言う定義があっけなく崩れさる現実。何の刺激も驚きもない。
退屈であくびの出る平々凡々な毎日。心の底からそれを願っても、周囲の状況がそれを許してくれない・・・
 
懐かしい記憶。今日の幸せがずっと永遠に続くと信じて疑いもしなかったあの頃。
いつも笑顔で溢れていた。けれど突然闇に飲み込まれて、泥沼の地獄になった。
起こってしまったことをなかったことに出来ない過去が重い。
喉が嗄れるほど泣いても、息を詰めて立ちすくんでも、深々とえぐれてしまった傷は消えない。どれほど時が流れても、痛みはジクジクと疼き渋るだけ。
 
 
ごくありふれた日常のささやかだけど、かけがえのない日々の幸福だった。
いつも笑顔があって、優しさに溢れていた。
今日の続きは明日の始まり。それは何も特別なことではなく、ごく普通の事だと思っていた。突然目の前が真っ暗な闇になってしまうまでは・・・
 
 
どこの世界にお前はいらない存在だと言われてすんなり納得出来る人間がいるだろう。人を平気で傷つける人間はいても、自ら他人に傷つけられることを望む人間はいない。誰一人として。その傷を境に、心は自暴自棄に荒れて口数は少なくなり、顔からはいつしか笑顔が消え、やがて闇に堕ちていった。
 
人間必要以上にがんばり過ぎると必ずどこかで破綻する。
そしてキリキリに張り詰めていた気力までもなえてしまうと、後はもうなしくずしだ。
肉体の疲弊はやがて精神をも犯す。
人間はそうやって少しずつ歪み、簡単に壊れてゆくものだと。
 
 
まるで魂の半分を持っていかれたみたいだった。何にも誰にも執着しない。
人の心をわしづかみにして離さなかった瞳すら、冷たいガラス玉になったようで。
不安でたまらなく、しくしくと胸の奥が痛くてたまらなかった。心の一部が突然マヒしてしまったかのような喪失感に見舞われて声にならなかった。
 
 
優しくしたいのに、何でか時々無償に泣かせてみたくなる。
自分が歪んでいるって自覚はある。だったらもう今さ体裁ぶることはない。
一つだけでいい。篤くたかぶりあがった気持ちを際奥までねじこんで、逃がさない。
絶対に。汚すのが怖くて一度は逃げたけどもう離さない。二度と。
やっと手に入れた宝を。だから手を離してやれない。
 
突然の悪夢からなし崩してきに始まってしまったのが未だに切れない。
甘く優しいささやきが痛い。熱い言葉で先走る体のあさましさを見せ付けられるようでいたたまれなくなる。なのに、どこもかしくもたまらなくなる。
ドロドロに煮詰まったしびれの渦に頭の芯まで届いて、咬んでも殺してもくぐもった虚勢はひっきりなしにこぼれた。
言葉がはらむ、しびれるような篤さ、ただ一つになりたいと渇望するけれども、
誰も束縛できない。
 
タブーとモラルを踏みにじって得られるものが、深ければ深いほど、いつしか痛烈なしっぺ返しがきそうで怖い。背徳は毒があるから甘いのだ。勝手に何かを期待して甘い夢を見て、それが満たされずに傷つくのが怖い。だからどんな言葉であろうと自戒することを忘れない。何も知らなかった幸せな頃のように、癒される・・・
そんな儚い幻のような甘い夢は、もう二度と見ないと・・・・
 
 
超えるか、踏みとどまるかその線引きじゃなくて、取るか捨てるか。そうやって線引きする。歪んでいようが、なまぬるい絆なんかいらない。ただ離れないように。
怖いもの知らずを絵に描いた様な人間でも心の支えが必要なんだ。
誰にだって一つくらいはある。
自分のプライドは別にこれだけは絶対にどうしても譲れないものが。
 
 
どんどん欲張りになって、はどめが切れて底なしになる。
いつまでも一方通行なままなのは嫌なんだ。満たされて癒したい。
言葉一つ・・ちんぷでお手軽。でも使い方一つで世界が変わるかもしれない唯一最強の呪文。世界がどうなろうと、たった一つの幸せさえ得られれば。一番大事なこと。
それだけで何も誰も要らない。
 
たった一つの言葉だけで世界が変わる。そんなことは願っても叶わないただの夢、幻だと思っていた。自分を取り巻く全ての物が優しく穏やかにとろけていく。至福・・・
独占欲と言う名の過激な執着、背徳と呼ばれる欲望。歪んで絡みつく、絆・・・
それでも誰に後ろ指をさされても、欲しいものはたった一つしかない。
全てを切り捨てても譲れない思いがある。ウザッたいだけの物はいらない。
欲しい物は一つだけ。何を犠牲にしても離さない。逃がさない。
例えそれがタブーとモラルを踏みにじった果ての傲慢だったとしても。
 
光輝く人間って基本的に気配りの達人で、やっかい事を頼まれるとついつい自分のことは後回しにする。どんな過酷なことがあっても、きっちり自分の足で立っているのは分かるし、それにすごいと思っても、何があってもごく普通に大丈夫なんて顔をしているのを見るたびに、もっとエゴになればいいのにと思う。
それでも背負っているものが違い過ぎて、下手に口出しは出来ない。どんなに紳士なはげましでも、口にした途端に無神経に心の傷をえぐってしまいそうで怖い。ただ黙って見ているしかないなんてすごくもどかしくて、時々心がよじれそうになる。
 
今まで毎日かわりばえのしない日常なんて、退屈と思うこともあるけれど、何の刺激もない平凡な幸せってのが、どんなに恵まれていることなのか、つくづく考えてしまう。何時、何処で、何が起こるか分からないって事を。けれど、どうするかは自分次第。
心配の先走りしても仕方ないのかもしれない。
 
 
何もかもむしり取られてしまったが、それでも足りなかったのか・・
どうしてそんな闇に堕ちてしまうのだろう。よほどの大きなショックにぶちあたるからだろう。だからといってあんまり神経質になるのもどうかと思うけど、ちゃんとそれなりに気を引き締めとかないと。そうして少しずつ乗り越えたらいい。
 
思いもよらない事態にぶちあたり、その被害者としてこうむる傷が癒えないまま更なる事態になってしまいそれ以降、周囲の目も日常もすっかり様変わりしてしまった。が、
それで要約かわいそうな呪縛から開放されたような気がする。それで全てがまるく収まる訳ではないが、良くも悪くも日常は変容する。これからの人生の生活に過去は必要ではない。自分が自分である為のポジション。
それさえ間違えないでおけば日々に流されることもない。視線は足元ではなく明日へ。ゆっくりマイペースでいい。とりあえず明日へ。
 
 
人間って皆、結構自分主義。言葉で言うのは簡単だけど、それをきちんと実戦できる人は少ない。心の痛みは誰かに語ることで半減するか?!
色々考えて誰も心の傷を癒すことができない闇に飲み込まれ、ささくれ荒れた。
でも何が最良かは分からないけど、でも何もしないで悔やむよりはとりあえず自分の出来ることからやってみる事が一番大事なのでは。
例えそれで思った様な結果が得られないとしても。それはただの結果論だから。
結果は目の前にある事実。
事実は現実であってもそれが真実であるとは限らない。
事実は一つでも真実は一つとは限らない。
視点が、価値観が違えば物事の真実は逆転するもの。
荒れに荒れて闇に飲み込まれたとしても、真実を何も語らなくとも。
物事をなす時には結果などを気にしない。
何の為にどんな努力をしたのか、それが大切なのだと。
それでいいのではないのか。
 
 
結果が全てであってであって、その過程は問わない。そういう者もいるが、だがそのプロセスこそが一番大事なことなのだ。何かを成そうとする決断力と一歩を踏み出す勇気。一番大事なこと立派にクリアすること。
 
 
心が弱っている時は何気ない言葉でも痛いもの。励ましのつもりでもそれが心の負担になるだけかもしれない。どうにかして心の痛みを癒してやりたい。
理不尽な実害をこうむった者の痛みは、同じ痛みを知る者にしか癒せない。
それはある意味心理なのかもしれないけど、それではダメなのだ。
同じ傷をなめ合っているだけじゃ前には進めない。それに気づくことができればいいけど。酷なようでも、結局自分で向き合うしかない。
向き合っても克服できるかどうかは分からないけど・・・
 
 
心が悲鳴をあげる声が聞こえても、その痛みに共感することが出来ても、それがどれ程辛く苦しいものであるか本当の意味で同化することはできない。辛さの在り処も、痛みの度合いも、苦しさの色も違うから。ただゆっくり深呼吸して、ほんの少しだけ前を見れば光が見えてくるだろう。
 
 
一歩一歩踏み出す。自分の足で立って歩かなければ同じことの繰り返し。
ただ闇の中を彷徨いジタバタするだけ。乗り越えるのも、つぶれるのも、楽な方に流されるのも、グラグラするのも、しゃっきりするのも、自分で考えて自分で答えを出すべきことなんだ。そのフォローをするのは周りではない。
一人で立てない者はおいていかれるだけ。
人に優しくってのは難しい。別に優しくなくていいのかもしれない。
何をどう感じるかは本人次第。
だったらとりあえず自分に嘘つかなければそれでいいのではないのか。
例えそれで誰かが傷ついたとしても・・・それでも逃げない。
 
 
人と人の間にある二度と埋まらない溝・・・
それは絶対的な現実がある限り、壁も溝も傷も消えてはなくならない。
断ち切れた絆は元には戻らない。そうして心はめげてしまう。
始めはほんの微々たる願いでも、欲求が一つ満たされてしまえばそれは次なる欲を生む。予想外のいやな雰囲気になって危惧する。自業自得の怠慢と片付けることはできない。本音でものを言って誰かを傷つけるのはキツイし、辛いし痛い。
だが心の土台がちゃんとできているのなら、へたに同情なんてするもんじゃない。
 
 
押さえきれない欲で傷つけるのが怖くて、優しくできなかっただけ、たくさん泣かせて傷つけた分だけ、これからはもっと優しくできる。だからもっと寄りかかっていい。甘えていい。持っているもの全てで、光で満たしてあげられるから・・・しがみついていい。
心の傷が深みにはまり闇に堕ちてしまうその前に・・・
 
 
光がある処闇があり、それは互いに相入れぬもの・・・
しかし中には光に焦がれる闇もある。
光の道を歩み続ける限り、誇り高く生きれる。
さよなら愛しき黒の世界・・・・・


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