地域ブランド戦略 今週の言霊

地域の活性化と 最新のマーケティング手法“ブランディング”を 繋ぐヒント

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(つづき)

コンピュータソフトの「マイクロソフト」が、「ブログで離島応援計画」を実行している。ブログという媒体(コミュニケーションツール)を基盤に、離島[具体的には3島=隠岐(島根県)、トカラ列島(鹿児島県)、式根島(東京都)]ならではの課題を解決する、そのアイデアをインターラクティブに熟成、具体化しようというものらしい。
詳しくは、↓

http://www.microsoft.com/japan/technet/community/events/dream2006/default.mspx

面白い試みなので、「隠岐」についてどんなアイデアがでるか、考えてみよう。
ただアイデアは、マイクロソフトの協賛なだけに、最終的にITシステムで具体化させなければならないようだが、専門外の者にはそこを考えると袋小路に入ってしまう。ブログでこうして双方向でやり取りできることに意義を感じて、まずはアイディエーションを大切にしよう。


同じ島々の中でも、隠岐が固有に抱える問題は私には分からない。ただし企画意図やブログでの発言を見る限り、島に共通の課題として、若者の流出減少があるようだ。
その原因は、島の生活における「生きがい」が、都会と相対比較して“ほんの少し”不足しているためではないか、と思う。生きがいとは突き詰めれば、アイデンティティ(自他の認識)の問題であり、“自分は面白くやっている”という思いと同時に、“人から必要とされている”という実感があるかないかではないだろうか。
島には、そして隠岐には、ほんの少しだけ、人から必要とされると感じられる仕事が足らないのだ、と考えられる。

ところで私は、地域の活性には、外との交流が必要であると説いて来た。
それは、近隣からの買い物客流入でも良いのだが、隣のない地理的条件を考えると、島は、旅行業を主の産業に置くしかないと思う。島の、漁業も農業も加工業もすべて、来島していただけるお客様に向かって、何を提供できるかという視点で営まなければいけない。

この2つから、まずは、
若者が生きがいを感じられる島の産業を、旅行業を中心にどう組み立て直すかを考えるということになる。

そして、次に
あまたある島々の中で、「隠岐」モデルをいかに打ち出すか。隠岐にしかない魅力をどう構築するか、隠岐の独自性をどう知っていただくか。その上で、高い交通費を出してでも行ってみたいと思わせるイメージをどう作っていくか、ここに帰結する。

さて、少し方向性を絞ったところで、一潜在旅行客(受け手)の立場から、まったく(私自身は)知らない「隠岐」をネットで調べてみることにしよう………。

第一印象:シンボルがない。隠岐を象徴するものがないような気がする。
「牛突き」は再認知名できるが、詳しくは分からない。開催案内を見てみると、5月〜10月にかけては毎土曜日開催、7月〜8月は原則毎日開催とのこと。冬場は“荒れる日本海”のイメージ通り、旅行には向かないシーズンなのだろうか。運良くオンシーズンに訪島できたとしても、観客は“見るだけ”という印象だ。“ディープ”がいる訳じゃないから感情移入もできず、声を上げて応援する自分は想像しにくい。客も参加できる、なんらかのしくみが必要ではないだろうか。
「魔天涯/国賀海岸」の馬のいる風景も、見たことはある。さぞ、気持ちのいい景観だろうと確かに思う。しかし、ここで日長、ゆっくりできる施設はあるのだろうか。近景に美しい馬たち、中景にまぶしい緑の牧草原、遠景に水平線に沈む夕陽、それらを眺めながらだらしない格好でビールを飲める施設があれば、シンボルになるような気がするが、斜め読みした限りでは観光タクシーで『きれいでしょう。本当はあっちに夕陽が沈むんですけどね。さ、次行きましょうか』というスタイルでは、なかなか海を越える気になれない。
「配流の地」としても有名だけれど、少し読み込んでみると、碓としたものがなさそうな印象だ。後鳥羽上皇、後醍醐天皇という歴史上の人物との深い関わりがありながら、“その伝承跡”しか実はないのかと。沖縄で首里城が再建されすばらしい歴史体験ができるようになったが、平成の“国分寺再興”などをアダプト方式で図ってみてもいいかもしれない。

第二印象:中途半端な都市志向(発展志向)。
わがままな旅行客は、島の厳しい生活を慮れないのでお許し願いたいが、島影が近づいて来るワクワク感の中で見える港町の中に、妙に現代的なテッコンキンクリートの建物は期待感を裏切る。勝手に思い描いている「隠岐」のイメージは、「牛突き」や「摩天涯」であって、素朴、伝統、神秘的、和のこころといったキーワードだ。「お台場」に行って「自由のえせ女神像」を見るといつも幻滅するが、「お台場」なら許せる。しかし、ジャングルクルーズして上陸するときは、ヤシの葉を拭いたあばら屋根の桟橋でなければいけないように、「隠岐」にふさわしい正面入り口があって欲しい。
そして同様に、「隠岐造り」という言葉あるのだから、少なくとも旅行客が接する家並みや施設には、「隠岐」独特の建築様式を取り入れてもらいたい。
これもWebで数枚見た写真からの想像なので、間違っていたらお許し願いたいが、同じ匂いを
http://www.e-oki.net/
のデザイン方針に感じる。やたら欧文が氾濫し、湘南か沖縄の西海岸かという印象だ。“若者”を見ているデザイン、というなら気持ちは分かるがでも、逆効果だと思う。中味と一貫性を持った、コミュニケーションが望ましい。

その他印象:
観光業から抜けきれていない、という印象も持った。観光の意味は、旧所名跡景勝地を、ただ見て回る旅行形態。ダイビングサービスや牛の世話体験などを提供している点は認めるが、本物の「隠岐」の良さを体験できる肝となるしくみ(施設?)が足らないような気がした。じっくりと過ごせる場所、ひっそりと逃れられる空間、積極的にジモティに溶け込めるしかけ、などが今は旅行に求められている。具体的に「隠岐」モデルをどう作っていくかが大きな問題だが、そうしたものが提供できていない(のかもしれない)という自覚は必要だろう。
旅館は今や、一人客も受け、食事も客の要望通り、素泊まりでも快適に泊まっていただくのが当たり前になりつつある。一泊2食2名様以上が基本、という送り手発想ではもうやっていけないだろう。一軒宿の山奥の温泉なら別だが、そこに固有の食文化があるのであれば私も、朝食だけにして夜は街へ繰り出すほうが好きである。板前を雇ってやっていくには………というなら、この旅館の食事は食べなければもったいないと言わしめる実力をつけるのが先だ。その選択権は、あくまでも客に与えなければならない。それが今後の、旅行形態だろう。

若者という観点からすると、全体的な印象としては確かに、受けは悪いかもしれない。しかし“受けが悪い”という表現も、割合の問題である。一般的な8割の若者からは共感は頂けないかもしれないが、2割には関心を持ってもらえるだろう。有名な「8:2」の法則だが、その8割のうちの6割は、強い意見になびくタイプと言われているから2割をいかに贔屓客にするかが課題だ。
今年いくつかの盆踊りを見ていると、なぜか例年以上に若者の笑顔が増えたように感じた。去年までは、祭りのためにかり出されたおばさんの踊り手が目立つばかりで、私なども含め“乗り切れなくて”とぐろを巻く若者がほとんどだった。それが変わりつつあるように感じた。ひとつに、男も含め夏のデートは浴衣が定番、となりつつある背景はあろう。しかしヒントは、その“場”であった。
東京都立小金井公園に、「江戸東京たてもの園」という施設がある。江戸以降の古い建物や名建築住宅などを移設展示しているものだが、その一角は昭和の頃の商店街を模してある。銭湯あり、郵便局、本屋あり、駄菓子屋、酒屋、居酒屋まである。その街の中心で夏、イベントとともに盆踊りが開催される。浴衣で来場を促した主催者の意図通り、若者はこぞって浴衣を着て、そして積極的に盆踊りを楽しんでいた。あれほど、喜々として踊りの輪の中に入っていく姿をしばらく見たことがない。どこぞの“クラブ”と同じくらい、乗りがいい。
若者とて、盆踊り自体がダサイ、訳ではない。ふさわしい“場”があれば、十分に咀嚼応用して彼らは、楽しもうとするのだ。
素朴、伝統、神秘的、和のこころというキーワードと、若者が相容れないものでは決してないと思う。2割の若者は、つかまえられるはずだ。
しかし、その2割をも、逃してしまっているかもしれないところが問題なのであろう。


こうして印象をまとめると、どうやら私は、あまりいい印象を持たなかった、ということになろうか。このままでは、送り手「隠岐」は、受け手「私」に海を越えさせることはできないようだ。相対比較的に、どうせ海を越えるなら、沖縄や直島、あるいはもっと遠いところへ行ってしまいそうである。
でも、これらを課題と捉えれば、課題を解決する道を見つければいいわけで、課題が多ければアイデアも出し易いということでしょう。

さ、アイデアは………


(アイデア出しまで今日はいけませんでしたねえ。
 またつづく)

(ところで、トラックバックなるものは、ちゃんとできたのであろうか? 心配だ)

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