楽塾とよなか授業参観09
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「一身にして二生を経る」 今回は、講師にフリージャーナリストの大川 悠 氏をお招きし、とよなか楽塾の3つのテーマのうちの2つ、「健康の回復」と「心の回復」に関してご講演頂きました。 ●テーマ:走ること、歩くこと ●講 師:大川 悠 氏(自動車ジャーナリスト) ●日 時:10月4日 14:00〜16:30 ●場 所:豊中市立庄内公民館 5000万歩 作家井上ひさし氏の代表作「5000万歩の男」を題材に前半の講演が始まりました。 日本初の全日本地図を作成した伊能忠敬は、20才から50才までは婿入り先の家業の発展に心骨を砕き、入り婿という弱い立場をものともせず、家業を大いに発展させた。家業繁栄の要因は、儲けを独占せず地元地域に還元した利他の精神を、忠敬が持っていた事があげられる。50才で隠居した忠敬は幼少のころからの夢であった天文学の勉強をはじめ、56才で江戸幕府の命により、全日本地図作成の測量を開始した。測量は歩測によるもので、日本全土を踏破するのに5000万歩を要した。全日本地図が完成したのは、忠敬72才の時であった。現代の衛星測量により作成された地図と、忠敬の作成した地図を比較しても、まったく遜色がないほど正確に測量されているという。 はじめの一歩 講師は黒板に「一身にして二生経る」と板書されました。 人間は、誰でもいくつかの人生を選ぶことができる。伊能忠敬はまさにそれを実践した。現代でも定年退職後の人生を如何に生きるかが重要になっているが、「心の持ちようで充実した第二の人生を送る事ができる」と大川氏。 大川講師は、メジャーな自動車業界誌の編集長という職業上、日常の移動は、タバコを買いに行くにも車を使用、一日数百歩しか歩かない人生を20才から62才まで続けていた。60才を境に、以前から興味があった社寺仏閣などの古式建築の探訪、自然観察などを始めるにあたり、やはり歩くことが必要と気づき、更に奥様の勧めで、最初は近所のプールで水中歩行から始め、行きついたのが駒沢大学の主催するランニング教室でした。そこで、基礎からランニングをはじめ、前回の東京マラソンでは4時間19分で完走、年代別では上位グループに入るまでになったとの話しでした。 なかま 「お蔭で、以前の仕事仲間から別人のようになったといわれ、自分に対しても自信を持てるようになった。停電により交通機関が止まっても走って帰宅する事ができる、これも日頃の鍛錬から来る自信の一つです」と鍛錬の結果を聞かせていただきました。 また、「所属するランニングクラブの世代を超えた交友、そして何より利害関係がないピュアな人間関係が、心を澄ませ心身の健康に好影響を及ぼしていて、もしこれまでの仕事を続けていたら、このような精神生活をまったく知らない人生を送っていた」と話され、新しい価値の獲得は誰でもできるという前半を終了しました。 「一身にして二生を経る」 後半は、奥様と二度にわたり完歩された四国遍路の旅を、映像を観ながら講演頂きました。道中で、見知らぬ人から頂戴するお布施や四国の風景に、講師が生まれた1940年代の日本を思いおこし、懐かしさと人情の暖かさに感動した事。1200Kmにも及ぶ遍路道を、支える陰徳を心から有難いと感謝できる、今までとはまったく違う自分に驚いた事など、「まさに、『一身にして二生を経る』の言葉を実感できました。これも歩くという事を始めて新しい世界に入る事ができたお蔭です」と話されました。 大層な事でも難しい事でもなんでもない、ただ、あの曲がり角の向こうはどんな風景があるのか、という好奇心を持つだけで、人は誰でも新しい世界に入っていける。「一身にして二生を経る」ことができる、と結論づけられ講演を終了されました。 文明の道具として最たる自動車一途の人生から、「歩く」事をあらたな人生の目標に定められた講師と、商売から天文学へと第二の人生の目標を定め、全日本地図を完成させ、目標を成就した伊能忠敬の姿が重なりあった、そんな感じがしました。 60代の塾生にも私にも、心の持ち方一つで新たな人生の展開があると、勇気づけられる講演でした。授業後は多くの塾生たちが感動していました。 ありがとうございました。 <次回の授業> ●テーマ:最果ての人々 ●講 師:稲田 七海 氏(大阪市立大学都市研究プラザ) ●日 時:10月18日 14:00〜 ●場 所:豊中市立庄内公民館 <再度のおしらせ> 10月以降は豊中労働会館改修の為、場所が豊中市立庄内公民館に変わります。 住 所:大阪府豊中市三和町3−2−1 TEL:06−6334−1251 地図はこちら↓ http://www.nice.ne.jp/images/110916/map_Kouminkan.pdf 2011年10月5日 楽塾とよなか 塾長 野本哲平
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