苦しくても…
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今でも時どき在職中の嫌なことを思い出す。リタイアライフとは違って、自分では避けることができないことも多く、時には苦難といってもいいほどに深刻なものになる。 そのために、私は様ざまな書物に救いを求めてきた。『苦難の意味』という高価な本を買って、苦難がけっして無意味なことではないことを世界の宗教が説いていることを知っても、それだけでは救いを与えられることはなかった。 私の職場生活は結局苦難に苛まれつづけて終わったといえるが、それでも一つだけ学んだことがある。苦難から逃げ出さなくてよかったということだ。 在職中、最大ともいえる苦難のさなかであえいでいたとき、実は、そこから逃げ出す手を秘かに教えてくれる人があったが、私はそれにも乗らずに苦難のなかにいつづける道を選んだ。そのために、その後の何年間にも及ぶ苦難の体験を通して、自分にとって何が一番大切なものなのかを学ぶことができたのだ。 その時はどんなに耐えがたい苦難であっても、とにかくそこから逃げ出さずにいることだ。逃げ出しさえしなければ、その体験を通して、必ず人生にとって本当に大切な希望や意味や友が見えてくることを私はいま自信をもっていえるようになっている。 |

