ある先生の生き方
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ついさっき地元の運動会の開会式に参加してきたところだが、ずっとA先生のことが気になっていた。去年の運動会で大声を上げて子供たちの指導に当たっていた姿を見かけていたからだ。 A先生とはもう何十年も前に、お互いに仕事以外のことで親しくものを云い合うことがあった。何事にも積極的なその姿勢から、学校でも教育熱心な教師として活躍しているだろうことが想像された。 そのA先生と10年程前に再会することがあって、おそらく50歳にもなっている頃だと思って、「もう、教頭先生に?」と訊いたみた。「いや、とても…」と明るい笑顔で謙遜された。 そしてまた数年たった先日、老人会の総会に裏方として会場整理を手伝ってくれていた若い先生が教頭だというので、A先生のお年のことも訊いてみたら、「58歳」という。去年の運動会であんなに張り切った声を上げていたのは、管理職より子供たちとともに生きる道を選んだのだということが咄嗟に思い返された。 人は、どんな職場にいても、いろんな生き方があるものだ。午後からも競技に出るために学校へ行くことにしているが、もしA先生に会っても教頭などのことについては一切触れず、子供たちといっしょに生きる道を選んだその生き方を心のなかで称えようと思っている。
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