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文集「心の花園」第六号ー(41)

恩師の「旅情より」④=岡山市Y・Yさん
                      寄稿文2009年4月:発刊
 
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 この苦境について、私の敬愛する歴史家奈良本辰也氏が、その昔、「瀬戸内の旅情」の中で述べておられる一節を引用して読者の賢哲の資料にしたい。そこは港町に特有な、あの堂々たる白壁の倉庫や、本瓦を葺いた大きな間口の店がある。かと思うと、その大きな家の軒を割って小さな雑貨屋が商われていることである。また、一ぜんめしを売る飲食店もある。
 
イメージ 2
 そして、街のいたるところで、庶民の生活が道路にはみ出しているのだ。家の軒先をはるかに突き出て金具が並べられ、魚が干してある。
 しかも、その街の一方には古い由緒を持つ寺々が軒を並べて立つ。足利尊氏の建てた安国寺を始めとし、長福寺、円福寺、玉泉寺、小形寺、地蔵院、阿弥陀寺、医王寺等々。いずれもまことに地方には珍しい山寺の構えだ。それが二十七もあるという。
 
 一体どのようにして維持されてきたのであろうか。だからそれは、昔の繁栄の象徴でもあれば、今の凋落の残骸でもあるのだ。例えば、あの歴イメージ 3史を誇った安国寺の前に立ってもよい。荒れ果てた境内には、国宝の釈迦堂がひとり健在を示しているが、その周囲の無残なありさまは言いようがないほどだ。隣に軒を接してある伸鉄の工場からは、耳を聾にするばかりの鉄を打つ音が聞こえてくる。
 
 わずかに境界を鉄条が囲ってあるが、その赤くさびた有刺鉄線は、まるで旅人の心をかきむしるように非情さである。奈良本氏が「昔の繁栄の象徴は、ややもすれば凋落の残骸になりやすい」と述べておられるのにも敬意を表したい。私が牛窓、下津井、鞆の浦の現状を考えるとき、まさに氏が説かれた通り、現状を眺めると感慨無量のものがある。私の好きな「荒城の月」の最後に次の一節がある。
 
        天井影は変わらねど、
                 栄枯は移る世の姿
            うつさんとてか今もなお
                   ああ荒城の夜半の月
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  栄枯盛衰は世のならいとはいえ、荒城の月ならぬ港町に残照の光の消えぬ間に、旭光の輝く発展を祈りながら老教師の旅情を終る。  完
 

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今日、総持寺を歩いていましたら岡山からの宿坊に来られた方々の大型バスを見ました。
随分と遠くから来られています。ナンバーから一目瞭然です。
荒城の月ですか、あそこへ行かれた方の特集を拝見しました。
本当に歌詞に有るイメージで、午後8時頃松の枝の間に見える様でした。
背景の感じが堪りません。里山や歴史の重みが十分です!ポチ。

2011/10/3(月) 午後 10:11 [ aki*2ma*i ]

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こんばんわ。

瀬戸内旅情・・・・
昔の風情がまだ此処には沢山残っているのネ。
荒城の月と重なり情緒の有る瀬戸内でしょうか?
楽ちんさんのブログから、素敵な歴史散歩の旅が出来ました。
有り難うのポチです。

2011/10/3(月) 午後 10:24 サチ

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確かに書かれている通りですが、時代と言うものは、こういうものなのかなぁと感じています。
今の都心などこれから100年先は、どうなっているのか、考えただけでも、コンクリートの残骸の山が浮かんできます。
これからは、頭の良い政治家出て、100年先、200年先を考えた政治をしてもらいたいものです。
目先にとらわれた政治では、同じことが繰り返されることでしょう。
記事にポチ☆

2011/10/4(火) 午前 8:17 風来坊

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アキさん、おはようございます。
ご訪問コメントありがとうございます。
鞆の浦は背後に後山スカイラインをひかえ、この山頂から鞆の浦を
眺めると、まるで霞の中の箱庭のように美しい景色が浮かび上がり
いつまで見ても飽きないような素晴らしい眺めです。お寺が多いの
も特徴ですね。ポチありがとうございます。

2011/10/4(火) 午前 9:26 [ らくがき楽ちん ]

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サチさん、おはようございます。
ご訪問コメントありがとうございます。
太平洋沿岸の豪快さと異なり、瀬戸内の風景は繊細で旅情を誘う
ような面もあります。特にこれから秋冬にかけての風景は旅情と
ともに懐かしさを感じられますね。ポチありがとうございます。

2011/10/4(火) 午前 9:36 [ らくがき楽ちん ]

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風来坊さん、おはようございます。
ご訪問コメントありがとうございます。そうですね。
人間教育と同じで国家百年の大計を基に運営する哲学のようなもの
も必要なのかも知れませんね。ある意味ではロマンチストであり、
夢の部分と現実の部分を充分考慮し、見極めながら計画する部分が
あってもいいのかなと思ったりしていますが。結果を重視する政治
の世界では、もともと無理かも知れませんがね。
ポチありがとうございます。

2011/10/4(火) 午前 9:50 [ らくがき楽ちん ]

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祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・平家物語ではありませんが、永遠の都は夢の又夢でしょうね。古代文明国家しかり、国内でも長い歴史は史実として残しています。又人はそんな遍歴にロマンを求めているのも事実ですね。

2011/10/4(火) 午後 3:27 小町の父さん

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小町の父さん、こんにちは。
ご訪問コメントありがとうございます。おっしゃるとおりですね。
過去の歴史の残像を追って行くにもロマンでなのでしょうね。

2011/10/4(火) 午後 3:54 [ らくがき楽ちん ]

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奈良本辰也氏・・・懐かしい名前です。
私の生家のお隣さんでした。生垣でイタズラしても文句を言われなかった覚えがあります。
あそこを離れて30年以上たちました。懐かしいです。
ポチさせていただきます。

2011/10/5(水) 午前 7:14 ちょはっかい

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ちょはっかいさん、こんにちは。
ご訪問コメントありがとうございます。そうなんですか?。
奈良本辰也氏は歴史家と聴いていますが私は直接彼について
は存じ上げませんが、文友の記事で初めて知らされました。
世の中は広いようでも偶然の知人ががあるものですね。
ポチありがとうございます。

2011/10/5(水) 午前 9:22 [ らくがき楽ちん ]

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