何度でも逢いましょう―12(最終回)
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「生きようとするのは動物の本能なんだから、
死ぬとわかっていて何故生きるのかなんてのは愚問だ。
だから知能が高いぶん人間は、
何故じゃなくどう生きるかを考えるべきなんだよな。」
夕食後、二宮が淹れてくれたコーヒーを飲みながら浅井が言うと、
床に座り込んで二匹の猫を相手に猫じゃらしを駆使していた二宮が、
ふとわいた疑問を投げかけた。
「じゃあ、いずれ死ぬってわかってるのに、
なんで人って必死に努力するのかな。
あくせく働いて、たとえ莫大な財産を築いたとしても、
自分は死んだら使えないじゃん?」
「うん・・・、」
浅井は椅子の背にもたれかかって緩い腕組みをし、しばし考え込む。
身体の真ん中で交差するすらりと細い腕と、
その先のコーヒーカップを持つ右手のフォルムが美しい。
二宮は猫をじゃらすのも忘れて、ぼぅっとそれにみとれた。
「より良い生活を求めようとするのも、本能の一種じゃないかな、
種の保存っていう。」
「ああ、なるべくいい状態で生きようとするってことか?」
「基本、そうだけど、人間には感情や思考力があるから、もっと複雑だけどね。
愛情っていうのもあるし。」
「愛情?」
浅井は身体を起こし、持っていたマグカップをテーブルにことりと置いて続けた。
「大事にしたい家族や恋人、職場やその仲間に誠意を尽くしたいと思うこと、かな。
そういう大切なものは、壊さずに継続させていきたいと思うだろ?
それは広い意味で、この世界を守りたいということ、
つまり種の保存なんだよ。」
「なるほど・・・。」
「大事なものを守りたいと思う気持ちは、
人を真摯に生きようとさせるんじゃない?」
「でもさ、俺たちには子孫は作れないじゃん?
種の保存に反してるよな?」
その言葉に、浅井は少し困ったように首をかしげ、
しかし優しげな微笑をたたえたまま二宮を隣に呼ぶ。
そして、呼ばれるままソファの隣に座るクマの大きな手を取って指を絡めた。
「恭介が言うとおり、僕たちには子どもは作れないよ。
でも、だからといって僕たちがこの世の役に立ってないわけじゃない。
僕たちが生きるには、衣食住でいろんな物を使ってるだろ?
そのお陰で僕たちは生きられるんだけど、
逆にそれを供給している人達を生かすことにもなっている。
どんな生命にも繋がりが有って、生かし生かされてるんだよ。
子どもを産むだけが、種の保存じゃない。」
「そうかぁ・・・。
じゃあ俺たちだって、無駄なカップルじゃないんだな!」
「あはは!無駄なわけあるかよ。
僕たちが愛し合って平和な気持ちで暮らすのは、
世の中の平穏にも繋がるんだぞぉ!」
繋いだ手を引き寄せて唇を当てると、浅井はそのまま二宮の肩にもたれかかった。
二宮はそんな浅井を、優しさと愛しさの混ざり合った熱いまなざしで見詰めると、
ゆっくりと深い口付けを贈って言った。
「じゃあさ・・・、
子孫繁栄じゃないけど不毛でもない、平和だけど烈しいセックスでもする?」
「なんだぁ、色気無いな。ふふふ!」
二人が寝室へと消えたあと、リビングでは猫の雛菊とクーが身体を寄せて、
仲良く毛づくろいをしあっていた。
冷たい風の中にも確実に春の匂いが含まれる、
プラタナスの芽吹きも近い夜だった。
おわり
『Rink’s Cafe』
りんくさんよりイラストと詩をいただきました。
(版権、著作権はりんくさんに帰属)
手を繋ごう
一緒にいることが
当たり前になりすぎて
忘れかけてたこの思い
手を繋ごう
不安な気持ちが楽になるから
見詰めあって
笑いあって
泣きあって
楽しい事も、辛い事も
共有しあおうよ
手を繋ごう
いつまでも
この思いが風化しないように
ずっとずっと
この温もりを忘れないように
(by Rink)
ようやく書き終えることができました・・・_ノ乙(、ン、)_
なんか、理屈っぽい自己マンなお話でしたが、
自分の気持ちの整理になったように思います。
書かせていただいて、感謝します。
さて!
いつも仲良くしてくださってるRinkさんにも、イラストをおねだりしてました!!
明るくてとってもパワフルな方だけど、意外と絵は繊細です(←え
しごさんのイラストは、切ない愛しさを書いた部分に、
りんくさんのイラストは、最後のほっこりした部分に飾らせていただきました。
自分の書いた文に、このようにイラストをつけさせていただけて、
とてもとても嬉しいです!!
りんくさんには、初めの頃に読んだ印象で、詩も書いてくださいましたので、
それで締めさせていただきました♪
あ、りんくさんは、もう一枚イラストを描いてくださってます。
それはまた別記事でアップさせていただきますね!!
お二人とも、本当にありがとうございました!
そして、読んでくださった方々も、お付き合いありがとうございました!!
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うわぁああああ
プラタナスとRinkさんのポエムで終わった〜( p_q)エ-ン
感動、感動、ありがとう、りずむさん。
子孫を残せないっていうのはBLでは、永遠の課題ですよね。
この二人は真剣に向き合って話し合って「いい関係」だなぁって思います。
若い死、悲しすぎますが、いつか直面した時にこのお話を思い出したい。
そう思います。
Rinkさんのイラスト、エンディングにぴったりでしたね(T_T)
弾けたRinkさんの静かな詩に、ドキリとしました。
りずむさん、難しいテーマを書ききって「おめでとうございます」
産んだって感覚でしょうか?
珠玉の作品です。
2010/3/18(木) 午後 1:14 [ アド ]
なんも言えません。凄く良かったです。。。。
色々考えてしまいます。。。
お疲れさまでした。ポチ★と村ポチ☆
2010/3/18(木) 午後 1:19
意外と絵は繊細なんですか!?本人は弾けてる?(笑)本当は人間も繊細なんですよ〜、気配りのRinkさんで有名なんですから・・・ねぇ、アドさん?
この話しは書いてて辛かったでしょうね。
あの、エロ大好きなりずむさんが、エロは最小限に真面目に取り組んでて、私なんか影で早くR行って行って!と煽ってましたが。(爆)
たぶん、1番難産した作品だったのでは?でも、そのおかげで1番印章に残る作品にもなったと思います。
ラストが私のイラストと詩で、ちょっと恥ずかしいですが。
りずむさんからいただいた話のイメージですぐに描けたんです。気持ちが篭ってますよ〜。
大人な二人だからこその話でしたね。
このイラスト私も好きです(上手い下手は別として)。描いてて温かくなりました。裸だけどエロくないですよね?なんか神聖な感じがするのは私だけ?
二人の目線に愛があるよな〜って。
乗り移られてる〜って思いながら描いた作品です。
BLの神が降りて来た〜〜(怖い((゚Д゚ll)))
だから、私も何度でもは思い入れが深い作品になりました。
描かせて頂けてありがとうございました!
2010/3/18(木) 午後 5:56 [ Rink ]
素敵なお話をありがとうございました♪
とっても素敵なまとめ方だと感動しております。
最後のリンクさんのイラストと詩がなんとも作風とあっているような感じがしますよ☆
最初から読み返ししてきまぁ〜す(笑)
2010/3/18(木) 午後 6:29
連載終了お疲れ様です!
プラタナスの下りにじーーーーん、と来て、
浅井さんと二宮さんの最後の語らいに感動・・・。
死ぬのが分かっていて努力する人間。
死があるからこそ、生きることは尊いし、
酷い世の中にあって人は人として生きる余地がある。と、思います。
闇が無ければ、光も無い。
↑真面目なこと言った。
>どんな生命にも繋がりが有って、生かし生かされてるんだよ。
その通りだと思います!
産めよ増やせよ、が人の役割として重要なんではなくて、
「愛する」ことそのものが重要なんだ〜〜〜!!
子孫は作れる人が作ればいいのです。
リンクさんのイラストと詩にも感動!
手を繋ごう・・・深いな〜。
イイ作品をありがとうございました!
2010/3/18(木) 午後 10:50 [ るか ]
私、りずむさんに出会えてほんとによかったです。
気付かなかったことが、このお話で気付かされました。
生の営みは、子孫を残すだけじゃなく、今を生きる人たちと共に生きること。
私は忘れていました。
私も家族や友達の他に、名前も知らない人たちによって生活できていることを忘れないようにしたいです。
そして誰かのためになれるような人間になりたいです。
りずむさん、すてきなお話をありがとうございました(m'□'m)
2010/3/18(木) 午後 11:06 [ APOH ]
浅井先生の言葉は、とても感慨深い物ばかりでした。
誰かの役に立つことは勿論、求める人に求められるというのは、実に素敵なことですね!
そんな当たり前のことに、改めて気がつかされました。
りずむさん、本当にお疲れさまでした!!
2010/3/20(土) 午前 7:20 [ なあも ]
アドさん、お付き合いありがとうございました。
淡々と語るだけの、山の無いお話でしたけど、なにか少しでも、読者さんの心に残ってくれたらなぁって思います。
リンリンとアルトはテノールをいっぱい可愛がってあげてね!=~.~=にゃー
2010/4/1(木) 午後 10:27
かっちゃん、お付き合いどうもありがとう!
なんか小難しいことばかり書いてしまいましたが・・・^^;
死生観を考えてみるのも有意義なんちゃうかなぁと思うわ〜・・
2010/4/1(木) 午後 10:37
りんくさん、お付き合いくださった上に、イラストまでありがとうございました!しごさんやりんくさんのイラストを支えにして書いたって感じだったわぁ〜〜〜!
一緒にいられる幸せが感じられるイラストを、ほんとにありがとう!
この二人には、ずっと手を繋いで仲良く生きてってほしいな〜(*థ౪థ)♡
2010/4/1(木) 午後 10:45
ポッチさん、なんかもう、エッチのないクソ真面目な話でしたが、お付き合いありがとうございました!
医師浅井には、じっくり考えてもらいたかった、というか、自分が去年から考えてきたことを、浅井を借りて書いておきました。
次は楽しい話を書くぞ〜〜〜ww
2010/4/1(木) 午後 10:49
鍵コメ8:16さん、この世はなにかにつけ平等ではありませんね〜。
貧しい国には、教育が足りないのですよ。内戦を繰り返したり、旱魃など自然に荒らされたり、そんな疲弊した国では上層部の権力争いや国民は食べることに必死で、教育が後回しになっています。
避妊することを知らない。教育を受けていないから低賃金でしか働けず、避妊具を買う金が無い。たとえ配布されたとしても、説明書が読めない。
疲弊した国は悪循環を繰り返し、自国だけではなかなか再興は難しいですね。
国連やNPOが支援しているのでしょうが、すべての国が救われているわけではありませんね。
しっかり教育を受けて、正しい情報を選び取り考える力を持って、国家経営をしていかなければならない、というのが国民の義務であり、平和と自分を守る手立てなのですよ。
などとまた小難しいことを言ってしまいました・・・・なんじゃこら。
2010/4/1(木) 午後 11:14
るかさん、お付き合いありがとうございました〜〜!(´д `;)ハアハア
死があるから生が輝くことができるのね!真面目なお言葉ありがとんかつ!!!
いや、実際、そういうところに考えが至ったのですよ・・・。
子作りはね、そうです、作れる人が作って、みんなでいい世の中を作って育てればいいのですよね〜〜w
りんくさん、優しい絵を描いてくれたでしょう?(*≖ิ‿≖ิ)ふふ
2010/4/1(木) 午後 11:48
あぽーちゃん、最後までお付き合いありがとう!>∀<
ふだん忘れがちなことで、ごくごく当たり前のことが、実は一番大切なことだ、という話だったでしょうかね。
あぽーちゃんはいつも優しくて一生懸命で、よく考えてると思うなぁ。私が同じ年頃のときは、もっとアホでした^^;あー恥ずかしい。
2010/4/1(木) 午後 11:55
しごさん(すけすけ)、ありがとう〜〜〜〜〜!!
去年からずーっと、しょっちゅうしょっちゅう考えてたことが、あのイラストのお陰でまとめられることができました・・・・
浅井のシリが丸くてきれい・・・・(*´Д`*)ハフーンハフーン
肌を合わせることって、やっぱり特別感があるんですよ・・・。
信頼や安心や、愛情がわいてくると思うのね。
切ないぐらい好きで、涙が出ちゃうときもある。(トオイメ)
次の貧乏さんも、とても清らかな絵だよね〜〜〜。でもきっと流生の胸のうちはエロエロwwwwでも、彼らはそれでいいのだ!!
どうぞこれからもよろしくお願いします!
2010/4/2(金) 午前 0:14
なあもさん、自分の存在も、なかなかなもんでしょ〜?(*≖ิ‿≖ิ)ふふ
自分を大切に、ですね!
さて、次は貧乏さんと遥人の中学生時代を書きますよ〜!!
2010/4/2(金) 午前 0:42
BBちゃん、生まれた順か!Σ(・ω・;|||
生かされてるっていうのは、強制ではなく、気付かないうちに自分の命が支えられてるっていう意味なのよね〜 ゚+.(o´∀`o)゚+.゚
年寄りがよく“お陰”とか“ありがたい”って言うけど、なんかその気持ちがわかってきたきがするわ〜〜・・・(ババア)
2010/4/2(金) 午前 0:52