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初嵐―1

予告からはや1週間・・・
なぜアップできなかったかというと、
題名が決まらなかったからー!!
みなさん初回からお話の内容にぴったりの題名をつけて
アップしていらっしゃいますが、スゴイww
私もまぁ、だいたいお話のあらすじというか、方向性を考えて、
それに準じた題名をつけるのですが、
題名や人名をつけるのは苦手・・・
 
初嵐とは、秋の季語で、初秋に吹く強い風という意味です。
初秋といっても旧暦なので、8月のことですが。
主人公の楓(かえで)がアイデンティティーを確立させるまでの、
自分や周りの人との関わりを表した・・・表すつもりで^^;(これから書く)
 
では、少しずつ、日がとびとびになるかと思いますが、
よろしくお願いします。
完結を目指して・・・あわわわ
 


       『初嵐』
 
早坂楓(はやさか かえで)の自転車が、
アスファルトの砂粒をちりちり踏んで進んでいく。
 
 
夏の日差しはキラキラと彼の髪を輝かせ、
風は汗のにじむ額を撫でながら、
漆黒の前髪をさらさら揺らして過ぎる。
午前中の部活を終えて帰宅途中の真昼、
黒いアスファルトの向こうには、かげろうが立って揺れている。
しかし都心から3時間あまりの片田舎の町、
道の両側は緑の稲穂の波が広がっていて、
その上を渡る風は意外と涼やかだ。
 
 
「楓!かーえーで〜〜!」
 
大声で呼びながら、自転車のハンドルから離した片手を
振って向かってくるのは、楓の同級生の大野健一だ。
幼馴染でもある。
 
「声でかいよ、恥ずかしい。」
 
文句口調だけれど、それでも彼の大ぶりなジェスチャーを楓が笑う。
 
「健ちゃん今から部活?」
「おう、今日はキャベツの種まきだったからさぁ。」
 
健一の家は農家である。
息子は貴重な労働力。農繁期には有無を言わさず手伝いに駆り出される。
 
「あはは。健ちゃんちの野菜、うちでは好評なんだからさ、
 がんばってよ。」
「まぁな。うちは大量生産狙ってむやみに肥料やるトコとは違うから。」
「健ちゃんちのなら俺、ニンジン食べられるもん。」
「だろ?あのニンジンはな、・・って俺、急いでるっちゅーの!
 じゃな!あ、後でお前んち芋持って行くから!」
 
自転車の前かごには、アルファベットで学校名と
バスケットクラブと書かれた大きなエナメルバッグが放りこまれている。
健一は慌ててペダルを踏み込んで、楓の横を通り過ぎていった。
賑やかしい豆台風が去った後、再びのどかな田園風景の静けさが戻る。
楓は少しの間そこにとどまって健一を見送ったあと、
再びゆっくりと自転車を前へこぎ出した。
 
 つづく
 
 

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