理系白書ブログ

毎日新聞「理系白書」の記者がつくるブログです

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greenman?

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元村です。土曜だけど出勤。

今週の科学界のトピックといえば、NASAが3日未明に発表した「地球外生命探査に影響を及ぼす成果」だろう。
一時は「宇宙人発見か?」と、主にネットで大騒ぎになった、あれである。

NASAの会見通知を知ったのは先月末。タイトルを見て一瞬私も「地球外生命の痕跡が見つかったのかな?そりゃ大変だ」と思った。
ともあれ、会見までに、ニュースの内容の見極めも含めて準備をしなくてはならない。

いろいろと調べているうちに、この発表は、米科学誌サイエンスの発行に合わせて開かれると分かった。
つまり、サイエンスに報告が掲載されるということである。

科学記者は、さまざまな論文を読みこなして発行と同時に記事を出せるよう、発行前に論文を読むことができる。これは発行元との協定に基づくものだ。

それを見てみると、会見のタイトルとは様子が違う。学術誌を担当する同僚と、首をかしげる。
「ヒ素をDNAに取り込んで増殖する細菌を、カリフォルニアの湖で見つけた、とありますけど…地球外生命とは書いてませんね」
「うーん。リンの代わりにヒ素で生きられるということは、生命に不可欠な6元素がなくても生存できるということだから、地球外生命にこういうタイプの生き物がいてもおかしくない、という類推は成り立つね」
「でも、地球外生命とは…」
「この論文の著者と、NASAの会見に出る人とは同一人物で、彼女は宇宙生物学者だから、たぶんこれだよね」
「だけど、もし会見に、宇宙人がいたらどうする?」
「いや、そんな事態だったらNASAじゃなくホワイトハウスが会見するよね」
「そうでしょうか…」
「もし宇宙人が出てきたらどんな紙面を作ればいいんだろう?まずは号外か。ははは」

こんな風で、おそるおそる会見の瞬間を迎えた。
同じ気持ちでネットをのぞいた人が大勢いたそうだ。
キャッチーな見出しで世間の関心を引いたNASAの作戦勝ちともいえるが、「宇宙人?」があまりのいきおいでひとり歩きしたために、この発見そのものの相対的な価値が低くなってしまったのが残念。
生物学上のトピックとしてはとても興味深いと思う。
今後の展開が楽しみだ。

さて、来週はノーベルウィーク。張り切っていこう。

写真は、TBSのサカス広場に登場した宇宙戦艦ヤマトの模型。大きくて迫力がある。
最近、カブがおいしくて。葉っぱもつかった、ベーコンとかぶのクリームパスタ。

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