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悲劇を忘れないために・・・先月、関越自動車道で7人が死亡する高速ツアーバス事故が起きました。 業種こそ違えど、ワタクシ自身も交通従事員の一人としてこの事故に心を痛めております。 現在のマスコミ報道の流れとしてはバス会社や運転士を叩く風潮になっておりますが、果たしてそれで問題は解決できるのでしょうか?利用者としては安全であることが当然であり、その費用を捻出するため多少運賃が割高になっても止むを得ないとまではなってないように思えます。 今回のバスツアーに関していえば北陸から新宿・TDRを3000円程度の運賃で運行していますが、乗客45名として計算すれば片道あたり135,000円の収入、往復で270,000円の収入になります。しかし全額がバス会社の収入になるわけでなく、往復でその一部が運行委託料としてバス会社に支払われることになります。その中から人件費・整備費・燃料費・利益を捻出しなければなりません。 報道によればバス運転士の日当は1万円、2泊3日の拘束ですから3万円、高速代もETC割引を適用して往復16,000円程度、仮眠するためのホテル代に燃料費を差し引けば微々たる額しか残らないでしょう。 利益を出そうとすれば当然削れるところを削るしかありませんので、行き着く先は人件費と整備費になってしまうのです。 主催する旅行会社は確実に自分たちの利益を確保します。確保した上で悪のささやきとも言えるダンピングを持ちかけているわけです。運転士2人で運行しようとすれば1人で賄える距離だから・・・、頑丈な部品を導入したいけど壊れてから考えてみれば・・・等々。委託されるバス会社はほとんどが中小企業でかつ貸切専業であり、独自に収益を上げる路線を持っていない場合がほとんどで、当然ながら足元を見られるわけです。そんな実態が克明にされた動画が2ちゃんに貼られていましたので、ぜひご覧になっていただきたいと思います。 NHKスペシャル 『高速ツアーバス 格安競争の裏で』 1/6 http://video.google.com/videoplay?docid=-7978300445495351803# 2/6 http://video.google.com/videoplay?docid=-1565576637918115542# 3/6 http://video.google.com/videoplay?docid=-2606544073629776333# 4/6 http://video.google.com/videoplay?docid=3915181199446127188# 5/6 http://video.google.com/videoplay?docid=-7131111695412202507# 6/6 http://video.google.com/videoplay?docid=-5778348231197491470# ※番組内で紹介されていた「とうりゅう観光バス(土江産業)」は、放送から約1年半後の 2008年8月に倒産した。 取材時は数年前ですが、おそらく現在もこのような実態でしょう。 安かろう悪かろうの裏には当然それなりの理由があるのがこの動画の中から垣間見えてくるのではないでしょうか。以前からもツアーバスの危険性はネット上で指摘されてきましたが、国土交通省が規制に乗り出し始めようとした矢先の大きな事故で、後手後手だった監督官庁の対応も問題視しなければならないのかなと思います。 ワタクシが働く鉄道業界だって同じようなことが言えますよ。 言いたいことは山ほどありますが、一つに絞って言わせてもらえば、最近はどこの駅のホームにも非常停止ボタンが設置されていると思います。きっかけになったのは新大久保駅乗客転落事故からです。 皆さんはこれで安全が確保されたと思うことでしょう。しかし鉄道業界に勤めるワタクシの考え方は違いまして、異常があったときの列車停止手配は鉄道員が行うべきことでそれを乗客に代行させるのはもってのほかと思ってます。本来なら鉄道員が乗客の安全を確保しなければならないのに、それを行わないとはどういうことか?つまり人がいないということなんです。ワタクシが乗務員になって10数年経ちますが、ワタクシが乗務員になってから運賃値上げはしたことがありません。それでいて高い高いと言われる電車賃。じゃあどうすればいいんだって話です。 昔でしたら利益が見込めなくなれば運賃値上げで対処してましたが、今の制度ではそう易々と運賃値上げを認めてくれない制度になってしまいました。どれだけ経営努力(=リストラ)したかによってその上げ幅を抑えられてしまうので常に鉄道会社としては経費削減を血眼になって行うことになったのです。その極端な話が人減らしに辿り着くわけです。なんでもかんでも機械化が進み働く立場としては便利になった部分もありますが、同時に働き口が減ったわけでもあります。必要人員が減り、いいことずくめのように思えますが、実際には切り捨てられた部分もあるわけで、それが乗客の安全に跳ね返っていると思います。 騙されてはいけません。安全を守るのはプロの役割であって乗客ではありません。多少払うものが増えたとしても安全を確保するための人員を増やして欲しいという風潮に持っていって欲しいとワタクシは願っています。 安いのにはわけがある、その結果が今回の事故に繋がったとワタクシは確信してます。安いことが万能ではないという証明にもなったでしょう。経費を抑えて安全を確立するなんて話は有り得ないと思いますよ。
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