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大館駅で特急〈チガル〉を撮影

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歴史の深層
220日午後、JR大館駅に行くと、特急〈つがる〉が1番線に入ってきた。
青森発1336分、大館着1448分、秋田着1620分。
 
特急〈つがる〉は201012月東北新幹線が新青森駅に延びたとき、奥羽本線の秋田駅と結ぶために走った。しかし、なぜそういうネーミングなのか、考えさせる。
 
1 秋田県と青森県を走るから、津軽地方の名を付けるのは秋田県民の感情を傷つけるおそれがあるが、青森中心の交通システムなので、合理的である。
2 懐かしい夜行急行列車〈津軽〉を記念する意味がこめられている。この急行は奥羽本線経由で上野-青森間を走った哀愁列車だった。
3 何と言っても、終着駅は津軽地方にあり、津軽海峡の連絡船で北海道に結ばれていた歴史的な背景を残したい。
4 津軽半島の金木町出身の作家太宰治が戦時中〈津軽〉を書いたので、文学的な色彩がある。
 
秋田のローカル・カラーも豊かだが、秋田の名を付けた作品や列車などは聞いたことがない。
 
ところで、太宰は言葉の魔術のような小説を書いた人だから、いい加減な考えで〈津軽〉を題名にしたとは思えない。現地の人たちが津軽を〈チガル〉と発音することを意識していたはずだ。
 
津軽 チガル
 
津軽地方の人たちの発音を確認していないが、北秋田地方の古風の方言ではそう言う。そして、これは〈ちがう〉と同じ発音である。なぜか、冗談みたいにそうなっている。
 
―特急〈チガル〉さ乗るのが?
(特急〈つがる〉に乗るのか)
―んだ。〈チガル〉
(そうだ。〈つがる〉)
 
同時に否定する話し方はユーモアのように感じられる。しかし、これは歴史の深層から来ている。歴史研究者が現地に行きながら、あるいはその地方に住んでいながら現地特有の発音について注意しないのは笑えない喜劇である。
 
 
HHJ
 
 
Filming; 2012.2.20  JR大館駅
 
 
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