◎日本は財政危機ではなく、「政策危機」である、増税は税収激減し日本が破滅する◎
菊池英博氏は、銀行マンとしての豊富な実務経験を持つ学者である。銀行マン時代は、旧東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)で国際投融資、銀行経営の実務に長年従事した。退職後、平成7年(1995)に文京女子大学(現文京学院大学)の教授となり、国際金融、及び日本経済の専門家として、積極的に政策提言をしてきた。
経済という言葉は、「経世済民」という言葉から来ている。経世済民とは、「世の中を治め、人民の苦しみを救うこと」を意味する。私は、経済という言葉の由来から言って、菊池英博氏はまさに「経世済民」の経済学者だと思う。“経世済民のエコノミスト”と氏を呼ぶ所以である。 橋本構造改革の結果、平成10年(1998)に金融危機が発生した。この時、菊池氏は、経営責任と株主責任の計画化を前提として、大手銀行に公的資金を注入することを提案し、それが法制化された。 わが国の財政に関する菊池氏の主張のポイントは、日本の財政は純債務でみなければ的確に把握できないという点にある。菊池氏は平成13年(2001)2月27日の衆議院予算委員会、及び3月15日の参議院予算委員会公聴会で、「日本の財政は純債務でみるべきであり、財政支出余力は十分ある。日本は積極財政をとらないと、財政赤字は拡大し、政府債務は増加するばかりだ」と公述した。また14年(2002)2月27日の衆議院予算委員会公聴会でも、「緊縮財政(とくに投資関連予算の削減)を継続する限り、デフレは一段と進み、財政赤字は拡大するばかりだ」と主張した。 デフレは、簡単に言うと、継続的に物価が下落することである。デフレーションはもともと「収縮する」という意味であり、デフレは物価が下落しながら、景気が悪化し続け、経済が収縮していく現象である。 菊池氏は、平成13年(2001)4月小泉内閣の成立後、「小泉経済政策では財政赤字が拡大し、日本は行き詰まるであろう」と言い続けた。「その後の推移をみると、結果は私の見解どおりであり、2001年度からの小泉財政政策は政府債務を増加させるだけで、あらゆる面で行き詰まり、その結果、大増税に追い込まれている」と菊池氏は述べている。 ここに言う「大増税」こそ、消費増税である。本年(平成22年、2010年)2月24日、菊池氏は衆議院予算委員会公聴会で、「あくまで経済成長、全体を引き上げるような、消費税抜きでの税収増を考えるべきだ」と主張している。その前年7月、菊池氏は、大増税をすることなく、日本を復活させるための5ヵ年計画を発表した。積極財政路線による具体的な提案であり、大いに注目すべきものである。私は、別稿で書く予定である丹羽春喜氏の政府貨幣特権の発動による「救国の秘策」とともに、国民が広く知るべき重要な提言だと思っている。 ●日本は財政危機ではなく、「政策危機」である 菊池氏は、平成17年(2005)12月に、『増税が日本を破壊する』(ダイヤモンド社、以下『増税』)という著書を出版した。本書で菊池氏は、次のように言う。 「日本は財政危機ではない。『政策危機』だ。政策を間違えて緊縮財政(投資関連支出の削減)を6年も継続しているから、税収が激減し、政府債務が増加してしまったのだ」「緊縮財政を継続し、ここで大増税を実行すれば、間違いなく、日本は財政危機に陥る」「その上、債権国である日本が、債権額が減少し債務国に転落すれば、財政危機どころではなく、国家の危機である。そうなれば日本国の破滅である」と。 そして、菊池氏は訴える。 「『未来にすくむな、日本国民!』 幸いなことに日本にはわれわれの預貯金がある。知恵と勇気を出して、そのカネをわれわれ国民のために使わせるように行動すべきなのだ。政府が政策を転換して自分のために自分のカネを使う政策をとれば、不況や失業、デフレや高齢化・少子化問題は吹き飛んでしまう。次々と危機を唱えるよりも、行動することだ。われわれの伝統ある日本を取り戻すために、まず増税をやめさせることから始めようではないか」と。 残念ながら、菊池氏の批判と提言は国政に生かされることなく、日本経済は停滞を続けてきた。しかもその上に、アメリカに端を発したサブプライム・ローン問題、リーマン・ショックによって世界的な経済危機が起こった。グリーンスパン元FRB議長は「100年に1度の大津波」と表現した。わが国も大津波に襲われた。この経済危機の中で、菊池氏は平成21年(2009)7月、『消費税は0%にできる』(ダイヤモンド社、以下『0%』)を出版した。 本書で菊池氏は、次のように言う。 「現状を打開する政策が取られなければ、日本は間違いなく『20年デフレ』『国民所得半減』に向かって一段と深刻になるであろう。まさに債務国への転落である。こうした事態をどのようにして阻止するか。幸いなことに、日本は世界一の金持ち国家で、300兆円のおカネを海外に貸し出しており、日本には財源はいくらでもある。『われわれ国民のおカネをいかにして日本のために使うか』が焦点である。そうすれば、消費税の引き上げなしで、医療も年金も賄うことが可能である」と。 菊池氏は、本書で「日本復活5ヵ年計画」を発表した。その内容は、本稿の最後に掲載する。まずは、菊池氏の理論と主張を概観しよう。 ※上記は、菊池氏の論説を掲載されている。オピニオン・経済・社会ブログよりの「転載」 多少古い論説ではあるが、現在の状況下でも丁度当てはまるものであり、今政治が増税ありき一色に、警鐘をもたらすべき論説である。大いに参考になるものである。 ![]() にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ(文字をクリック) |
