きよねの【LOVESICK】ブログ

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サスケご生誕祭

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'08「年の差なんて(番外編)」上忍サス×下忍ナルss

 
今日も他愛無い内容の任務を終えた第七班は、夕日を背にしつつ最後の後片付けをしていた。
本日の任務内容は川の掃除である。
木ノ葉の里の中心部から少し外れた所を流れる小川は、かなりの透明度と穏やかな流れをもち、夏場は子供達の格好の遊び場となっていた。
その親しまれている小川に先週末やってきた台風が、色々なゴミを運んできたのである。
中には大きな流木やらも流れついていて、片付けるのは割と骨が折れる仕事ではあったけれど所詮はDランク任務、途中ナルトが足を滑らし水没する等のプチ・ハプニングもあったが、それもいつもの通りのお約束だ。
かき集めたゴミを燃える物とそうでない物に分けて、それぞれ詰め込んだ袋の口を縛っていく。
最後の一袋に手を伸ばそうとして屈んだナルトの視界がいきなり陰った。
不思議に思いゴミ袋から顔を上げれば、顔の半分を不自然に覆い隠している上忍が目の前に立っている。

「ナールト!明日何の日か知ってるか〜?」

いかにもなウキウキ声でそう訊ねるのは、言うまでもなく第7班の指導にあたるカカシ先生その人だった。

「いきなりなんだってばよ、カカシ先生?」

なんだかヤケに機嫌がイイのをいぶかしんで、若干なりとも上体を反らしつつ引き気味で受け答えれば、更にずいっと一歩踏み込みナルト顔を覗き込むようにすると、いやにあっさり答えをくれた。

「んー、うちはサスケ君の生まれた日なんだよね」
「・・・は?」
「だーかーらー、明日はサスケの誕生日なんだってこ〜と」

意外な言葉に頭がついていかず間抜けな返事をするナルトに、くえない上忍はますます嬉しそうに続けた。

「ホ、ホントに?」
「こんな事で嘘つかないよ。今はSランク任務で里外へ出てるけど、確か明日には終わって戻って来る予定だぞ」

何故か楽しそうなカカシはナルトの頭にぽんと手を置きながら言うと、殆ど片づけが終了した事を確認し「今日はおしまい。明日はオヤスミだからねー!」と解散の号令を出したのだった。


   ◇   ◇   ◇


夕焼け空の下、なびかせる金髪に淡いオレンジ色を映しながら急いで商店街へと走り抜ける。
目指すは同期で同じ下忍の一人、山中イノ宅。
夕飯時の買い物客で賑わう大通りを右に曲がれば、すぐ目当ての看板を見つけることが出来た。
『山中生花店』その店先には沢山の季節の草花が並び、寒い地方の珍しい花なども取り扱う、イノの家は里では有名な花屋だ。
息を切らせつつ滑り込んだ店内には、エプロンを付けたイノが丁度店番をしていた。

「いらっしゃ・・・めっずらしいわねナルト」
「昨日もアカデミーの前で偶然だけど会ったってばよ」
「・・・違うわよ、アンタが花屋に用があるって事がよ。で、何が欲しいの?」

最初はにこやかだった表情が、眉間に皺を寄せつつ言うことは尤もだ。
怯みそうになりつつも目的を果たすためにナルトは口を開いた。

「っと、花の種が欲しいってばよ」
「何の花よ?」
「今は何を蒔けばいいってば?」

ナルトが知っている花の種類など高が知れている。
もちろん詳しい知識等は皆無な訳で、ここは一先ず専門家であろうイノのアドバイスを参考にするつもりだった。

「今って・・・花の種まきには時期外れすぎよアンタ・・・」
「えー、そうなの!?」

実のところこの時期に蒔ける花の種など殆ど無い。
芽が出る前に暑さにやられてダメになってしまうからだ。
夏の代表花の朝顔やヒマワリなどの種蒔きは初夏の頃だし、遅咲きという手もあるが、それにしても些か遅すぎるのは否めない。
そんなイノの説明に当てがハズレまくり肩を落としていると、不憫に思ったのか1つの花を勧めてくれた。

「多少時期がずれているけど、このヒマワリは蒔けない事はないと思うわ。暑いからちゃんと水をあげてね」

なんでも北の地方や夏が短い土地柄でも咲けるように品種改良された種らしい。
今から蒔くとして上手く育てば秋分の頃には花が咲くのではないかと言うのだ。

「それに決めた!」

他に選択肢のないナルトは即決すると、育て方を詳しく教えてもらい、「ありがとうだってばよ!」とお礼を言って店を飛び出した。
イノは呆気に取られつつも辛うじて「まいどー!」と声をかけるが、すでに小さくなったその後姿には到底聞こえそうもなかった。


   ◇   ◇   ◇


手にしている小さな紙袋には、ついさっきカップラーメンを買う程度のお金で手に入ったヒマワリの種が入っている。
どんどん暗くなりつつある中、ひたすら目的地へ足を動かした。
早くしないと日が落ちきってしまい、作業が困難になってしまう。
そうなる前にと自然に走るスピードは増していき、うちはの家へ辿り着いたのは一番星が煌き始める頃だった。
人の気配の無い寂しい場所に大きな家はひっそりと佇んでいる。
サスケが任務に出てるのだから当然玄関の鍵はかかったままだ。
くるりと裏手に回れば、家の大きさに見合うだけの庭がある。
以前はちゃんと手を入れてさぞかし立派な庭だったのだろうが、今はありとあらゆる雑草で荒れ果て放置されたままだった。
それはここに来て庭を見るたび切なく感じる程に。

「さーてと始めっか!」

左右の手を組み合わせて印を結ぶ。

「影分身の術!」

掛け声と共に猛烈な勢いでナルトが増えていく。が、いくら広い庭でも千人のナルトは多すぎた。

「イテ!足踏むなって!」
「オマエ邪魔だってばよ!」
「狭い〜」

あちらこちらで大騒ぎだ。
至る所で今にも小競り合いが始まりそうな雰囲気に、いくら荒れ果てた庭でもこのままでは崩壊の危機に晒されているのも同然だった。
慌てて術を解き庭に溢れ替えったナルトを消し去ると、今度は定員オーバーにならぬよう10人程度の影分身の術にした。

「あ、焦ったってばよ・・・」

作業前からかなり疲れてしまった気がするが、とりあえず目に付いた背の高い雑草から引っこ抜く。
前は花壇だったのだろうと思しきエリアから外れた雑草はすべて取り去るつもりだった。
とうに日は落ちて、暗い中での作業は中々捗らない。
けれど作業に没頭しているうちに、気が付けばあらかたの雑草は抜き終わっていた。
ゴミを一箇所に纏めて後始末をして一息つけば、空には星が瞬いて綺麗な光を放っている。

「さーてと、こっからがメインイベントだってばよ!」

もう一頑張りとでも言うように、ポケットからヒマワリの種を取り出した。


   ◇   ◇   ◇


酷使した体を引きずって、疲れた顔をしたサスケが家に帰ってきたのは、朝の9時をまわった頃だった。
火影の館で報告をすませてまっすぐ家に戻ってくれば、どことなく我が家に違和感を感じる。
玄関の周辺では任務に出る前とまったく差異は感じないが、試しに裏手に回ってみると思わず「なんで、こんなことになってるんだ?」と呟いてしまった。
のび放題だった雑草たちは忽然と姿を消して、その代わりに何年ぶりかで土が顔を出している。
そして一番日当たりのよい場所はくるりと小石で囲ってあり、傍には何か小さな木の看板が立っていた。

『秋のヒマワリ』

小さな看板の前に屈みこむと、そこには汚い字でそう書かれていた。

「は?」

サスケにはまったく心当たりはなかったが、庭の片隅に大の字で爆睡しているヤツが目を覚ましたら、この状況を全部説明してくれるのだろう。

「ボロボロじゃねぇかよ、まったく」

口調とは裏腹にサスケの顔は綻んで、疲れてうっかりと寝込んでしまったらしいナルトをそっと抱え上げ、家の中に入っていった。
全然起きる気配の無いナルトに苦笑しながら、自分も任務明けだということを思い出す。

「とりあえず・・・寝るか」

ナルトはサスケの腕に揺られながら、沢山のヒマワリが咲き誇る庭を夢を見ていた。
ヒマワリだけでなくこれから色々な種を蒔き、季節毎に草花が所狭しと庭を飾りたてる。
そしてもう寂しくなくなった庭を見ながら二人で笑うのだ。
それがナルトからサスケへの誕生日プレゼント。
ナルトが起きてサスケに「おめでとう!」と言うまであと数時間。
庭を見て切なく感じなくなるのも、あと数時間・・・。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ギリギリだー!
最初はすっごい短い話で、さっくりと書き終わるハズだったのに・・・
どうしても23日中にあげたかったのですが、もう自分でも何書きたかったのか分からんです!
このシリーズいつもはサスケ目線ですが、今回はナルト目線で書いたので番外編です。
だけど一人称で書くの忘れてた・・・やっちまっいました・・・。
ああああ・・ 

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サスケって、まったく暑い季節に生まれたのね。
こんな時期に蒔ける種なんて無いものね。
ヒマワリかぁ〜^^ヒマワリなら咲くかもね。^^v
ナルトの影分身が大騒ぎしているところが目に浮かんで楽しかったです。

ナルト誕生祭もあわせて読ませてもらいました。
この二人の話には、なにげにカカシが関わっているんですね。

2008/7/24(木) 午後 6:00 よっこ

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よっこさん>
暑い季節ですよね〜
一応調べてみましたが、ヒマワリでもかなり条件厳しいみたいなんです。
大した話でもないのに御覧頂きまして恐縮です。
なんとなくキーパーソンはカカシ先生にしたくなるんですよ私。

2008/7/25(金) 午前 1:27 きよね

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