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ドクター差別と選ばれし者たち

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ツィッターの情報で知りましたが、「SankeiBiz」というサイトの【ビジネスアイコラム】に、新卒一括採用は「年齢差別」(注:2012年12月15日付 執筆者はジャーナリストの牧野洋氏 http://www.sankeibiz.jp/business/news/121215/bsg1212150501000-n1.htm)という記事が掲載されています。久々の「年齢差別」のネタなので、「ちょっと古い話」ですが(今回)取り上げてみることにしました。おっと、「まさか」とは思いますが、私・ドクター差別が元々は「年齢差別の専門家」である、ということを知らない方はおられませんよね?(苦笑)
 
>日本型経営の根幹は長期雇用を前提とした年功序列型システムだ。このシステム維持に必要なのが新卒一括採用。
 
 「近年、変貌しつつある」とは言え、大企業を中心(役所も同じ)に、未だに「新卒一括採用+年功序列+定年制」という雇用制度が主流です。
 
>新卒一括採用は採用対象者を新卒者に限るため、事実上の年齢差別を招く慣行だ。だが、日本には「年齢制限=差別」という意識が希薄で、当局が年齢差別を摘発することもない。
 
 2007年の「改正雇用対策法」でも、「新卒一括採用」は、「例外事例」として認められてしまっています。「公務員(採用試験)」は、なぜか、「元々、例外扱い」です。
 
>紙面上では性別などによる差別全般に批判的な新聞社も年齢制限には“寛容”だ。朝日新聞は13年春の記者職募集概要で、「入社時点で30歳未満であれば応募できます」としている。
 
 ところで、「産経新聞」は「年齢制限」をしていないのでしょうか? ネット(http://www.sankei.co.jp/saiyo/recruit/index.html)で確認したところ、しっかり、「29歳未満」という「年齢制限」をしておりました。
 
>「人気企業ランキング」も新規一括採用、つまり年齢差別を前提にしている。ダイヤモンド社が実施する「ダイヤモンド就職先人気企業ランキング」は大学生・大学院生だけが調査対象で、実務経験者は対象外だ。働いた経験がない学生だけを対象にするから、イメージだけで選ばれた企業がいつも上位にずらりと並ぶ。
 
 これは、私・ドクター差別も気づかなかった観点です。たしかに、毎年の「人気企業ランキング」を見ると、その時点で「景気の良い企業」、「イメージの良い企業」が並んでいます。また、「(公務員など)安定した職業」が人気なのも、「新卒一括採用+年功序列+定年制」という「年齢差別」を前提にしているからこそでしょう。
 
>年齢差別による弊害は多い。有能な女性社員が出産を機に退社すると、年齢差別の壁に阻まれて再就職が難しくなる。女性の社会進出を促すには、性別による差別禁止に加えて年齢差別禁止も加える必要がある。そうすることではじめて企業は女性を戦力として有効活用できる。
 
 まあ、これは、「女性だけ」に限った話ではありませんね。男性だろうと、女性だろうと、若い人であろうと、比較的年齢の高い人であろうと、「能力」や「やる気」、「責任感」、「給料」などで採用するかどうかを決める、ということでなければいけません。
 
>大学院へ自費留学し、語学力や専門知識を身に付けた人材も日本では活躍しにくい。経営学修士(MBA)の取得を目指すには、まずは少なくとも数年の実務経験を積んでいなければならない。となると、MBA取得時には30歳前後になり、やはり年齢差別の壁にぶつかる。
 
 「年齢が比較的高い有能な人」よりも「若い純真無垢な人」を好む、というのが、日本の企業に「ありがちなこと」ですね。
 
>ちなみに、アメリカへMBA留学する日本人学生の大半は企業・官庁派遣組で、MBA取得後の就職先は決まっている。アメリカ人学生の大半が自費留学であるのと対照的だ。
 
 私・ドクター差別は若い頃、2年ばかりアメリカに(個人)留学しておりましたが、日本の企業から「MBA」を取るために送られてくる人が結構おりました。そういう人たちは、(個人留学よりも)比較的スムーズに入学でき、卒業もできたようです。あちらの大学関係者の話(=あくまで噂だが)では、ハーバードやスタンフォードなどと言っても、所詮、「私学」であり、経営上、「あまり成績が良くない(日本人)学生でも、(来年以降の受け入れを考えれば)MBAを取得させないわけにはいかない」ということでした。
 
>当たり前だが、年齢や性別、国籍などにこだわらず、世界中から幅広く有能な人材を集めて活用することが企業の競争力向上に欠かせない。
 
 まさに、「当たり前」のことですが、この「当たり前」のことができないのが、日本なんですね。
 
>だが、日本企業は今もあからさまに年齢差別しており、それを改める姿勢も見せていない。競争力向上に向け、アメリカのように履歴書に生年月日を書かせないルールを導入したらどうだろうか。
 
 そもそも、民間企業だけでなく、役所も、「公務員採用試験の年齢制限」という「年齢差別」をしています。つまり、国や自治体が堂々と「年齢差別」をしているのです。いや、それどころか、「積極的(差別)改善処置(=アファーマティブ・アクション)」と称して堂々と「男性差別」もしているのですから、開いた口が塞がりません。それでもなお、「日本は差別の少ない国」なんてのたまう人がいるのですから、何をかいわんや、です(汗)
 
 ところで、私・ドクター差別は、「年齢差別」に反対する啓発活動を通じて、すでに数年前に「画期的な解決策」を見出し、(機会ある毎に)提言しています。それは「中・長期の有期雇用契約の一般化」です。従来の「有期雇用」は「短期(=原則1年以内、例外的に3年以内)の有期雇用契約」しか認められておりませんが、それを「中・長期(=たとえば、最低5年から最大20年)の有期雇用契約」を認めるようにするわけです。
 
これにより、
 
①年齢制限がなくなる
 
 「期間を定めた雇用」では、求人の際に「年齢制限」をする合理的理由がないので、「年齢制限」はなくなる
 
②、「正規雇用」と「非正規雇用」の待遇格差がなくなる
 
 「期間を定めない雇用」と「「期間を定めた雇用」という区分がなくなるので、「正規雇用」と「非正規雇用」の待遇格差の問題が根本的に解決される
 
③雇用者にとって大きなメリットがある
 
 雇用者にとっては、1日かそこらの「試験」や「面接」(における判断)で、一生(=新卒から定年までの長期間)雇用しなければならないというリスクを回避できる(注:「有能だ」と思って長期契約を結んだが、「期待はずれ」だった場合は、それなりの「違約金」を支払い、契約を解除できる)、と同時に、いつでも「有能な人材」を採用することができる、という2つのメリットがある
 
④被用者にとっても大きなメリットがある
 
 被用者にとっては、新規学卒者として採用されたにもかかわらず、数年後何らかの理由で退職した場合、再び「(新卒時と同じような)良い条件」で就職できにくいというデメリット、あるいは、何らかの理由で退職を希望しているにもかかわらず、退職したら再び「(新卒時と同じような)良い条件」で就職できにくいということで嫌々その会社で働き続けなければならないというデメリット、(いずれの場合でも)このデメリットが解消される
 
⑤日本経済にとっても大きなプラスである
 
 「年齢制限がなくなる」ということは、「(年齢)差別がなくなる」というだけでなく、「(属性ではなく)能力を最優先する」ということであるから、労働効率が高まり、企業にとってプラス、ひいては、景気も上昇し、、企日本経済にとってもプラスになる
 
というわけです。こんな「良いこと尽くめ」の方策をしない手はありません。
 
 

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    雇用の安定は、ほとんどの国民共通の願いかと思います。
    5年や10年の有期雇用が一般化したら、5年ないし10年ごとに、就職活動を行わなければならなくなり、将来の見通しも立てられない国民が多数生じます。それよりは現在のように、新卒一括採用が原則で、企業が簡単に解雇できず、国民が長いスパンで自分の人生を設計できる方がいいです。
    こと雇用に関しては、安定が要請されます。一切の差別をなくせば、弱肉強食になって生活が不安定になる国民が多数生じるということに注意が必要です。 削除

    [ 探究者 ]

    2013/6/13(木) 午後 6:45

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    現在、正規雇用と非正規雇用があります。そして非正規雇用の劣悪な労働条件が問題になっているわけです。しかしドクター差別様の唱える解決方法では、全員が非正規になります。条件の悪い方に、良い方まで合わせてしまってどうするのでしょうか?企業は栄えても、労働者である一般国民が豊かにならなければ、日本はほんの一部の人に富が集中する、不健全な国家になるでしょう(現在そうなりつつある)。
    解決策は何か?非正規の、禁止に近い規制強化で非正規を減らすことです。そうすると正規と非正規を足した雇用者総数は今より減るでしょうが、夫婦両方が働いている世帯への課税を不利にして片働きを推奨すれば、各世帯へあまねく正規雇用が届いていきます。現在の問題は、家計を主として支えるべき人に、正規雇用がいきわたっていないことなのです。ドクター差別様の提唱する解決策は、何らこのような問題の解決にはならないと思います。 削除

    [ 探究者 ]

    2013/6/13(木) 午後 7:01

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    探求者様

    >5年ないし10年ごとに、就職活動を行わなければならなくなり、将来の見通しも立てられない国民が多数生じます。

    「20年」というのは、無視ですか? また、たとえばの話ですから、何なら「最長30年」でもいいんですけど?

    なお、契約は更新できますから、「普通」に働いていたら、継続して雇用されるでしょう。企業だって、働いてくれる人がいないと成り立ちませんから、そうそう「解雇(=契約打ち切り)」はできません。

    そうそう、この「中・長期の有期雇用契約」は、年齢制限の廃止が条件ですから、被用者にとっては、解雇は今ほど「怖いこと」ではなくなります。

    >条件の悪い方に、良い方まで合わせてしまってどうするのでしょうか?

    「非正規=劣悪な雇用条件」と勝手に決めてはいけません。「皆が非正規」なら、今の「劣悪な雇用条件」のまま、それが一般化するわけがありません。

    ドクター差別

    2013/6/13(木) 午後 10:12

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    続き

    >禁止に近い規制強化で非正規を減らすこと

    雇用状況は、今よりさらに悪化します。「正規」になれない人はどうすればいいのですか?

    >家計を主として支えるべき人に、正規雇用がいきわたっていない

    「家計を主として支えるべき人」が「有能な人」であれば、「中・長期の有期雇用契約が一般化」されても、何の問題もないでしょう。

    要するに、あなたの主張は、「能力主義の否定」です。「能力主義」を否定すれば、公平性が損なわれますし、当然、労働効率も低下します。これ(=能力主義の否定)は、雇用者にとっても、被用者にとっても、社会にとっても良いことはありません。

    ドクター差別

    2013/6/13(木) 午後 10:16

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    >>雇用状況は、今よりさらに悪化します。「正規」になれない人はどうすればいいのですか?

    非正規を法制度的になくせば、雇用者総数は確かに減ります。
    しかし私が言うように、共働きを抑制していけば、各世帯に正規雇用がいきわたります。

    >>「家計を主として支えるべき人」が「有能な人」であれば、「中・長期の有期雇用契約が一般化」されても、何の問題もないでしょう。

    有能な人でなくても、夫婦のどちらかが家計を主として支えなければいけないんですよ。有能でない人でも、家計を主として支える人にはそれなりに収入が得られるようにしないと、国民全体が豊かな社会になりません。有能な人でない人のことも考える必要があります。

    雇用の問題は、単に能力主義が行われればよいという問題ではありません。国民全体の福祉(底が高いこと)が図られなければならないのです。 削除

    [ 探究者 ]

    2013/6/13(木) 午後 10:58

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    >共働きを抑制していけば、各世帯に正規雇用いきわたり

    「共働き」をどうやって抑制するのですか? また、「共働き」でなくする場合、「男は無能でも外で働け、女は有能でも家事をしろ」ということでしょうか? それって「能力主義の否定」ですね。

    >有能でない人でも、家計を主として支える人にはそれなりに収入が得られるようにしない

    「中・長期の有期雇用契約の一般化」でも、ほとんどの人が「それなりの収入」を得られますよ。

    >国民全体の福祉(底が高いこと)が図られなければならない

    今は、そうなっていないから問題なのです。それは1にも2にも、「能力主義」でないからです。「能力主義」こそ、国の活力を生み、国民を豊かにする基本です。それなくして「福祉」も何もありません。

    ドクター差別

    2013/6/13(木) 午後 11:12

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    こんにちは。検索できました。
    自分はフリーですので、ドクターのご意見に何ら違和感はないですね。賛成できないのは、ぬくぬくとした環境できた人=正社員でしょうな。そもそも、仕事というのは自分で作るものであり、雇われのサラリーマンが偉そうにしてるのは本当におかしいです。
    ところで、フリーでも諸事情でブランクが大きく営業に苦労してますが、驚くことに編集会議でも年齢を聞かれます!紙に書かないといけないとか。芸術系の仕事で、この国はもう‥

    雇用制度大改革は今すぐにでも実施しないと、氷河期一年目の年齢がどんどん上がっており手遅れになると思いますし、新卒よりも卒業後数年修行を経た優秀な人をとるべきだと思います。 削除

    [ まりお ]

    2013/6/22(土) 午前 1:54

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    まりお様

    >ぬくぬくとした環境できた人=正社員

    「中・長期の有期雇用契約」は、真面目に頑張る人にとっては、なんら「脅威」ではありません。むしろ、能力主義によって、公正な評価を得られる(可能性が高い)わけですから、歓迎すべきことでしょう。「反対する」のは、能力や頑張り以上のものを貰おうとする人たちでしょう。

    >新卒よりも卒業後数年修行を経た優秀な人をとるべき

    日本は「高校野球」を過剰に礼賛する土地柄です。「純粋無垢」を好みます。「若者」が好きです。

    でも、「若者」でも頑固者はいますし、物覚えの悪い人はいますし、体力があるとは限りません。個人差を無視し、属性(=年齢)で差別する、これは個人にとっても、社会にとってもマイナスです。

    ドクター差別

    2013/6/22(土) 午前 9:03

    返信する

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