|
そろそろひとまとめ
シリーズ「間違いだらけの矯正歯科選び」は、実体験や患者さんからお聞きした実話をもとにお届けしてまいりましたが、そろそろひと区切りといたします。雑多に並べますのでご容赦を。
・宣伝・商業主義
マスコミやインターネットに踊る広告、看板の数々。
情報発進や最低限のお付き合いもありますが過度になれば・・・。
・治療費が高すぎる、安すぎる、説明が曖昧
大学病院の公定料金についてはさきに述べましたし、仙台では公定料金よりリーズナブルな設定をする開業医が多めです。とはいえ、技術あってのものですし、逆に料金が低すぎるところも注意すべきかも知れません。また毎回の調整料を低めに抑えているところもありますし、治療が長引いて総額が嵩むこともなきにしもあらず。目先にとらわれず、長い目で総合的にお考えください。
・装置に差額料金
いざ治療を決心すると、プラスティックやセラミックの装置はプラス〇万円などのオプション設定のあるクリニック。たしかに大学病院の料金にもその設定がありますし、金属製のブラケットが1個500円弱に対してプラスティックやセラミックは1,000円以上するものもありますが、奥歯を除けば20本分ですから、もし差額のある場合にはそれが適当かどうか試算してみてください。
・過度の謳い文句、強いアピール
これも以前述べましたが、たとえば「抜かずに治す」「今なら簡単に治せる」「最新の装置」「目立たない」など、患者さんの心をくすぐるフレーズが連発されるなら要注意。
熟練した矯正歯科医は、もちろんそれらを考慮して最優先しつつ、いろいろな選択肢を考えながら適切な方法や時期を選び、患者さんの都合や意向も鑑みて最良の道筋を導きだそうとするものです。概して、経験や技量を持つドクターほど鷹揚に構えて患者さんの考える時間を大切にするように感じます。
・待ち時間が長い、予約を取りにくい
はやっているクリニックなら致し方ない点もあるかも知れませんが、矯正歯科では予約制のところがほとんどで、計画的に治療をすすめるものです。前の患者さんが遅れた、思わず処置が長引いた、応急処置の患者さんが入ったなどの事態は考えられますが、いつも必ず待たされたり予約を取りにくいクリニックは、どこかに問題点がありそうです。
・クリニックの内装、清掃
機内食の食器が汚れていたら・・・。食事だけでなく運行の安全性さえ不安に思うもので、これを「真実の一瞬」と評します。一方、古いと清潔とは相反しないもので、拡大解釈すればスタッフの身だしなみや化粧にも通じる点もあることでしょう。不潔なことは問題外として、華美すぎるのも同じこと。資格を曖昧にして、たとえばスマイル・コーディネーターであるとか名称が先行して、スタッフがやたらと多すぎたり対応に統一感がなかったりするのも問題でしょう。ハードとソフトより素朴なヒューマンウェアこそ組織の実態をあらわすものだと思います(一事が万事)。
・口コミ
良くない口コミはおそらく信じるに足る情報でしょう。反対に良い口コミは話半分に聞いてよいかも知れません。そもそも同じクォリティが確約されてもいないのに、料金やフィーリングで判断する前提が間違いですし、ニーズや現況はまさに百人百様ですので。ことに各種媒体上の口コミには要注意。
・大学病院神話
大学病院では最新最良の医療を受けられる。これは一面の真理ですし、永らくその一翼を担ってきた者として研修医や学生に口を酸っぱくして言い続けてきた言葉でもあります。しかしながら大学病院はそもそも若いドクターを育てる医育機関ですし、ベテランも「教育・研究・診療」が三本柱。つまり診療はそもそも3分の1に過ぎず、「白い巨塔」ではありませんが、教室を統轄する教授の人間性に大きく左右されます。
幸いなことに臨床を重視する教授のもとに集う先輩のスタッフドクターに恵まれて来ましたし、その立場に立って診療を最優先にしてきましたが、そうではないケースの数々を端から見てきましたし、よくよく考えてみれば悲しくも当たり前の姿かも知れません。診療や教育を雑用と軽視して研究活動に専念するほど居残るチャンスが増え、高い気概と診療技術を持つ優秀な頭脳が流出する姿に憂いを覚えつつ、いわばどのような業種でも同じく、これも世の常、人の常。若き後進にエールを贈るとともに、サービスの受け手である患者さん方には鑑識眼を持っていただくことを念じつつ、この章をとじます。
仙台矯正歯科ガイド
|