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主宰宇多喜代子(現代俳句協会会長) ゲスト 冨士眞奈美(女優)
司会は塚原愛アナウンサー
先週に続いての兵庫県佐用町ですが、今日は吟行。
<合評は飽くまでも私の俳句勉強の素材としての聞き書きメモですので、漏れやニュアンスが違う場合もあると思われますが、ご容赦ください。>
題「佐用町吟行」
母すでにはるかなる国蕎麦の花
3点句(宇多主宰)。郷愁のイメージのある蕎麦の花。平凡であるかもしれないが黄泉の国へ旅立っているお母さんと蕎麦の花がよく響き合っている。お母さんのつつましやかな人柄が偲ばれるようで。/蕎麦の花でやさしいだけでなく飾らない素朴なお母さんの姿が見えて来て良い。/一読ほろりとさせられるが、それでいてしっかりしている句。この母がどんな人か蕎麦の花が象徴している(宇多主宰)。/身体が弱かった母は自分で蕎麦を栽培していた(作者)。
播州や熟れ放題に柿熟るる 冨士 眞奈美
3点句(宇多主宰選)。ストレートで分かりやすくそれだけに印象が強い。播州という地名がすごく生きている。/挨拶句はこのように暖かいのがいいですね。/まさに今日の吟行の実感のある句。「播州や」で詩になっている(宇多主宰)。/正岡子規と同じく柿が大好きな私です(作者の冨士さん)。
そばの花無色無臭の風の中 宇多 喜代子主宰
2点句。そばの花の本質が出ている句。「無色無臭の風」は少し説明臭いとも思ったが、季語「色なき風」を使わずに。「無色無臭の風」と言ったことでそばの花が立ってきたかなと。存在感が有るような無いような難しい季語「そばの花」。/中七のところがちょっと小理屈っぽい感じがして、「そばの花」と漢字表記にしなかったのだが(作者の宇多主宰)。
天つ日を微塵にかへし蕎麦の花
2点句(冨士他選)。好きな句だと思ったが難しい句だなと。自分なりに読み解いてみた。白い蕎麦の花を指先で広げたら弱々しい蕎麦の花が太陽の光を光返しているようなつましい蕎麦の花だよと。囁き合っているような表現。太陽でなく「天つ日」がいいなと。/「天つ日」、少し大袈裟とも思うが五穀を育むのは天つ日ですから良いと思う(宇多主宰)。/花か実か分からない微塵が一生懸命天に向かって自分も生きているんだよと。良い句だと思う(冨士)。
豆筵叩いて畳む宿場町
1点句(冨士選)。宿場町の一景として地味な日常景にズームインしたのがとても素晴らしい(冨士)。/豆は小豆(あずき)でしたね。吟行をこのように記録として残すのはいいこと。「叩いて畳む」がいい(宇多主宰)。
初冬の綺麗な昼でありにけり
1点句。佐用町の綺麗なお昼の空気を詠っていただいたと思って頂戴しました。/景は私の「無色無臭の風の中 」の句と同じで、こちらの句の方がスタイルが良くて恰好がいいかなと。私の句はダメだなと思った。「無色無臭」などと言わずに「綺麗な昼」でいいんだなと思わされた。ちょっと若い人の句にしては恰好よすぎないかと。誉めたり下げたりで何ですが(宇多主宰)。/作者は28歳の男性。
○宇多喜代子主宰の感想
句もさることながら皆さんの鑑賞がいい。句そのものもなんなくと作った句でないんですね。それぞれ。
○今週の珠ことば 「初しぐれ」
初しぐれこれより心定まりぬ 高濱 虚子
NHK俳句王国のHP
http://www.nhk.or.jp/haiku/
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